・後半のカナンの女の信仰について、「熱心に求めること」を主題として説教することも出来るが、ここでは前半の結びの部分に焦点をあて、何が神さまを悲しませるのか、ということを主題とした説教を組み立ててみた。
・子どもたちが「手を洗わなくてもいいのだ」と誤解してしまうと困る。しかし、手を洗うかどうかに執着して本質を見失ってしまうファリサイ派に対して、イエスさまが鋭く批判されたことは覚えたい。神さまは、わたしたちの心が元気でいることを喜んでくださる。
・この箇所は、「お尻から出るうんちよりも、口から出る悪口の方が人間を汚すのだ」と説かれたイエスさま一流のユーモアである。
・宗教的なケガレについての概念を小さな子どもたちに理解してもらうことは難しいので、そこには深入りせずに、神さまが悲しむこと、喜ぶこと、という切り口でまとめるとよい。
・旧約聖書には、申命記やレビ記などに613もの律法が記されているという。ファリサイ派の人々は、これら書かれた律法の他にも、書かれていない「口伝」の律法を伝承しており、その両方を守ることが神の前に正しい、神に喜ばれることだと教えた。