2009年8月16日 聖霊降臨後第11主日
マルコ6:30-44 エレミヤ23:1-6 エフェソ2:11-22

今週の聖句

「パンの屑と魚の残りを集めると、十二の籠にいっぱいになった。」
マルコによる福音書6:43

ねらい

①困窮した民衆を奇蹟によって養う「良い羊飼い」としてのイエス様の恵み豊かさにふれる。

説教作成のヒント

・弟子たちが初めての宣教体験を報告した直後のことである。杖1本の他は何も持たない旅で、神の支配を身をもって知る旅であった。イエスは疲れて帰った弟子たちに休息を取らせる。

・そこへ群衆が殺到した。群衆は疲れた弟子たちに遠慮するゆとりもない、困窮状態であった。イエスは生きる糧を求める群衆に心を向けた。

・イエスの心が非情に激しく揺さぶられた。これだけ大勢の群衆をイエスが奇蹟をもって豊かに養ってくれた。残り物が溢れるほどに残った。

豆知識

・34節、「深く憐れむ(スプラングニゾマイ)」の言葉はもともと「内臓がよじれる」という意味で、からだに痛みを覚えるほどに憐れむことを表す。この言葉は、神かイエスのみに用いられる。

・37節、「200デナリオン」。1デナリオンは当時の一日分の賃金に相当し、ここでは200日分の賃金に相当する金額である。

・旧約聖書ではエリシャがわずかなパンと穀物で百人を満腹させた(列王記下4章42節以下)。しかしイエスの奇蹟はけたはずれに大きい。

・43節、残り物が「十二の籠いっぱいになった」の十二は「完全数」を表す象徴的な数字である。あふれるほどに残ったことを示す。

・44節、「男が5千人であった」は、女性や子どもを無視したのではなく、群衆の数の大きさを強調している。

説教

聖書の詩編23編にこういう言葉があります。「主は羊飼い。わたしには何も欠けることがない。主はわたしを青草の原に休ませ、憩いの水のほとりに伴い、魂を生き返らせてくださる」。イエス様は良い羊飼いとしてわたしたちを豊かに養ってくださることが今日のお話のポイントです。

暑い夏をわたしたちは過ごしています。のどが渇きます。わたしたちは冷やした水をコップ1杯飲めるとまた元気になります。

もし、心に元気がなくなったらどうしますか。何をしてもうまくいかないと思う時があると思います。イエス様のまわりにはいつもたくさんの人たちがいて、助けを求めていました。イエス様はやさしく神様のお話をしてくださいました。イエス様のお話を聞いた人たちはまた元気になって家に帰りました。

ある日、イエス様の弟子たちが初めて宣教活動をして帰ってきたときのことです。弟子たちは疲れ果てていましたのでイエス様は弟子たちを休ませるために、静かな所へ行こうとしました。そこに大勢の人たちがかけよってきました。弟子たちはかなりくたびれていましたが、大勢の人たちはくたびれた弟子たちに気を使えるようなゆとりはありません。イエス様はそんな人たちをかわいそうに思われました。その思いは、イエス様の内臓がよじれるほどの痛みでした。

イエス様はみんなにお話をしてくださいました。たくさんのお話をしてくださいました。かなり長い時間、お話をしてくださいました。

夕方、夕食の時間になりました。弟子たちは人々を解散させてくださいとお願いしました。イエス様は弟子たちに言われました。「あなたがたがあの人たちに食べ物をさしあげなさい。」弟子たちはびっくりしました。弟子たちの前には数えきれないくらいの大勢の人たちがいたのです。しかも、手元にあるのはパン5つと魚2匹だけです。切り分けて配ったとしても、ひとりの分はほんの少しです。イエス様はみんなをグループに分けて、青草の上に座らせるように命令されました。先ほどの詩編23編の言葉を思い出しますね。イエス様は5つのパンと2匹の魚を取り、神様にお祈りをして、パンと魚を弟子たちにわたして配ってもらいました。するとどうでしょう。たった5つのパンと2匹の魚で、5千人の男の人がおなかいっぱいになりました。しかもパンくずと魚の残りを集めると、12の籠にいっぱいになりました。少ないもので多くの人たちが元気になりました。イエス様の奇蹟がいかに大きなものであったかがわかります。

このイエス様のわざを通してわたしたちは、たったひとりのイエス様が十字架の上で犠牲になってくださって、数多くの人々を救ってくださったことも心に留めていきたいと思います。そのひとりに、今、教会でお話を聞いているわたしたちもいます。イエス様はわたしたちに元気をくださる「良い羊飼い」、神様の子です。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□104番 「にひきのさかなと」

□改訂版21番 「2匹の魚と」

やってみよう

☆うちわを作ろう

<用意するもの>

厚紙をまるく切ったもの(1人2枚)、わりばし、セロテープ、のり

①1枚に2ひきの魚と5つのパンの絵を描く。

②もう1枚には、小さい魚とパンをいっぱいいっぱいにたくさん描く。

③1枚にセロテープでわりばしを貼り付ける。

④もう1枚をのりで張り合わせるとうちわの完成。

「2ひきの魚と5つのパンが、あら不思議!」

☆ポップコーンを作ろう

<用意するもの>

ポップコーンの種、紙コップ、お鍋、サラダ油

①ポップコーンの種を人数分の紙コップに分ける

「そのままでは、食べられないよね」

②鍋にそれぞれの持っている種を入れてもらい、ポップコーンを作る。

できあがったポップコーンを「神様の恵みを受けるとあら不思議!こんなに増えたよ~」と言って紙コップに分けていただきます。