TNG The Next Generation

2015年3月1日 四旬節第2主日

福音書 マルコ10:32-45
第一の日課 創世記28:10-22
第二の日課 ローマ4:13-17a

今週の聖句

多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである
マルコによる福音書 10章45節

ねらい

神さまが支払う代価の大きさを知らせることを通して、神さまがわたしたちをどれだけ大事に思ってくれているかを理解させる

説教作成のヒント

「自分の命をささげる」という神様のわざは子どもには分かりにくいので、うまく伝えるために表現を工夫したい。マルコ10章45節のみことばは、イエスさまが弟子のヤコブとヨハネ(二人は兄弟)から「(イエスさまが)栄光を受けるとき、わたしたちをあなたの右側と左側とに座らせてください」と頼まれたときの話しの流れから出たものである。これは、やがてイエスさまが勝利を得、王座に着いたときに、自分たちを右大臣と左大臣(つまり側近中の側近!)にしてくださいと頼んでいることを意味する。他の弟子たちを出し抜いて、自分たちを一番のイエスさまのお気に入りとして選んでほしいというのである。そのヤコブとヨハネに対してイエスさまは「それはわたしの決めることではない。それは、定められた人々に許されるのだ」と、あくまで決めるのは神様であると二人を突っぱねる。そして、もし一番上になりたいのなら、みんなに仕えるしもべになりなさいと諭す。なぜならイエスさまご自身も仕えられるためでなく仕えるために、言い換えるならば、一番上になるためではなく一番下になるためにおいでになったからだ。

これがこのテキストの要点であるが、幼稚園の子どもたちには、これをそのまま伝えても話を把握するのはなかなか難しい。「みんなに威張ってはいけません。みんなにやさしくしなさい」と言ってもできないのが子どもなので、「多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである」という一文をなんとかうまく説明して、「ねらい」が心にストンと落ちるようにしたい。ぬいぐるみを使用したり、紙芝居でお話しするのもよいだろう。iPadで羊やオオカミの写真を見せるのも一つの手だ。

豆知識

イエスさまが十字架にかけられて「多くの人の身代金として自分の命を献げる」ことは、旧約聖書イザヤ書53章10~12節に約束されていたことであった。「彼は自らを償いの献げ物とした」(10節)。「彼は自らをなげうち、死んで...」(12節)。また、「身代金」は元々、戦争で敵軍に捕らえられた捕虜や奴隷を釈放させるために支払われた金のこと。イエスさまは自ら犠牲の献げ物となって十字架にかかり、死ぬことによって(身代金を支払ってくださって)、罪の奴隷状態にあったわたしたちを解放された。

説教

あるところに、羊の親子がいました。ある日、小羊は友だちと公園に遊ぶ約束をして「パパ、遊びにいってくる」とおとうさん羊に言いました。お父さん羊は「オオカミがいるかも知れないから気をつけてね」と声をかけると、小羊は元気に「うん!」と言って出かけました。公園に着くと友だちが砂場で遊んでいました。「ぼくも遊ぶ!」と、みんなの仲間に入り、お川を作り始めました。そこに、おおきなオオカミがやってきて「ぼくたち、楽しそうだね、わたしも入れておくれ」と声をかけてきました。「わー、オオカミだ!」大きなオオカミの口に見えるキバを見てみんな怖がりました。そうです。じつは、オオカミは小羊たちを食べようとそばに近づいてきたのでした。「オオカミに食べられてしまう!」そう叫んだ小羊の声を、そばに隠れて見ていたお父さん羊が聞き、すぐにそこに来てくれました。「こら、オオカミ、小羊たちに手を出すな!」お父さん羊はオオカミに言いました。しかし、大きなオオカミと羊では勝負がはじめからついています。どうがんばってもオオカミには勝てません。お父さん羊は言いました。「小羊を食べたいのなら、このわたしをお食べ!」この子たちを守るために、お父さん羊は自分が代わりに食べられよういうのです。すると、オオカミは大きな口を開けて、お父さん羊に襲いかかりました。あっという間にお父さん羊はオオカミに丸呑みにされてしまいました。「ああ、パパがオオカミに食べられた!」小羊が叫びました。次の瞬間、オオカミの大きなお腹を突き破って、お父さん羊は出て来ました。お父さん羊は自分の角をつかって、うまくお腹から出ることができたのです(お父さん羊には角があって、小羊にはないのはそういうことなんだね...)。小羊はお父さん羊がオオカミのお腹から出て、生きているのをみて安心しました。お父さん羊は、自分が死んででも、子どもたちを守ろうとする。それほど、みんなを大事に、大切に思っているのでした。めでたし、めでたし。このお父さん羊のように、イエスさまはわたしたちのことを守ってくれるんだよ。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□36番 「しゅイエスのみちを」

□改訂125番 「イェス、イェス」

話してみよう

・みんなのお父さん、お母さんはみんなのこと、このお話の「お父さん羊」のように大事にしてくれてるかな?

・みんながこのお話の「小羊さん」だったら、自分を助けてくれた「お父さん羊」になんて言うかな(なんてお礼を言うかな)?

やってみよう

☆ありがとう牧場をつくろう

<用意するもの>ワークシート、筆記用具

①ワークシートをくばり、記入していく

②書き終わったら、みんなで発表してみよう。

③もしできたら、ありがとうを伝えたい人に直接言ってみよう。私たちはたくさんの人たちに守られているよね。1人1人のこと思い浮かべながら、感謝の気持ちを言葉にしてみよう。

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