TNG The Next Generation

2013年2月17日 四旬節第1主日

福音書 ルカ4:1-13
第一の日課 ローマ10:8b-13
第二の日課 申命記26:5-11

今週の聖句

「あなたの神である主を試してはならない」
ルカによる福音書4:12

ねらい

・イエスさまは洗礼のときに、聖霊が鳩の形をとってご自身の上に降ってくるのをご覧になった。その聖霊が主を荒れ野に導くが、主が誘惑を受けられるとき、いつも共に聖霊がとどまっていた。主は悪魔の誘惑を申命記のみことばを用いて退けられる。私たちがどのような試練に出会うときも、主が共にその試練を担っていてくださっていることを感謝したい。

説教作成のヒント

・主が出会われた試練は、ここに記されている三つの誘惑だけに限られるものではない。それはむしろ主のご生涯の全てを表しているとも言える。13節で「時が来るまでイエスを離れた」と書かれているように、悪魔が離れたのは一時的でしかなく、やがて主の受難の出来事として巻き返してくる。それらの全ての試練(誘惑)を主が私たちの救いのためにご自身が担って下さったことを感謝のうちに覚えたい。

豆知識

・マタイによる福音書ではユダヤ人への配慮のためか、出エジプト記に示されたイスラエルの民が受けた誘惑と同じ順序になっているが、ルカによる福音書ではエルサレムを中心にする傾向のためか、第二と第三の誘惑の順序が逆になっている。

・申命記は、約束の地を目前にしたイスラエルの民に、モーセがそれまでのさまざまな神の戒めをまとめて与えた書である。したがって主が用いられたこれらのみことばは、イスラエルの民がよく知っていたものである。

説教

イエスさまは洗礼を受け祈っておられると、天が開け、聖霊が鳩のように目に見える姿でご自身の上に降ってくるのをご覧になり、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という神さまのお声を聞かれました。イエスさまは「神さまの子」としてのご自分の活動を始められます。まずイエスさまは、その聖霊によって荒れ野へと導かれました。そこで悪魔から40日間いろいろな誘惑や試練をお受けになるのですが、聖霊はいつもイエスさまと共におられ、イエスさまを守っておられました。

イエスさまは40日間断食をして、何も食べておられませんから、おなかがすいて荒れ野の転がっている石ですらパンに見えたかも知れません。そこで悪魔は、「神の子なら、この石にパンになるように命じたらどうだ」、イエスさまを誘惑します。しかしイエスさまは、「神さまの子」としての力を、ご自分自身のためには決してお使いになりません。そして聖書のみことばを用いて、「人はパンだけで生きるものではない」とお答えになりました。このみことばには続きがあります。そこには「人は主の口から出るすべての言葉によって生きる」と書かれています。私たちが生かされているのはパンだけではなく、神さまのみことばによって生きるものとされているのだ、とイエスさまははっきりと述べられて、悪魔の誘惑をしりぞけられたのです。

次に悪魔は、「もしわたしを拝むなら、この国々の一切の権力と繁栄を与えよう」と誘惑しました。およそ三年後にイエスさまが十字架につかれて、すべての人たちを救おうとするのが、父なる神さまのご計画でした。「神さまの子」としての苦しみの道を歩まれるのか、それとも世の富や繁栄のうちに安易な道を歩まれるのか、それを選ぶように悪魔はイエスさまに迫ったのです。私たちは、まことの神さまにお仕えするのか、それ以外のものに仕えるのか、二つに一つの道しかありません。イエスさまはやはり、「あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ」、という聖書のみことばを用いて答えられました。

最後に悪魔は、エルサレムの神殿の屋根の端にイエスさまを立たせて、「神の子ならここから飛び降りたらどうだ」と迫りました。神さまが天使たちを用いて、きっと支えてくれるはずだというのです。神さまを試そうとする誘惑です。神さまを試そうとすることは決してしてはならないことです。それは神さまを神さまとも思っていないことなのです。神さまは試す方ではなくて、信頼すべきお方なのです。イエスさまはこの誘惑にも、「あなたの神である主を試してはならない」、と聖書のみことばを用いてお答えになり、悪魔をしりぞけられました。

わたしたちの日ごろ、自分のプライドや誇りが傷つけられたり、自分の意見や気ままを通したいという思いにかられることがあります。イエスさまは私たちの心の内をすべてご存知ですから、そのようなとき、実はイエスさまご自身が私たちと共にいて、そのような誘惑や試練に対して、耐えられるように共に戦っていてくださるのです。ですから、イエスさまにただひたすら信頼をしてまいりましょう。これからイースター(復活祭)までの季節は、つつしみの40日間を迎えています。イエスさまのみことばをしっかりと聞いて過ごしてまいりましょう。

分級への展開

さんびしよう

□36番 「しゅイエスのみちを」

□改訂版51番 「おそいくるライオン」

やってみよう

☆自分の中のいろんな自分

最近の自分をふり返ってみましょう。イライラしている自分やお友達に優しくしている自分。おいしいものを食べて、ニコニコしている自分。いじわるをしてしまって、あとで後悔をしてしまうこともあるかもしれません。1人の中には、いろんな自分がいます。どんな自分がいたのか、ふり返りながら、どんな時でもどんな自分がいる時でも神様がそばにいてくださることを感じましょう。

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