TNG The Next Generation

2014年11月9日 聖霊降臨後第22主日

福音書 マタイ 22:34-40
第一の日課 申命記 26:16-19
第二の日課 Ⅰテサロニケ 1:1-10

今週の聖句

心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい
マタイによる福音書 22 章 37 節

ねらい

今日の日課は、非常に素晴らしい箇所の一つですが、しかし「掟」となると、これを守ることによって何らかの見返りが与えられる、あるいは、何らかの希望を叶えるために「掟」を守る、といった発想に成り易くなるように思われます。そこで、「掟」を理解するときにも、「恵みの先行」ということを強く意識し、その恵みに対しての応答として招かれている、という理解へ導かれる必要があるように思います。

説教作成のヒント

特に幼い子どもたちに語る場合、事柄の説明だけでは届きません。これが「掟」である以上、神さまがこの事柄を明確に望んでいる訳ですから、その神さまの望みは何かをしっかり抽出し、子どもたちの日常、経験(僅かであっても)、感性に共感するような語り口が望まれます。もちろん、簡単なことではありませんが…。みなさんが接しておられる子どもたちの姿から、具体的な事柄を拾い出されてはどうでしょうか(喜びも悲しみも)。

豆知識

ここに「心を尽くし」という言葉があります。一般に日本人の心の理解は「情(感覚)」的な面が強いように思われます。しかし、ユダヤ人にとっての「心」とは「情緒ではなく理解力」(『旧約聖書のこころ』雨宮慧著 女子パウロ会)だと言われます。また「愛」についても同様です。日本人にとって「愛」と「好き」とではさほど区別なく用いられることが多いように思いますが、欧米では「愛」は「意志」と考えられ、聖書的理解(ヘブライ語のヘセド)も「人と人とを結ぶ絆」であり、「その愛にとどまり続ける責任」をも意味すると言われます。このように、「心」も「愛」も情だけで揺れ動くようなものではないことを伝えることも(もちろん、小さな子どもたちには難しいことでしょうが)、彼らが成長するに際して役立つ(信仰の事柄ばかりでなく人間関係においても)のではないでしょうか。

説教

みんなは好きな人っている? だ~い好きで、大切な人っているかな? お父さん? お母さん? おじいちゃん? おばあちゃん? それともお友達(◯◯くん? ◯◯ちゃん?)? お家で飼っているわんわん? ねこちゃんかな?

でも、もし、そんな大好きな人に、大好きなわんわん…、ねこちゃんに…、好きじゃないって思われていたらどうだろう…。大好きな○○くん(◯◯ちゃん)に、「一緒にあそぼ」っていっても、「嫌だよ、君とは遊びたくない」って言われたら、すごく悲しいよね。「ねえねえ、お父さん、お母さん」って大好きなお父さんやお母さんに話しかけても、「いいから、あっちに行っていなさい」なんて言われちゃったら、泣きたくなっちゃう。可愛くて可愛くてしかたがないわんわんやねこちゃんが、ちっともなついてくれないと、本当に寂しくなっちゃう。やっぱり、大好きな人とは仲良しになりたいし、相手も自分のことを好きになってほしいな、って思うよね。神さまだってそうじゃないかな、って先生は思うんだ。もちろん、神さまはどんなときにも、私たちを愛してくださる。大切に思っていてくださる。僕たち(私たち)が、たとえ神さまのことをあまり大切にしていなくても、神さまのことをあまり考えもせず、感謝することが少なくても(実際に、僕たち・私たちの普段の生活ってそうじゃない?)、神さまは私たちを守ってくださり、必要なもの(食べるものも、着るものも、友だちも…)をいつも与えてくださっているよね。そう、神さまは僕たち(私たち)がいつも良い子にしていて、神さまを信じてちゃんと生きているから愛してくださるのではなくて、たとえ僕たち(私たち)が悪い子(本当は良くないよ)だとしても、神さまは愛し、大切にしてくださるんだ。でもね。やっぱり神さまだって、大好きな人とは仲良しになりたいんじゃないかな。大好きな人に好きになってほしい…、愛してほしいって願っておられるんじゃないかな。

じゃあ、神さまを愛するってどういうことなんだろう。それには、まず、自分が大好きな人にされたら嫌なこと、してもらったら嬉しいことを考えてみればいいと思う。たとえば、大好きな人、お父さんお母さん、お友達に話しかけたとき、無視されたらどう? 「ねえねえ、聞いて聞いて」…。「ふん」(プイッ)…。これはすごく辛い…。逆に、ちゃんと話しを聞いてくれたら、どんなに嬉しいだろう。「ねえねえ、聞いて聞いて、今日ね…」、「うんうん、へ~、そうだったんだ」。ほらっ、なんだか嬉しくなって来ない。神さまだってそうじゃないかな。神さまだって話しを聞いてほしいと願っておられる…。もっといえば、みんなとお話をしたいと思っておられる。それは、聖書を読むことやお祈りすることでもあるんだよ。あるいは、感謝すること。みんなだって誰かに何かしてあげたとき、「ありがとう」って言われたら嬉しいじゃない。あるいは、神さまがしてほしい、って願っておられることをしていくこと…。これも、神さまを愛すること…。神さまは大好きな人を大切にしてほしい、って願っておられるんだ。もちろん、みんなのこともそうだけれど、もっともっと多くの人たち…、世界中の人たちのことも大切にしてほしいって願っておられるんだ。それが、「隣人を自分のように愛しなさい」ということ。

とにかく、神さまはみんなのことを愛しておられる。大切に思っていてくださる。と同時に、そんな大好きなみんなからも愛されたい、って願っておられるのじゃないかな。今日はそのことを覚えてほしいな、って思います。

分級への展開

さんびしよう

やってみよう

話してみよう

・普段の生活の中で神様について考えたり、お祈りしたりする時間ってどれくらいあるかな?心の中で思いかえしてみよう。

・いつも愛してくださる神さま、イエスさまを感じてみよう。それにはどうすればよい?

・できれば皆で、今、イエスさまを感じてみよう。

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