①困窮した民衆を奇蹟によって養う「良い羊飼い」としてのイエス様の恵み豊かさにふれる。
・弟子たちが初めての宣教体験を報告した直後のことである。杖1本の他は何も持たない旅で、神の支配を身をもって知る旅であった。イエスは疲れて帰った弟子たちに休息を取らせる。
・そこへ群衆が殺到した。群衆は疲れた弟子たちに遠慮するゆとりもない、困窮状態であった。イエスは生きる糧を求める群衆に心を向けた。
・イエスの心が非情に激しく揺さぶられた。これだけ大勢の群衆をイエスが奇蹟をもって豊かに養ってくれた。残り物が溢れるほどに残った。
・34節、「深く憐れむ(スプラングニゾマイ)」の言葉はもともと「内臓がよじれる」という意味で、からだに痛みを覚えるほどに憐れむことを表す。この言葉は、神かイエスのみに用いられる。
・37節、「200デナリオン」。1デナリオンは当時の一日分の賃金に相当し、ここでは200日分の賃金に相当する金額である。
・旧約聖書ではエリシャがわずかなパンと穀物で百人を満腹させた(列王記下4章42節以下)。しかしイエスの奇蹟はけたはずれに大きい。
・43節、残り物が「十二の籠いっぱいになった」の十二は「完全数」を表す象徴的な数字である。あふれるほどに残ったことを示す。
・44節、「男が5千人であった」は、女性や子どもを無視したのではなく、群衆の数の大きさを強調している。