TNG The Next Generation

2023年1月8日 主の洗礼

福音書 マタ3:13〜17
第一の日課 イザ42:1〜9
第二の日課 使10:34〜43

今週の聖句

「「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえた。」
マタイによる福音書3章17節

ねらい

神の子が人の子によって洗礼を受ける。罪なき者が、罪ある者から洗礼を受けたという逆転現象にみられる神のみこころを知る。

説教作成のヒント

・洗礼者ヨハネはイエスが洗礼を受けるために自分のもとに来たことに戸惑う。洗礼を授ける人と受ける人の関係を考えると、より優れた者が授けるのが当然と考えていたからである。しかし、イエスは「正しいことをすべて行うのは、我々にふさわしいことです」と言ってヨハネから洗礼を受けられた。

・ヨハネにしてみれば、自分の価値観がひっくり返るような大きな出来事。しかし、この逆転がとても重要なのではないだろうか。

豆知識

・悔い改めに導く洗礼は水に全身を沈めるものであった。水はいのちを象徴し、同時に死をも象徴している。すべての命は水がないと生きていくことはできず、その水は破壊的な力によって命を奪うこともある。

・いのちと死が混在する水によって「いのちと死」「聖と俗」「善と悪」などが見えてくる。これは私たちの生きる世界ともいえる。イエスは混沌の中で低みに置かれ、呻きつつ生きる者たちに連帯するため、また低みを作り出す者たちにも開放をもたらすために洗礼を受けられた。

・いのちにつながるためのイエスの洗礼を天も祝福する。そして、「わたしの愛する子」という宣言を私たちもイエスがつながってくださったことによって私に語られている言葉として聞き、共に生きようという招きに立ち上がっていくことができる。

説教

今日の物語では洗礼者ヨハネのもとにイエスさまが来られて洗礼をお受けになったことが書かれています。ヨハネさんは、後から来られる優れた方を迎える準備として悔い改めの洗礼を受けましょうと、人々に訴えかけていました。ヨハネさんの所には、エルサレムはじめユダヤの全土から、また、ヨルダン川沿いの地方一帯から人々が押し寄せていました。もちろん、イエスさまがおられたガリラヤからもヨルダン川のヨハネのもとに多くの人が行っていたようです。そして、その中にイエスさまもおられたのでした。

ヨハネは沢山の人たちにまぎれてイエスさまがおられることに気づくと《わたしこそ、あなたから洗礼を受けるべきなのに、あなたが、わたしのところへ来られたのですか》(3:14)と驚いて思わず声を上げています。しかしイエスさまは《今は、止めないでほしい。正しいことをすべて行うのは、我々にふさわしいことです》(3:15)と言って、ヨハネから洗礼をお受けになりました。

他の人たちと同じように、イエスさまもヨルダン川の水の中に沈んでいかれます。そして、イエスさまが水の中から上がられると、天が開いて、神の霊が鳩のようにイエスさまの元へと降ってきたのです。そのとき《これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者》(3:17)という声が天から響きました。

ヨハネがびっくりしたように、神の子であるイエスさまは悔い改めの洗礼をお受けになる必要はないと私たちは考えるでしょう。しかし、罪ある者と等しくなられるために、イエスさまはみんなと同じ洗礼をお受けになったのです。そして、このことは、神の霊が鳩のように降ってくることと、天の声が響いたことによって天の喜びであったことが顕かになりました。

洗礼をお受けになったイエスさまは、この後、旅に出られます。それは、福音を伝えるための宣教の旅です。そして、出会う人々の友となられます。そう、イエスさまはあなたと共に生きるため、洗礼をお受けになりました。「共に生きよう」と招かれるイエスさまにあなたはどのよう応答しますか?

(執筆:岡田薫牧師)

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)5番「かみさまは」、改訂版49番「かみさまはそのひとりごを」。

やってみよう

☆鳩のように天の声を届けよう

<用意するもの>

画用紙(白でもカラーでもOK)、はさみ、カラーペンや色鉛筆


•はさみで画用紙を鳩の形に切る。

•切った鳩の体に今日の聖句「これはわたしの愛する子、私の心に適う者」

と書いて好きな色を塗ったり絵を描いたりする。

•教会やおうちの玄関や窓、トイレや洗面台など様々な所に作った鳩を置いておく。


毎日の生活の中で、鳩に書かれた聖句を目にする度に神様が私達をいつも見ていてくださること、共に生きてくださっていることを再確認しよう。

はなしてみよう

・「悔い改め」は方向転換を意味します。どこに向かっての方向転換でしょうか?

・ 天からの「これはわたしの愛する子」という声は、イエスさまを通して私たちにも響いてきます。ここが信仰の出発点かもしれませんね。あなたはどのように受け止めていますか?

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