2024年2月11日 主の変容
マコ9:2〜9 王下2:1〜12 2コリ4:3〜6

今週の聖句

「これはわたしの愛する子。これに聞け。」
マルコによる福音書9章7節

ねらい

十字架での死に向かう前に、イエスが神であると示されたことを知る。

説教作成のヒント

・変容の出来事は、イエスが神に選ばれた神の子キリスト(メシア)であることを、公に顕らかにするという意味がある。このことは、この出来事がペトロの信仰告白に続いて置かれていることからも分かる。そしてこの変容の出来事から、イエスは十字架での死が待つエルサレムへと進んで行くのである。教会暦でもまた、十字架がその頂点である四旬節の前に、この出来事が置かれている。

・山の上でモーセと語り合うという姿は、旧約聖書の出来事から、神の姿であることが分かる。また、モーセは律法、エリヤは預言者を象徴していると考えられる。つまり、イエスの生きた当時の「聖書」である。

豆知識

・「わたしの愛する子」は、イエスの洗礼の場面でも出てくる言葉。洗礼の時は、天からの声は「あなたはわたしの愛する子」と、イエスに向かって語られる言葉であったが、変容の出来事では、イエスが神の愛する子であることは、イエスと一緒にいた弟子たちに示された。

説教

イエスさまが十字架につけられて死ぬこと、そして三日目に復活するというイースターの出来事、復活祭の前の40日間(日曜日を除くため、カレンダー上は45日間となります)を、教会のカレンダーでは、四旬節と言います。この期間に読まれる聖書の箇所は、イエスさまが十字架へと向かう様子についてです。この四旬節がはじまる一週間前である今日は、イエスさまの変容の出来事をおぼえます。あまり聞いたことのない言葉である変容とは、「姿かたちが変わること」を意味します。イエスさまは、ペトロ、ヤコブ、ヨハネの3人だけを連れて、山に登りました。そこで3人は、イエスさまの姿が変わる様子を目にします。イエスさまの服は真っ白に輝き、その白さは、どのような白さよりも鮮やかだったと言います。姿が変わり、白く輝くイエスさまは、モーセとエリヤという、旧約聖書に出てくる有名な人たちと語り合っていました。弟子たちは驚きます。そして、驚く弟子たちの周りには雲があらわれ、その雲の中から声が聞こえてきました。それは、「これはわたしの愛する子。これに聞け」というものでした。

雲の中から聞こえた声は、神さまの声でした。そしてこの声は、ペトロ、ヤコブ、ヨハネたちに、イエスさまが神さまの愛する子どもであることを知らせます。「神の子」であるということは、独りしか神さまのいない宗教であるキリスト教では、神さまであるということでした。つまり、イエスさまは神さまだということが、この変容の出来事であきらかにされたわけです。そしてこの、神さまであるイエスさまが、これから十字架へ向かい、十字架に架けられて殺されてしまうということは、神さまが、私たちに人間みんなのために、死なれるということでした。変容の出来事は、ほかのだれでもない私たちの神さま自身が、十字架で死ぬのだということを、私たちにはっきりと教えているのです。そしてこれは、ほかのだれでもない私たちのため、みんなのためであるのだということを、教えているのです。これからはじまる十字架への道を、そして十字架と復活を、自分のために神さまがしてくださったことだとおぼえて、四旬節を過ごしてみましょう。アーメン。

(執筆: 高村敏浩牧師)

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)5番「かみさまは」、改訂版49番「かみさまはそのひとりごを」。

やってみよう

☆顔が変わるプレートを作ろう

用意するもの・・・紙皿(1人2枚)・はさみ・サインペン等


①2枚の紙皿にそれぞれに大きく、笑った顔、泣いた顔(おこった顔)を描く。(2枚大体同じ大きさに描くと良い。)

②外円の下から中心に向かって、まっすぐに切り込みを入れる。

③2枚の顔を同じ向きに重ねて切り込みからくるくると後ろ側の紙皿をスライドすると顔が変わっていくよ。

はなしてみよう

・モーセとエリヤとは誰かを調べてみよう。

・ペトロは、変容の出来事に驚き、的外れなことを言いました。もしみんなが、この出来事を目撃したのであれば、どんな反応をしたと思いますか。