イエス・キリストの福音について知る。
・マルコによる福音書は、「神の子イエス・キリストの福音の初め」とはじまる。そしてここでは、イエスご自身が公の伝道(宣教)活動をはじめることが書かれているが、その内容は「神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」というものであった。
・イエスが洗礼を受けたとき、「あなたはわたしの愛する子」という声が天から聞こえた。これは、神がイエスに語りかけた言葉であるが、私たちもまた、洗礼を通してイエス・キリストに結ばれ、神がイエスに語ったこの言葉を自分のこととして聞くのである。また、まだ洗礼を受けていない者に対しても、神は「あなたはわたしの愛する子」なのだと知ってほしいと思っている。
・イエスの十字架での死をその頂点とする四旬節は、「悔い改め」がそのテーマとなっている。それはつまりは、私たちが罪人であり、神の一方的で、すべてを成し遂げてくださる業をなくしては、決して救われることがないのだということである。
今日からはじまる四旬節は、悔い改めの期節です。イエスさまは「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と呼びかけます。しかし、「悔い改め」とはどういうことでしょうか。「悔い改め」には、「方向を変えること」や、「立ち返ること」という意味があります。それではしかし、私たちは、いったいどの方向に向くべきなのでしょう。どこに、立ち返るべきなのでしょう。
みんなは、学校(園)に来たり、遠足に行ったりして、家に帰ってくると、どういう気持ちになりますか。おそらくみんな、ほっとすることでしょう。外だと、特に遠足のときなどは、緊張して、いつもの自分とは違う感じがするかもしれません。だから、家に帰ってくるとほっとして、自分らしく過ごすことができるのではないでしょうか。
イエスさまが洗礼を受けたとき、神さまはイエスさまに、「あなたはわたしの愛する子」と語りかけました。洗礼を受けてイエスさまとつながっているみんなは、イエスさまを通して神さまのこの、「あなたはわたしの愛する子」という声を聞きます。自分に語りかけられている言葉として聞くのです。つまり、洗礼を受けているみんなは、神さまの愛する子どもだということです。洗礼をまだ受けていないみんなにも、神さまは同じように語りかけようとしています。「あなたはわたしの愛する子」なのだ、みんなは神さまの愛する子ども、大切な子どもなのだと、そう伝えようとしているのです。そして、これこそが、「あなたは神さまの愛する子ども」なのだということが、悔い改めて立ち返るべき、みんなの家です。神さまに愛されていることは、みんなが家に帰ってきたときのように、みんなを安心させ、ほっとさせてくれるからです。みんなが神さまの愛する子どもであること、これこそがよい知らせ、福音です。アーメン。
(執筆: 高村敏浩牧師)
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
旧版(1987年版)57番「しゅよわたしをあわれみ」、改訂版7番「イェスさまきょうもわたしを」。
①以下の言葉を書いた6枚の紙(カード)を隠しておく。
・時は満ち
・神の国は
・近づいた
・悔い改めて
・福音を
・信じなさい
②6枚の紙を集め、順番に並べてみことばを作る。
※隠し場所の地図やヒントを作ったり、チーム分けをして競争するのも楽しい。
・みんながほっとするときなどんなときですか。
・どうしたら、みんなが安心して、自分らしく生きることができるだろうか。