神の子イエス・キリストは、「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。」（14:6）と宣言されました。また、主イエス様は、父なる神様にお願いして、弟子たちに聖霊を遣わしてくださることを約束されたのです。なぜ、聖霊が必要なのでしょうか？　それは、主がいなければ、弟子たちは両親のいない子ども同然だからです。

主イエス様に召し出され、主と共に三年余りを過ごして来た弟子たちです。主は、どんな困難や問題も解決し、人々の病や思い煩いをいやされ、あらゆる重荷を負い、人々の必要を満たされました。弟子たちは、主と共に歩んでいる間は、どのようなピンチの時でも、幸福で安全だったといえます。親が近くにいて、見守っていてくれることを知っている子どもが安心していられるように、主が自分たちと一緒にいてくださることは、弟子たちの安心感に結びついていました。

しかし、この時、主イエス様は、十字架の死によって、弟子たちから取り去られようとしていました。そして、弟子たちは、自分たちが、愛する親を奪われた小さな子どもたちのようになるだろう、と感じていたと思います。だから、全てをご存知の主は、「わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。この方は、真理の霊である。」（16, 17a）と、弟子たちに約束されたのです。

主イエス様ご自身が、私たちの救いのために天から降り、弟子たちを救い・助け・守り・憐れんでくださる、弁護者でした。ただし、主は、聖書に書いてある通り、私たちの罪のために十字架で死に、墓に葬られ、三日目に復活された後、天の父なる神様の御もとに帰られることになっていました。

弁護者であった主イエス様が、天に昇られてしまうのです。聖霊は、主が天に昇られた後、弟子たちを両親のいない子ども、「みなしごにはしておかない」（18）ために遣わされる「別の弁護者」だったのです。主が、約束された通りに、主なる聖霊が、2000年前のペンテコステの日に、主を信じている弟子たちに降りました。そして、今も、主は、主なる聖霊によって、主を信じている、あなたと共に、あなたの内におられるのです。

（執筆：奈良部恒平牧師）