TNG The Next Generation

2013年6月16日 聖霊降臨後第4主日

福音書 ルカ7:1~10
第一の日課 列王上8:41~43
第二の日課 ガラテヤ1:1~10

今週の聖句

ひと言おっしゃってください。そして、わたしの僕をいやしてください。
ルカによる福音書7:7

ねらい

・イエスさまの言葉の力を信じる百人隊長の信仰を学ぶ。

説教作成のポイント

・この物語の中で描かれている百人隊長の人物像について把握する。

①彼はユダヤ人からすると異邦人であった(4~5節)。しかしユダヤ人を抑圧する異邦人ではなくユダヤ人のために会堂を建ててくれるほどユダヤ人を愛してくれた人である。そしてユダヤ人の長老たちからも信頼されていた。

②彼の発言から、彼は謙虚で忠実な人であったことが分かる。「わたしはあなたを自分の屋根の下にお迎えできるような者ではありません。…ひと言おっしゃってください」(6~8節)

③イエスさまに対する彼の心はまさに信仰であった。イエスさまのその信仰を認めたのである。「イスラエルの中でさえ、わたしはこれほどの信仰を見たことがない。」(9節)

豆知識

・百人隊長とは、当時ローマ軍において歩兵小隊長に相当する階級で、定員100名の軍団を指揮する立場の軍人であった。

・福音書の様々な記録の中でイエスさまと同じ民族でありながらもイエスさまを受け入れなかったユダヤ人たちの姿に対比されつつ、むしろ異邦人であるは百人隊長の信仰が優っていることが表れている。同時に異邦人でもイエスさまを信じればその信仰が叶うというメッセージを示している。

説教

それぞれの言葉には言葉の意味と共に、その言葉がもつ力があります。たとえば、何か悲しいこと、寂しいことがあるとき、誰かからなぐさめのひと言を聞いたり、励ましてくれる言葉を聞いたりすると、自分の気持ちが変わったという体験をしたことがありますか?すぐ思い出すことができなくても、実際私たちはたくさんの人からの言葉に助けられながら生活しているはずです。特に自分に言葉を与えてくれる相手が自分を良く知っていて、自分にとって大切な人ほど、その言葉は自分にとって力と影響を与えます。

人の言葉でもそのような力がこもっているくらいなら、私たちに命を与えてくださった神さまの言葉ならなおさら大きな力があります。聖書は、この世界が造られたのは神さまからの言葉によるものだと記しています。創世記の記録によると、初めに神は「光あれ」と言われたことで、そのとおり光がこの世に存在するようになりました。そしてその光を初めとして、空、地、植物、太陽と月、動物、そして人…すべてが神さまの言葉の力によって、神さまの言葉どおりに造られたのです。

またヨハネによる福音書では「言(ことば)は肉となって、わたしたちの間に宿られた」(ヨハネ1:14)とあります。ここで肉となって言(ことば)とは、実はイエスさまのことです。天地を創造した神さまの言葉がやがて人の姿になって、世の人々に大切なことを伝え、また命を伝えるために送られたのが、神の独り子イエスさまなのです。世の人々は、神さまの独り子として現れたイエスさまをすぐ信じたのではありませんでした。むしろ多くの人々はイエスさまが伝えていることを自分たちの思いで否定し、その言葉を受け入れませんでした。しかし中にはイエスさまの言葉にすごい力があることを信じ、それに頼って従った人たちもいました。その中の一人が今日の聖書に登場している百人隊長です。彼は自分の下に百人の部下を指揮っている軍人でした。その部下の一人、特に重んじていた部下が病気で死にそうになったので、彼はユダヤ人の知り合いをとおしてイエスさまにお願いします。実は彼はユダヤ人ではなかったので、ユダヤ人であったイエスさまにお願いするために、自分が知っているユダヤ人たちを使いとして送ったのです。彼はユダヤ人たちのために結構良いことをしてくれていたようで、彼のユダヤ人の知り合いたちも彼のために熱心にイエスさまにお願いをしました。

しかもイエスさまに対する彼の信頼はすごいものでした。わざわざイエスさまが自分のところまで来なくても、ただイエスさまからのひと言があれば自分の僕は治ると信じていました。死をもたらす病気さえも従わせる力がイエスさまの言葉の中にあると信じていたのです。彼が信じているとおりでした。イエスさまは、天地を創造された神さまから遣わされた、この世の真の言葉だからです。

姿が見えなくてもイエスさまの言葉にはこれほど大きな力があり、またその言葉は今私たちが読んでいるこの聖書の中に納められています。もちろん私たちも、百人隊長がイエスさまのひと言に助けられたように、イエスさまの言葉から力を受けることができます。イエスさまの言葉を心から信じることでその力は与えられます。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□6番 「しゅをほめたたえよ」

□32番(改訂版) 「すべての人よ」

やってみよう

☆好き好き伝言ゲーム

①みんなで輪になって、手をつなぎます。

②百人隊長を1人決めます。

③百人隊長は、好きな数だけ隣の人の手を「ぎゅっ」と握ります。

④最後の人は、握った数だけ「好き」といいます。1回なら「好き」2回なら「好き好き」3回なら「好き好き好き」

⑤正解したら、百人隊長を変わります。

百人隊長のように、人を愛するという気持ちは、不思議なことに周りの人々の心をどんどんあたたかくして、伝わっていきますね。

◇今日は、父の日です。お手紙やカードを書いて感謝の気持ちを伝えましょう。

話してみよう

・百人隊長は、どんな人だったでしょうか?

・百人隊長は、イエス様のことをどのような人だと思っていたでしょう?

・百人隊長のように、自分以外の人を愛し、お互いに思いあえたらどんな気持ちでしょう?

・みんなにとって、教会のお友達は特別な存在ですか?

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