TNG The Next Generation

2021年9月12日 聖霊降臨後第16主日

福音書 マコ8:27~38
第一の日課 イザ50:4~9a
第二の日課 ヤコ3:1~12

今週の聖句

「自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。」
ヨハネによる福音書8章34節

ねらい

十字架を背負って・・・それはわたしたちの罪のために、ご自身を犠牲にして、お受けになったイエスさまのお姿です。その御姿に倣うということ、それはつまりわたしたちも隣人を愛していくことであることを伝えたい。

説教作成のヒント

「イエスさまは何者?」ということについて、弟子たちは、いろいろ誤解していた。

実際、子供たちにも(もちろん大人たちの中にも)「すごい人」といったイメージを持っていることがあるかもしれない。

二つの面で、そのイメージを崩すことが大事である。

ひとつは、イエスさまは天から来られた神の子であるということ。いわゆる、偉人のひとりではないということ。

もうひとつは、今度は逆になるが、「天から来られた神の子」というイメージが強ければ、「すごい御方」「キラキラ輝く」といったイメージになっているかもしれない。そうではなく、この御方は、徹底的に低くなられたということ。

どちらも、弟子たちが、抱いていた誤解であった。

豆知識

「サタン、引き下がれ」の言葉は、いくつかの英語の聖書でGet behind me,と訳されているように、「私の後ろに、行きなさい」である。ペトロは、イエスさまの前に出て、いさめた。それは「あなたのやり方は違いますよ。こうやるのですよ」と言って、イエスさまを自分のやり方で従わせようとしたこと、と言えよう。そうではなく、イエスさまの後ろに行く・・・イエスさまの背中を見て、足跡を踏みしめていく。そこにある足跡は、十字架への道なのである。

説教

イエスさまがお弟子さんたちと、舟に乗っていた時の話は知っているでしょうか。強い風が吹いて、大きな波が舟をおそって。もう舟がひっくり返りそうになりました。弟子たちは、もうこのまま、波に飲み込まれて死んでしまうと思って、怖がりました。すると、イエスさまが、その波や風をお叱りになる。そうしたら、波も風も、すぐに静かになったというお話。

すごいお話ですね。その時、弟子たちは驚いて言いました。「風も、波も静かにしてしまうなんて。いったい、イエスさまって、何者なんだろう?」

どんなにすごい人でも、風や波を静かにさせるなんてことはできません。・・・イエスさまはいったい、何者なのか・・・?

今日読んだ聖書の言葉を読むと、イエスさまが弟子たちに、「あなたがたは、わたしを何者だと思っていますか」とお尋ねになったことが紹介されています。その時、ペトロさんが、「あなたはメシアです。」と答えました。メシアっていうのは、私たちみんなを、愛して、助けて、救ってくださる、神の子っていう意味です。

それは合っていますよね。

でも、イエスさまは、その時、とても、とても大事なことを、続けておっしゃいました。「わたしは、確かに、天からやって来た神の子、みなさんを救う救い主、メシアです。ただ、わたしは魔法で、シュッと助けるのではありませんよ。そうではなく、みんなを助けるために、みんなの罪のために、代わりに十字架にかかって、死ぬことによって、みんなを助けます。」と。

弟子たちは、イエスさまが、十字架の上で殺されるなんて、信じられませんでした。だって、風をしずめることもできるし、荒れ狂う波も静かになってしまうのです。そんなすごいことのできるイエスさまが、みんなに殺されるなんて。

でも、それは本当でした。イエスさまは、罪深いわたしたちをお救いになるために、代わりに十字架にかかって、死んでくださいました。

イエスさまは、弟子たちにおっしゃいました。「あなたがたも十字架を背負って来なさい」と。

自分のことばかりでなく、誰かを助けること、周りの人を大切にすることを教えています。それが、「十字架を背負って来なさい」というお言葉でした。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)38番「わたしたちのつみのため」、改訂版85番「イェスのになったじゅうじかは」。

やってみよう

☆自分の十字架をつくろう!

自分だけの特別な十字架を作ってみよう。十字架を作りながら、自分と向き合う時間を大切にしましょう。


<材料・作り方>

紙パック1000mlふたつ、紙パック500mlふたつ、色紙、サインペン、クレヨン、えのぐなど。

1000mlを縦に2個つなぎ、500ml2個を両横につなぐ。好きなように色を塗ったり、飾り付けしたりする。白い紙を貼って、言葉を書くのも良い。

「自分の十字架って何だろう?」話し合って自分の十字架だと思うもの、思う事を十字架に書き込んでみるのも良い。

はなしてみよう

イエスさまは何者でしょう?

自由に、話し合ってみましょう。

「私にとって、イエスさまは・・・・」と。

教師自身が、まず自分の言葉で、「私にとって、イエス・キリストは、こんな御方です」と紹介したい。仮に、子供たちがこの問いに答えられないとしても、教師たちが、「私にとってはね、イエスさまは、・・・」「イエスさまは、(あるいは神様は、)わたしをこんなふうに、導いて下さいました」という証しを行うならば、それは子供たちに大切なものを残すはずだから。

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