神さまはどんな小さなことでもちゃんと見ていてくださることを伝える。
聖霊降臨後最終主日は終末(世の終わり)について思いを向けることになります。いわゆる「終末論」です。しかし、子どもたちにこのことを伝えることは難しいでしょう。ちなみに、「終末論」というと大人でもおどろおどろしい恐怖のイメージを持ちがちですが、聖書が重要視するのは、「救いの完成の時」ということです。それは、キリスト者にとっては希望の時ともなります。前述のようにこのことを子どもたちに伝えることは大変難しく思いますので、神さまはどんな小さな良い行いも必ず見ていてくださって、必ず最後には報いてくださる、ということを伝えていければと思います。
このテキストで羊と山羊とが選り分けられる様子が記されています。そして、「羊」は祝福された者、逆に「山羊」は呪われた者と記されていることから、羊と山羊に対してもそんなイメージが持たれやすくなっているのかもしれません(例えば、悪魔崇拝者たちはバフォメットという頭が山羊の像を崇拝していますが、確かな関連性は不明ですが、この聖書の記述もそんなイメージを生み出した一つかもしれません)。しかし、本来の聖書の記述によりますと羊と山羊に善悪のイメージはありません。むしろ、両者は明確な区別もなく記されているのが一般的だとも言われています。たまたま羊飼いたちが自分たちの飼っている羊と山羊とを選り分ける様子(夜間では山羊は寒さを嫌うので屋内に、羊は新鮮な空気を必要とするので屋外で過ごしていた様子から)が身近な題材として取られたということでしょう。