TNG The Next Generation

2011年3月13日 四旬節第1主日

福音書 マタイ4:1-11
第一の日課 創世記2:15-17,3:1-7
第二の日課 ローマ3:21-31

今週の聖句

「人はパンだけで生きるものではない」
マタイによる福音書4:4

ねらい

①「人はパンだけで生きるものではない」。神は私たちに必要なものをすべて備えてくださっている。主イエス・キリストが私たちに語ってくださったみ言葉に励まされ、慰められて生かされていることを知る者でありたい。

②主イエスは、ご自分のために奇蹟をなさったり、この地上での栄光を求めることはなさらなかった。「“霊”に導かれて」とあるように、神のご意志とご計画により、救い主なるお方が悪魔の誘惑を受けられ、それに対して勝利をおさめられたのは、私たちの救いのためだったのである。

説教作成のヒント

・四旬節の慎みの時期に、主の四十日の厳しい断食と荒れ野の誘惑のテキストを学ぶ。第2の誘惑では聖書のことばをたくみにすり替えて、悪魔は主イエスにささやく。悪魔が引用したのは詩編91:11-12、のみ言葉であるが、「あなたの道のどこにおいても」というフレーズを省略している。ちょうど、創世記3:1で蛇がエバに対して、主なる神の言葉を少しだけ巧みに言い換えて誘惑したのと同じである。聖書をその脈略にそって学ぶことをせず、人間の勝手な形で自分の都合のよいように解釈してしまう危険性に心しなければならない。

豆知識

・今はないエルサレム神殿の壮麗さをコンピュター・グラフィックで再現したテレビ番組を御覧になった方もあると思う。現在、死海写本館で有名なエルサレムのイスラエル博物館の敷地内に、小学校のグランドぐらいの広さの場所に「神殿を含む旧市街」の何分の一かの復元模型が展示されている。ソロモンが建てた神殿の高さ(列王上6:2)は30アンマ(約13.5メートル)で、現在の4~5階建てのビルの高さに相当する。

説教

イエスさまが洗礼をお受けになったときに、神さまの霊がご自分の上にくだってくるのをごらんになり、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声をイエスさまは聞かれました。そののちイエスさまは悪魔から誘惑をお受けになるために、神さまの霊によって荒れ野に導かれました。ユダの荒れ野は、草や木もほとんど生えていない、砂漠のようなところです。そのようなきびしい環境の中で、40日間、昼夜を問わず、何もお食べにならない激しい断食を経験されたのです。

父なる神さまが、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」と、宣言をなさったことを明らかにしようと、悪魔はイエスさまに迫ります。それで、悪魔はイエスさまの耳もとで、「神の子なら、これらの石がパンになるように命じたらどうだ」とささやくのです。

かつて、イスラエルの民が40年間、荒れ野の旅をした時に、神さまは「マナ」という食べ物を与えて支えてくださいました。その時の神さまのみ言葉によって、イエスさまは悪魔に答えられました。

「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる。」

私たちが自分のいのちということを考えるとき、いのちは食べものだけでささえられているのではないことに気づきます。食べものだけでなく、私たちに必要なすべてのものを備えてくださった神さまによって生かされていることを知るのです。前の週に、神さまが「これはわたしの愛する子、・・・これに聞け」と言われたことを私たちは学びました。イエスさまが私たちに語ってくださる言葉の一つ一つ、聖書のみ言葉によって、私たちは慰められ励まされて生かされていることを知るのです。

しかし悪魔は次に、聖書のことばをたくみにすりかえて、イエスさまを誘惑します。神殿の屋根の端から飛び降りたらどうだとそそのかすのです。そのころのエルサレムの神殿は、およそ4~5階だてのビルの高さです。イエスさまは聖書のみ言葉によって、その誘惑をしりぞけられました。

さらに悪魔は、「世のすべての国々とその繁栄ぶり」をイエスさまに見せました。そして悪魔は自分を拝むように要求しました。イエスさまは、ご自身のために奇蹟をなさったり、この地上での栄光を求めることは決してなさいませんでした。ここでも聖書のみ言葉を用いて、悪魔の誘惑に勝たれました。ついに悪魔は、イエスさまのもとから去っていきます。

イエスさまが受けられた誘惑は、「“霊”にみちびかれて」と書かれていますように、神さまのご意志によってなされたものでした。救い主なるお方が悪魔の試みを受けられ、そしてそれに対して勝利を勝ちとられるために、神さまのご計画によるものでした。イエスさまは、私たちの救いのために、すべてのことをしてくださったのです。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□60番 「かみよわたしの」

□改訂51番 「おそいくるライオン」

話してみよう

・私たちの毎日の主な食べ物は?

・米(ごはん)麦(パン)等々…

・目で見たり、耳で聞く心の食べ物を考えてみよう

・イエスさまの食べ物は?

やってみよう

「イエスさまのみことば手帳Ⅱ」を作る。

手帳Ⅰに続いて、心の食べ物、飲み物についてみことばをかきとめてみよう。

「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」(マタイ4:4)

(参考に)「食べものから見た聖書」河野友美著

pdf / 印刷用レイアウト

次の日課へ ホーム 前の日課へ