TNG The Next Generation

2019年7月14日 聖霊降臨後第5主日

福音書 ルカ9:51-62
第一の日課 ヨナ4:1-11
第二の日課 ガラテヤ5:2-26

今週の聖句

あなたは行って、神の国を言い広めなさい。
ルカによる福音書9章60節

ねらい

この箇所の並行箇所、マタイ福音書8章を読むと、イエス様が、ご自身に従って行きたいと願う人に、「わたしに従いなさい。死んでいる者たちに、自分たちの死者を葬らせなさい。」(マタイ8:22)と命じられたことが分かります。しかし、このルカ福音書では、どのような目的で、イエス様が、彼を召されているかが、より明らかにされています。その目的とは、「あなたは行って、神の国を言い広めなさい。」(60)ということです。ですから、この箇所のポイントとなるのは、キリストに召され、キリストの弟子とされた人たちが、「行って、神の国を言い広め」ることです。「神の国」について、聖書は何を教えているのでしょうか?

説教作成のヒント

イエス様は、別の箇所で、「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。」(マタイ6:33)と、語られました。「神の国」とは、私たちが、「何よりもまず」求めなければならないものです。ですから、イエス様は、ご自身に従いたいと願う者に、「あなたは行って、神の国を言い広めなさい。」(60)と命じられたのです。

しかし、生まれながらの罪ある人間が、「神の国」の実現ために働くことはできません。けれども、恵みにより、十字架のイエス・キリストの信仰によって、救われ「神の子たち」とされた人々は、「神の国」のために働くことができます。イエス様は、「実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ。」(ルカ17:21)といわれました。そうであればこそ、主なる聖霊を受け、聖霊に導かれている私たちが、御言葉に従い、「神の国のために共に働く者で」(コロサイ4:11)ないはずはありません。

宗教改革者マルティン・ルターは、「神の国」について、「愛する兄弟たちよ、私たち自身が神の国なのだが、この神の国は話や言葉によって立つのでなく、行う力、すなわち、行為、働き、鍛錬によって立つのである。神はただ聞いているだけ、おうむ返しに言うだけの者を欲しておられるではなく、従う者、それも信仰において、愛によって従う者を欲しておられる。」といっています。

豆知識

豆知識

「エルサレム」(51)は、ユダヤ人にとって神殿のある聖なる都、いわば世界の中心地です。イエス様の時代、都エルサレムは、ローマ帝国の支配下にありましたが、エルサレム神殿での礼拝は許されていました。イエス様は、度々このエルサレム神殿で、ユダヤの民の指導者たちと論争し、神殿で巡礼者たちに教えられました。

「サマリア人の村」(52)は、その正確な位置は不明ですが、エルサレム北部のサマリア人の住む地域にあった村だと考えられています。イエス様の時代には、ユダヤ人とサマリア人とは、お互いに不信感を持ち、交わりを絶っていたといわれています。

「神の国」(60)について、ルカ福音書から説明すれば、4章43節には、——イエスは言われた。「ほかの町にも神の国の福音を告げ知らせなければならない。わたしはそのために遣わされたのだ。」——と書いてあります。つまり、イエス様がこの世に遣わされたのは、「神の国の福音を告げ知らせ」るためだったのです。神の国は、神様の御心が行われる所には、どこにでも存在し、神の民とされた人が、福音を宣べ伝え、また神様と隣人とに仕える御国を意味しているといえます。

説教

イエス様は、ご自身に従って行きたいと願う人に、「あなたは行って、神の国を言い広めなさい。」(60)と命じられました。この御言葉には、イエス様が、ご自身に従いたいと思う人を、どのような目的で、お招きになられたのかが語られています。イエス様が、この人を含め、弟子たちを召された理由は、「神の国を言い広め」るためだったのです。

イエス様の語られた「神の国」とは何でしょうか? 聖書には、「神の国は、飲み食いではなく、聖霊によって与えられる義と平和と喜びなのです。」(ローマ14:17)と書いてあります。聖霊とは、御父(父なる神様)・御子(イエス様)・御霊(聖霊)の三位一体にして唯一の主、その聖霊なる神様のことです。ですから、「神の国」とは、主なる「聖霊によって与えられる」、神の子イエス・キリストの「義と平和と喜び」の支配、王なるキリストの王国を指しているといえます。

救い主イエス様は、十字架と復活によって、ご自身がもたらす「義と平和と喜び」、「神の国を言い広め」るために、福音の奉仕者、宣教者を召されているのです。恵みにより、信仰によって、イエス様に従って行きたいと願う人たちが、この神の子イエス・キリストの福音宣教の務めを果たす時に、世界は変わり、神様の「義と平和と喜び」が実現します。。

現実を見ると、「神の国」が到来していることに、私たちは気がつかされます。神様は、世界中の多くの民をクリスチャンにしています。教会は無数にあります。また、神の言葉である聖書は各言語に翻訳され、私たちは今日も御言葉を聞いています。御言葉に従い、私たちが信仰を持って「神の国を言い広め」て行く時に、神様の「義と平和と喜び」の支配が拡大し、悪の力は縮小します。

神様は、御心のままに、皆さんに素晴らしい能力を与えておられます。そして、恵みにより、主と共に歩みを起こした、あなたは、神様から与えられた、その素晴らしい能力を十分に活用し、「神の国」の発展のために行動するように導かれています。「なぜなら、キリストの愛がわたしたちを駆り立てているからです。」(2コリント5:14)——。「神の国」は、これからも広がり、歴史と共に成就しつつあるのです。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□36番 「しゅイエスのみちを」

□120番(改訂版) 「主イェスのみちを」

やってみよう

☆ほっとすることば

目を閉じて、自分がひどく痛い思いをしているとき、「だいじょうぶ、痛くないよ」と言われたら、どんな気持ちになるかを、味わってみてください。また、どんな言葉をかけられたらうれしいか、探してみてください。

☆お誘いリスト

A.前週に十字架を作った場合は、色塗りをしましょう。乾かす間、下記Bのリスト作りはいかがでしょうか。

塗った絵の具がしっかり乾いたら、ラッカー仕上げをします。その際は必ず換気の良い場所で、大人が行ってください。

B.神さまを信じて毎日を過ごすことがどんなにステキなことか、あなたの大切なひとにもお知らせできたらいいですね!

教会に誘いたい3人(ともだち、家族・・)のリストを作り、持ち帰って見えるところに貼りましょう。

そしてその大切な方たちが神さまと出会えますように、とお祈りしましょう。

はなしてみよう

その①

・イエス様は私たちに、「わたしに従いなさい」と言われます。どうすれば、イエス様に従うことができるでしょうか。

・私たちが苦しいとき、神さまはどこにおられるのでしょうか。

・自分がひどく痛い思いをしているとき、どんな言葉をかけられたらうれしいか、話し合いましょう。

その②

学校の友達や近所の友達に、教会や神様のことを話したことはありますか?神様を歓迎するということはどういうことでしょうか?どうすれば、私たちは神様を歓迎する準備が出来るとおもいますか?

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