この世の貧富の差(構造的な経済格差)が神の御心に背くものであり、神様は常に貧しい者、困窮した者を心にかけておられることを示す。貧困状態にある人々への共感を育む。
イエスの譬え話が、現代にも起こっている事柄と重なることを、児童のわかる範囲で伝えるよう努めた。その上で、譬え話の物語性を大切に、少しでもラザロの境遇に想いを寄せられるように心がけた。神の罰としての地獄について、幼い聞き手に恐怖感を与えすぎないよう配慮が必要である。「モーセと預言者」の教えについては、省略している。現代の子どもの貧困、ホームレス問題、世界の飢餓の問題とも関連して展開できるかもしれない。
ホームレスであるラザロには名前が与えられており、一方の金持ちは匿名のままであることに注目すべきである。ホームレス状態にある人々の、人としての尊厳、人権が、まず神様によって尊重されていることを表しているといえる。