TNG The Next Generation

2023年1月15日 顕現後第2主日

福音書 ヨハ1:29〜42
第一の日課 イザ49:1〜7
第二の日課 1コリ1:1 〜9

今週の聖句

「見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。」
ヨハネによる福音書1章29節

ねらい

苦難の僕として十字架に向かわれるイエスこそ《世の罪を取り除く神の小羊》、待ち望まれていた真の救い主(メシア)であることを知る。

説教作成のヒント

・「小羊」と聞くと当時のユダヤ人たちの多くは、神殿で捧げる犠牲の動物や出エジプトの際の過ぎ越しの小羊(犠牲の小羊の血を鴨居に塗り、主が通り過ごして災いを逃れる。出エジプト12:3-13参照)を想起したことだろう。そして、それは民の救いを成し遂げる救い主(メシア)を連想させたに違いない。

・洗礼者ヨハネが《見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。》と言ったのは、これから十字架という苦難の道に向かわれるイエスの姿に、旧約以来の《神の小羊》の姿を見ていたからであろう。イエスは《神の小羊》として、人間が背負っている根源的な罪を一身に背負い贖われ、十字架の死を通して、人間の罪を赦され、神との正しい関係を回復される。

豆知識

・救い主(メシア)を待ち望んでいた人たちは様々なイメージをもっていた。洗礼者ヨハネが活動を始めたばかりの頃、エルサレムの祭司やレビ人たちが彼のもとにやって来て「あなたは何者なのか」と質問している。これに対してヨハネはきっぱりと「自分はメシアでもなく、預言者エリアの再来でもない」と答えた。

・《わたしの後から一人の人が来られる。その方はわたしにまさる。わたしより先におられたからである》(1:30)は1:15節の繰り返し。イエスが洗礼者ヨハネにまさるお方であることを強調している。

説教

洗礼者ヨハネの出現と彼の悔い改めの洗礼運動がエルサレムとユダヤの全土、ヨルダン川沿い一帯の人たちに大きな影響を与えていたことは先週も聞きました。そして、沢山の人々が洗礼を受けるために彼のもとにやって来て、イエスさまもその中におられ、みんなと同じ洗礼を受けたことも聞きました。

ヨハネはイエスさまが他の人たちと同じようにへりくだられる姿を見て預言者イザヤの言葉を思い出していたようです。そしてイエスさまが水から上がられたとき、天が開いて声が響き、神の聖霊が鳩のように降ってきた様子を見て、「やはり、このお方がわたしの後にこられるお方。わたしよりも優れたお方なのだ!」と確信したのです。

《見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。》(1:29)という宣言は、これまで様々なイメージで語られていた救い主について、勝手な思い込みを持っていた人々や弟子たちに、イエスさまこそがそのお方なのだ、という力強い証です。イザヤの預言では救い主を“苦難の僕”というイメージで表しています(イザヤ53:7参照)。屠り場に引かれていく小羊のように、イエスさまはすべての人の罪を背負い、贖うために十字架に向かわれます。その最初の業として、ヨルダン川でヨハネから洗礼を受けられたのです。ここには多くの人たちが思い描くような華々しさはありません。けれどもそこには人間の罪を贖うという強い決意と愛があります。

洗礼者ヨハネは、自分の後から来られる方の道備えをすること、その方を指し示すことが自分に与えられた役目であると自覚していました。だからこそ、イエスさまこそが《神の子》であり、《世の罪を取り除く神の小羊》であるとの確信を得た時に喜びにあふれ《見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。》(1:29)《この方こそ神の子である》(1:34)と証ししているのです。

ヨハネと共にいた二人の弟子は《見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。》との証を聞いて、イエスさまに従うようになりました。このヨハネの証は私たちに向けても語られています。あなたはどのようにこの言葉を聞き、受け止めるでしょうか?

(執筆:岡田薫牧師)

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)30番「まぶねのなかに」、改訂版79番「まぶねのなかに」。

やってみよう

☆オオカミさん今何時ゲーム

だるまさんが転んだと鬼ごっこが混ざったようなゲームです。

鬼役が「オオカミ」それ以外は「子羊」です。

オオカミは夜中の12時になるとお腹が空いて子羊を食べようと捕まえに行くので、子羊は急いで逃げるというゲームです。


•子羊達が逃げ込める家(安全地帯)が分かるように、オオカミが立っている場所からはなれたところに作っておく。(屋外なら円を書いたりしておくと良い)

•家にいる子羊達が「オオカミさん今何時?」と聞きます。オオカミは「5時」「9時」など好きな時間を答えます。

•子羊達は「あーよかった」と言いながら言われた時間と同じ歩数分(5時なら5歩)オオカミに近づきます。

•これを何度か繰り返して、子羊達がある程度オオカミに近づいたら、オオカミは何時か聞かれた時に「夜中の12時!」と答えます。

すると鬼ごっこがスタート。

逃げる子羊達をオオカミが追いかけてタッチします。

オオカミに捕まらずに家(安全地帯)に逃げ込めたらOK。

捕まった子羊がオオカミを交代して繰り返す。


神様の愛する子どもとして、神様にいつも感謝して生きていくことができるようにお祈りして終わりましょう。

はなしてみよう

・ヨハネによる福音書は、イエスにイザヤが預言した“苦難の僕”の姿を重ねています。イザヤ書53:6b-57節を読んで感じたことをわかちあってみましょう。

・あなたは洗礼を受けていますか?受けていませんか?洗礼を受ける意味って何でしょう?単なる儀式?救われた証し?教会員になるために必要なこと???いろいろな思いをわかちあってみましょう。

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