がっかりする時、閉じこもる時に、自分を呼出す声を聴く
・前段によるとイエス様は命を狙うものから逃れ、ヨルダン川の東側に滞在していた。そこにラザロの病気の知らせが来た。すぐに飛んで行ったのではなく、二日後に「もう一度ユダヤに行こう」と言われた。心配した弟子たちだが、トマスは「私たちも行って、一緒に死のうではないか」というほどの危険さと覚悟で行かれた。人を救うことと、自分の命を危険にさらすという「命の引き換えの覚悟」の姿がある。
・ラザロの葬られた墓でマリアとマルタの前で「その石を乗りのけなさい」と言われたイエス様だが、やがて「イエス様の葬られた墓の石を誰が取りのけるか」と心配をするマグダラのマリア(別のマリア)たちを驚かせることになる。その石はすでに取り除けられ、イエス様はおられないという復活を見ることになる。
・言葉によって天地万物を創造された神、土をこねて人を作り鼻に息を吹き込まれて「生きたもの」とされた神、大声で呼びかけて死んだものを生きたものとされたイエス様。
・見ないと信じない悲観的な弟子トマスだが、きかんしゃトーマスやトムとジェリーのトム(トマス)も同じ名前。
・生命や魂をラテン語で「anima:アニマ」というが、生命の命を吹き込まれたように漫画が動き出すことからを「アニメーション」という。ラテン語系のスペイン語やポルトガル語では「元気出してよ」とは「アニマ!」と言って元気づける。
・ラザロという名前はヘブライ語のエリエゼルに由来し「神が助けてくださる」という意味。ちなみに「イエス」という名は旧約聖書の「ヨシュア」と同じ名前で、意味は「主は救われる」という意味。「主は救い」という方が「神が助けてくださる」という人を生き返らせたことになる。
「ごはんができたわよ。早くらっしゃい!」とお母さんに言われたことない?すぐに行かなくて、大声で怒られたこともある?「早く来ないと、もうあげませんよ!」って。先生はあるよ。そういう時に限って、ちょうど勉強に熱中してたり(あんまりないかな?)、漫画や遊びの面白いところだったりするんだよね。今日の聖書はイエス様が大声で、「でてきなさい!」って言ってます。どうしたんだろうね?
実は、イエス様の大切なお友達のマリアとマルタ、そしてラザロという3 人兄弟がいましたが、そのラザロが病気になってしまいました。イエス様は自分を狙っている悪い人たちがたくさんいたから街に行くのをお弟子さんたちは心配しましたが、ラザロの家に行きました。でももう死んでしまっていて、みんな悲しんでいます。お墓は洞窟の中で、ラザロは体中にミイラみたいに白い布を巻かれて入れられ、大きな石で扉が閉められています。どう見ても遅かったし、死んでいるんですが、「まだ眠っているだけ、石をのけなさい」と言われるイエス様。「もし信じるなら神の栄光を見る」と言って、「ラザロ、出てきなさい」と大声で言われました。すると、中から白い布を巻かれたままのラザロが出てきたんだ。「光あれ」って言って世界を作り始められた神様、人の命を作られた神様を思い出すね。イエス様はそんな方だったんだ。
勉強や漫画がいいところで部屋から出ないとき、もしかしたら、「今日は一人がいい」と思って部屋や家から出たくない時もある?ケンカをした後とか、いやなことがあった時とか、「あーあ」って元気がなくなる時。それは、大人や先生たちにもあるんだよ。そんな私たちのために、命をかけてやってきて、みんなからバカにされても大声で呼びかけてくれてるのがイエス様なんだ。「出ておいで。安心していいよ。私がいるから。」って。力があって愛がある方、神様と一緒に、お友達と一緒に、安心して楽しい毎日を送りましょう。
(執筆: 徳弘浩隆牧師)
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
旧版(1987年版)100番「ちいさいこどもの」、改訂版7番「 イェスさま きょうもわたしを」。
<配役>イエス様、マルタ、マリア、ラザロ、ナレーター
ナレーター「べタニアという村に3人の兄弟が仲良く暮らしていました。お姉さんはマルタ、妹のマリア、そして一番下の弟はラザロです。イエス様は、エルサレムに来られるときは、たいていこの兄弟たちの家に泊まられるので、いつも3人はイエス様が来られるのを楽しみにしていました。」
(マルタ、マリア、ラザロ登場)
マルタ「私は家の中の仕事が好き!イエス様がおいでになったら、おいしいごちそうを作りましょう。」
マリア「私はイエス様のお話を聞くのが大好き!はやく、イエス様たち来られないかなぁ~。」
ラザロ「僕は、庭の手入れや大好きなお姉さんたちのお手伝いをするんだ。力仕事は、僕に任せて!」
(3兄弟、一旦退場。)
ナレーター「ところが、ある時ラザロが重い病気にかかりどんどん悪くなりました。マルタとマリアは、イエス様に使いをやり、助けを求めましたが、イエス様が到着された時には、すでにラザロは亡くなっていました。」
(イエス様、登場。マルタ、マリアは泣いている。)
マリア「イエス様がいてくださったら、弟のラザロは死ななかったでしょうに。」
ナレーター「「イエス様は、3人の姿をやさしく見ながら涙を流されました。」
イエス様「もし、信じるなら、神さまの栄光を見られると言っておいたではありませんか。神さま、私の願いを聞き入れてくださって感謝します。これは、人々に神さまが私をこの世におつかわしになったことを信じさせるためです。」
(大声で)「ラザロ、出てきなさい。」
ナレーター「お墓の中から、ラザロが立って出てきました。マルタもマリアも大喜びで、イエス様にお礼を言いました。イエス様は、私たち一人ひとりを愛してくださっています。そして、死んでしまったラザロさんをもう一度生き返えらせることができました。」
「ラザロ」っていう名前の意味は「神は助けてくれる」っていう意味なんだって。イエス様のイエスは「主は救っ
てくれる」っていう意味らしいよ。「主は救い」っていう方が「神は助けてくれる」っていう人を生き返らせた話
だったんだね。君の名前はなんていうの?どんな意味があるの?どんな祈りが込められてるのかな?何をして、ど
んな人になりたいかな?話し合ってみない?