TNG The Next Generation

2013年12月22日 待降節第4主日

福音書 ルカ1:46-55
第一の日課 サムエル上2:1-10
第二の日課 ローマ2:17-29

今週の聖句

「力ある方が、わたしに偉大なことをなさいましたから。」
ルカによる福音書1:49

説教作成のヒント

・今日の聖書箇所全体は「マニフィカート」(ラテン語で「あがめよ」)と呼ばれる賛歌である。イエスの母マリアには優しく穏やかなイメージがついているが、この賛歌の中でマリアは、むしろたいへん力強く堂々と、虐げられた人々の救いを歌い上げている。

・直前の26-38,39-45節も参照。天使による受胎告知の後、マリアが親類エリサベトのところへ行き、天使が自分への受胎告知と共に告げたエリサベトの妊娠を確かめる。マリアは老齢であったエリサベトの妊娠に触れたことで、「神にできないことは何一つない」という天使のお告げを改めてその身に感じ、喜びの歌を歌ったのである。

・「はしため」という言葉は身分の低い奴隷女、という意味を持つ(「はしため(卑女)」「賎の女」は、女性の社会的地位に対する蔑視表現でもあるので、注意が必要)。実際にマリアが奴隷の身分であったわけではない。しかし「はしため」という言葉は、神の偉大さに対してマリアが自分自身をへりくださらせた表現であると共に、当時の権力・特権的階級に対してマリアは何の力も持たない非力な娘であったこと、そのマリアを通して神は偉大な恵みのわざを行われるのだ、という弱い立場の人々に対する救いの宣言でもある。

豆知識

・「聖母マリア」というと、すでに母親として完成した、優しく穏やかで慈愛に満ちたイメージを抱くかもしれない。しかしおそらくこのときのマリアは、ようやく結婚適齢期に差し掛かったばかり、13~15歳くらいの少女である。賛歌の内容は、イエスによって実現する神の救いの出来事を歌っているが、その出来事は決して力強い英雄をとおしてではなく、幼い少女と無力な赤子の姿でキリストが世に下ってこられることによって実現していくのである。

説教

アドベントクランツの周りの4本のろうそくにすべて火がつきました。後は、真ん中のろうそくに火がともるだけですね。やっと、楽しみにしていたクリスマス、イエス様のお誕生をお祝いすることができます。

さて、イエス様がお腹の中に来たとき、マリアさんは何歳くらいだったと思いますか。みんなのお母さんくらい?○○先生くらい?実は、13歳から15歳くらいだったと言われているんです。中学生のお姉さんくらいですね。マリアさんはみんなのお姉さんくらい、子どもとおとなの中間くらいの女の子だったんです。

そんなマリアさんでしたから、はじめ、天使から「あなたは救い主を生みますよ、その子にイエスと名づけなさい」といわれたとき、マリアさんはとても驚いたんです。結婚していないのに子どもが生まれるというのも不思議でしたし、自分みたいな力の弱い女の子が、救い主のお母さんになるなんて、できるのかしら、とも思ったのでしょうね。

そんなマリアさんが、イエス様のお母さんになる覚悟を決めることができたのは、親戚のエリサベトさんのところに会いに行ってからでした。天使はマリアさんにこうも言っていたのです。「あなたの親戚のエリサベトにも、子どもを生まないまま年を取っているけれども、男の子が生まれますよ。子どもがほしくても生まれなくて、ずっと悲しい思いをしていた人だけれど、もうだめだと思っていたエリサベトさんにも、神さまは大きな恵みを下さったんですよ」そして、エリサベトさんのところにいって、天使が言ったことが本当だったことを確かめたマリアさんが、喜んで歌ったのが、今日読まれた聖書のところです。

マリアさんは、天使が言ったことが本当だったと知って、「自分は小さなものだけれども、その自分に神さまが大きなことをしてくださった!」と喜んで歌いました。小さくて、あまり力も持っていないマリアさんを神さまは選んで、イエス様のお母さんとしてくださった。神さまが小さなマリアさんを選ばれたのは、マリアさんが特別美しかったり、特別ないいことをした人だったりしたからではなく、この小さなマリアさんをとおして、「貧しかったり、飢えていたり、力がなくて苦しんでいる人たちに、神さまは特に大切にして下さって、大きな恵みをくださるんだよ」というしるしを示されるためでした。

「主われを愛す」という歌がありますね。「主われを愛す、主は強ければ、われ弱くとも、おそれはあらじ・・・」これはアイスクリームの歌ではなくて、「神さまがわたしを愛してくださるから、わたしの力は弱いけれども、怖くはありません!」という意味の歌です。イエス様は、小さな赤ちゃんの姿で生まれてきてくださいました。その小さな、周りの人の助けがなくては何もできない赤ちゃんイエス様の姿の中に、大きな大きな神様の恵みが詰まっているのです。どんなに自分が小さく、弱く思えるときでも、神さまがいてくださるから、大丈夫!クリスマスは、そのことを喜ぶお祭りでもあります。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□26番 「いざうたえ」

□改訂70番 「いざ歌え、いざ祝え」

やってみよう

☆クリスマスのヒミツのみことばを探そう!

①イ・ン・マ・ヌ・エ・ルを一文字ずつ書いたカードを教会のあちこちに隠しておく。

②6枚のカードを探しだして、言葉にしよう。(聖書マタイ1:23)

③インマヌエルの意味を聖書から調べよう※1枚の厚紙に文字を書いて、パズルのようにバラバラに切ってピースにしてもおもしろい。

話してみよう

「イエス様は、○○さんのためにお生まれになりました。」にメンバーの名前をそれぞれ入れて、みんなで言いましょう。どんな気持ちがするか、話してみましょう。

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