2025年2月16日 顕現後第6主日
ルカ6:17〜26 エレ17:5〜10 1コリ15:12〜20

今週の聖句

「貧しい人々は、幸いである。神の国はあなたがたのものである。」
ルカによる福音書6章20節

ねらい

・イエスさまは、人間の心の底にある罪を見すえながら、人間が本当に心を満たすことができる教えを話してくださいます。

説教作成のヒント

・日本の社会は、一般的に「豊か」と言われていますが、「生きていて幸せ」と感じる人はそれほど多くなく、もう生きることは楽しくないとか死んでしまいたいと思う人もいます。助け合い、許し合い、恵みを分かち合う幸いがあるでしょうか?

・人間が生きるとき、「本当の幸せとはなにか?」考えたい。⇒自分だけが良ければ良いという利己主義でなく、隣人と交わり分かち合うことが大切。

豆知識

・マタイによる福音書には「山上の説教」がありますが、ルカによる福音書では「平地の説教」となっています。(ルカによれば同一場所) 山上の説教は、山の上でお語りになっていますが、ルカではイエスさまが山から下りてお語りになっています。イエスさまが、人々の中に遣わされた方であることを強調するために平らな所に下って教えられたと考えられます。そして、ルカのその内容には、新しい「心の持ち方」が示され、イエスさまとの交わりにより「真の幸せとはなにか」に導かれます。

説教

「イエスは彼らと一緒に山から下りて、平らな所にお立ちになった。」と今日の聖書の最初に書かれています。そして、そこには、大勢の弟子とたくさんの人たちがいろんな町から集まってきていて、彼らはみんな一緒に、イエスさまの教えを聞こうとして集まっていたのです。

そこで話されたイエスさまのお話は「貧しい人は、幸いである。神の国はあなたがたのものである。今飢えている人々は幸いである。あなたがたは満たされる。」と続いていきました。「貧しい」とはどういうことでしょう。当時、人々が住んでいたイスラエルの国は、大きな国に支配されるだけでなく、国の中でも貧富の差が大きく、一部の人を除いて、人々の生活はとても苦しいものでした。けれど、イエスさまが来て下さって貧しい人がイエスさまのみことばを聞くことによって、イエスさまの愛がわかり、励まされました。「飢えている」人々も、イエスさまの教えを聞いて、満たされました。そのことで生き方が変えられました。その例のひとつに、聖書の使徒言行録の中にこんな様子が書かれています。

「信者たちは皆一つになって、すべての物を共有にし、財産や持ち物を売り、おのおのの必要に応じて、皆がそれを分け合った。そして、毎日ひたすら心を一つにして神殿に参り、家ごとに集まってパンを裂き、喜びと真心をもって一緒に食事をし、神を賛美していたので、民衆全体から好意をよせられた。」(使徒言行録2章44~47節)(4章22,34~35節も参考に。)

困難の中にあった人々が、イエスさまのみことばを聞いて、神様のもと、助け合い、愛の交わりの中、豊かな生き方に変えられていくのです。イエスさまの教えをしっかりと聞き、変わることのない「幸い」を求めていきましょう。

(執筆: 内藤文子牧師)

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)120番「どんなときでも」、改訂版129番「どんなときでも」。

やってみよう

☆「幸いと不幸」を演じてみよう

「幸いチーム」と「不幸チーム」に分かれて、4つの出来事を演じてみよう。

セリフを作っても良いし、身体で表現しても良い。その時どんな気持ちになったか、みんなで話し合ってみよう。その後チームを交換して、もう一度演じてみよう。気持ちが変化したかな?


はなしてみよう

・心が満たされる、心が温かくなる、とはどんなときでしょう。

・あなたの回りで、「助け合ったり」「分かち合ったり」していることがありますか?