TNG The Next Generation

2016年10月16日 聖霊降臨後第22主日

福音書 ルカ18:1-8
第一の日課 創世記32:23-31
第二の日課 Ⅱテモテ3:14-4:5

今週の聖句

「まして神は、昼も夜も叫び求めている選ばれた人たちのために裁きを行わずに、彼らをいつまでもほうっておかれることがあろうか。」
ルカによる福音書18:7

ねらい

・人間の側の努力や心がけが全くなくなった(できなくなった)ところにある。という祈りの本質の一つについて学ぶ。

・祈り続けることができるという神さまと人との絶対的な関係性を確認する。

説教作成のヒント

・イエス様の時代の「やもめ」の置かれた状況をしっかりと踏まえ、やもめが「裁判をしてもらうように願う」ことの意味を知る。

・第一の日課から続けることの大切さ(祝福を求め続けたヤコブ)を考えてみる。

豆知識

・「裁き」には「悪を断罪する」という面だけでなく「善悪をはっきりさせ、弱い人を守る」という意味があり、「裁判を起こす」=「やもめの願いが聞き届けられる」ということを意味する。

・「寡婦」や「孤児」はユダヤ教の社会において保護することが律法で定められていたが、聖書に登場する寡婦や孤児の生活を見ると、実際には厳しい状況に置かれた寡婦や孤児が多かったように思われる。

説教

みなさんは「裁判」を知っていますか?裁判とは、社会の中で起こる争い事を、憲法や法律など、社会の中にあるルールに従って解決をすることです。ルールを破った人にどんな罰を与えるか話し合ったり、人や会社がしたことが悪いことかどうか話し合ったりします。その話し合いの進行をしたり、どっちが悪いとか、どれだけ悪いとか、その話し合いの結論を出すのが裁判官のお仕事です。

日本では、この裁判官になるためには一生懸命勉強して、司法試験という試験に合格して、また別の学校に行って勉強します。でも昔のイスラエルでは、裁判官になるために勉強をしたり試験を受けたりする必要はありません。町で一番のお金持ちや、今でいう市長さんや町長さんが裁判官をしていたのです。

そんな裁判官の中にはルールを無視して自分に都合のいいように話し合いを進めたり、話し合いの結論を出したりする人もいました。

今日の福音書に出てきた「裁判官」もそんなずるい、自分勝手な裁判官でした。イエス様の時代の一番大切なルールであった旧約聖書を全く大切にしていなかったのです。

旧約聖書には夫を亡くした女の人や、お父さんもお母さんもいない子どもは、守ってくれる人がいないので、社会全体で守らなければならない。と書いてあります。けれども、みんながみんな、そんな社会の中で弱い立場ある人たちにやさしいわけではなく、中にはいじめたり、だましたりする人もいました。福音書に出てきた「やもめ=夫を亡くした女の人」はきっと、誰かに騙されたりいじめられたりして、でも助けてくれる人が誰もいなくて、とても困っていたのでしょう、彼女は裁判官に頼って裁判をしてもらうことしかできなかったのです。それがずるい、自分勝手な裁判官であっても、このやもめは彼に頼むしかありませんでした。だから一生懸命頼みました、何度も何度も頼みました、裁判官にほったらかしにされても、出て行けといわれても、それでもこのやもめは彼に頼むしかなかったのです。

そしてこの裁判官は、このやもめがあまりにもうるさいので、ほったらかしにするより、訴えを聞いて裁判をして早く終わらせた方がめんどうくさくない、と思うようになったのです。それほどまでに、このやもめは一生懸命、何度も何度も、この裁判官に頼みにいったのです。

イエス様はこのたとえ話を通して「気を落とさずに絶えず祈ること」の大切さを私たちに教えておられます。何もできなくても、からっぽになっても、「祈ること」はずっとできるということを教えておられるのです。神さまはいつも、いつまでも、私たちの祈りに耳を傾けてくださっているということを伝えてくれているのです。時間がかかっても、何もできなくても、祈り続けることはできるのです、そしてそこにはやさしく私たちの祈りを聞いてくださっている方がおられるのです。

どんな自分でも、折が良くても悪くても、耳を傾けて下さる神さまに絶えず祈り続けましょう。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□10番 「ことりたちは」

□改訂10番 「ことりたちは」

話してみよう

やもめの人は大変なことに巻き込まれ、裁判官に助けを求めました。皆さんは誰かに助けてほしいと思うことがありますか。そういう時は、どのようにして解決しますか。

やってみよう

☆反対言葉遊びで聖句の意味を考えてみよう!

<用意する物> ホワイトボード又は紙に今日の聖句を書いておく マーカー又はペン

①今日の聖書の言葉ちょっと難しいね。反対言葉にするとどんな意味になるかを初めに考えたいと思います。

②ボードや紙を使って反対の言葉に書き換える作業を子ども達と一緒におこなっていく。

③昼も夜も叫びもとめていない選ばれないひとたちのために裁きを行い、彼らをいつまでもほうっておく。え~?余計にわからなくなった・・・?。なんだか神さまってひどいお方のような意味になったね。反対言葉だから神さまってひどいお方じゃないってこと。

④みんなも知っている通り神さまはわたし達の見方だよね。神さまは諦めず、信じて祈っている人を知らんぷりしないよってことをいっているんだ。

⑤今から反対言葉を使って会話して遊んじゃおう!

ex:「今日ぼくね、教会に行かずに牧師先生に褒められなかったんだ」「それはかなしいね」「今から何する?」「教会で遊ばない」・・・など、なんでも反対言葉にしてみよう!

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