TNG The Next Generation

2010年6月6日 聖霊降臨後第2主日

福音書 ルカ6:37-49
第一の日課 エレミヤ7:1-7
第二の日課 Ⅰコリント15:12-20

今週の聖句

「与えなさい。そうすれば、あなたがたにも与えられる」
ルカによる福音書6:38

ねらい

・与えることはうれしいこと。

・見返りを期待して「与えること」が大事なのではない。

・他者を受容する。

・自分は神に受容されている。

説教作成のヒント

・「人を裁くな」は、直前の36節から発生してくること。「あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。」神が憐れみ深い、だから、あなたも…という順序は、常に大切。愛することの前提は愛されていること。

・「人を罪人だと決めるな」は、「裁くな」ということを説明しているもの。6:27―36の敵を愛しなさい、と同じ考え。

・私たちが他者に寛容である以上に、神様は私たちに対して寛容、寛大でいてくださっている。

・「与えなさい」は、「赦すこと」の文脈にある。「与えること」とは、神の愛に根ざし、与える、その内容も神の愛である、つまり、赦されていること、受容されていることである。

・「盲人」の隠喩について。「与えれば、戻って来る、戻って来るから与える」という原則で生きる人、力には力で対抗する人、他者を裁く心でいつもいる人等。(反対は、神の愛を知るゆえに、その愛に生きようとする人。)「二人とも穴に落ち込む」という風刺は興味深い。

・「師」は、イエス

・キリスト。

・「偽善者」は、ファリサイ派の人々だけでなくて、弟子たち、つまり私たちに該当し、耐えず人を裁かないように注意を払う必要がある。

豆知識

・「押し入れ、揺すり入れ、あふれるほど…」これは、終末における神の寛大さの表現で、それを受けることができることが念頭にある。

・「ふところに入る」は、パレスチナのすその長い衣服を広げるとたくさん物が入るから。

説教

日本のことわざに「情けは人の為ならず」というのがあります。「人にやさしくするのは、人のためにではない。自分のためなんだよ。人にやさしくすると、それがいつかは自分に返ってくるのだから、自分のために人にやさしくするんだよ。」そういう意味の言葉です。

「与えなさい。そうすれば、あなたがたにも与えられる。」今日、イエス様は言われています。この言葉も、さっきのことわざが言っているのとおんなじで、結局は、自分にいいことが返って来るんだから、「与えなさいよ」と言われているんでしょうか。そうではありません。

少し難しく言うとこうなります。「与えなさい。そうすれば、すでに与えられていることが、あなたに与えられる。」となります。難しいので、言い換えると、こういう意味です。「与えなさい。そうすれば、神様があなたにたくさんのよいものを与えてくださっているということが、分かるでしょう。」ということです。与えることを通して、神様が与えていてくださることを知るというのです。

たとえば、お友達が持ってるお菓子を分けてもらったら、うれしいですね。こんどは、自分が持ってるお菓子をお友達にあげたら、お友達はうれしいですね。お友達がうれしそうにしてたら、うれしくなりませんか。自分もうれしくなりますね。もらえることもうれしいけど、あげることもとてもうれしいのですね。

そのことを教えてくれたのがイエス様です。イエス様は、私たちに愛をたくさん与えてくれているのです。イエス様は今も私たちにやさしくしてくださっています。私たちをとっても大好きでいてくださって、いつも一緒にいてくれているんです。イエス様の十字架は、そのイエス様の思いが一番分かるようになったしるしです。証拠です。その十字架の赦しで、私たち一人ひとりは悪いところも全部含めて赦してくださっているのです。言い換えれば、ありのままの私を受け容れてくださっているのです。あなたがあなたであるということ、○○くんが○○くん、であること、○○ちゃんが○○ちゃんであることが「よい」、神様はそう言っておられるのです。

だから、私たちもお友達を大切にするんです。愛されているからです。私も愛されているし、お友達も愛されている。それぞれに足りないところがあります。できないことがあります。だけど、それでいいんです。なぜって、神様がそのままの姿を受け容れていてくださるからです。

だから、人を悪く言うのをやめましょう。自分に悪いことをしたお友達も赦しましょう。私も赦されているからです。そして、仲良く過ごしましょう。助け合うのです。認め合うのです。一緒に喜んだり、一緒に考えたりするのです。そうすることが、神様が一番喜ばれることです。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□129番 「どんどこどんどこ」

□106番(改訂版) 「どんどこどんどこ」

話してみよう

・人を裁くことがあるか。どんなことで人を裁くか。

・なぜ「人を裁く」ということを人間はするか。

・「人を裁く」ことによる結末にどんなことがあるか。

やってみよう

☆あまのじゃくgame

聖書を反対の意味にとれるように読んでみてごらん

人をさばけ そうすれば 自分もさばかれる

人を罪に定める そうすれば 自分も罪に定められる

ゆるしてやるな そうすれば ゆるされない

・大きな紙に書いたり、小さな紙に自分で書いたりして神さまの世界の考えと反対の世界をのぞいてみよう

・子どもたちがとても悲しい世界になってしまうことを知る体験

・自分の心の中にある人に対する小さな小さな悪い実のことを見つめてみよう。

でもでも神さまはみんなが大好き安心していいよ!というメッセージ

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