2024年1月28日 顕現後第4主日
マコ1:21〜28 申18:15〜20 1コリ8:1〜13

今週の聖句

「イエスの評判は、たちまちガリラヤ地方の隅々にまで広まった」
マルコによる福音書1章28 節

ねらい

・イエスは「神の言葉」により、人にその本来の価値を取り戻させる「いやし」に取り組んだことを知る。

説教作成のヒント

・律法学者は「神の言葉」を研究・解釈し、それを人々に伝えたが、イエスは「神の言葉」そのものを告げた。それは人をしばるものから解放する力のあるものである。私たちも神の言葉を告げるものとされている。

・「いやし」は「治癒」(イオーマイ)のケースはわずかであり、看病や手当て(セラペオー「セラピー」の原意)の意味。つまり「慰め」と言える。病気がなくなったというよりも、慰めがあったとして伝えてよい。

豆知識

・28節の「隅々にまで」は、日課の後の45節「四方から」と結ばれている。キリストが中心となり、人々の行動の広がりと集中が生まれる。

・古代の人々は人の力を超えた大きな力を感じた時に「霊」と呼んだ。それが神から来るものであれば「聖霊」、悪い力であれば「汚れた霊=悪霊」と呼んだ。

説教

タンスの奥にひもでしばって片付けられた古い着物がありました。お洒落な人に着てもらうこともなくなり、広げられてきれいねぇと声をかけられることもなくなりました。何年も何年もそのままで、元の持ち主の子どもも、その子どもも誰も触ることもなくなりました。そんな時、一人の人がニコニコしながらやってきて、ひもをほどき、広げて「わあ」と嬉しそうな声をあげました。そして、この人は手にした大きなハサミでジョキジョキと着物を切ってしまったのです。自分はゴミになって捨てられるのだと悲しい気持ちになった着物でしたが、ハサミの人は相変わらずニコニコしています。そして今度は切ったところを縫い合わせていきました。着物は何が起きているのかわからないまま、されるがまま。ハサミの人はニコニコのまま。そうして何日か経った頃、ハサミの人は「よし」と言いました。着物は自分がずいぶん軽くなったような気がしました。そしてハサミの人が運んできた鏡に写った自分を見て驚きました。そこには古い着物ではなくて素敵なドレスになった自分がいたからです。ハサミの人は、古い着物から洋服をつくる人でした。誰にも必要とされることなくしばられて片付けられていた着物に新しい命が吹き込まれたのでした。

イエスさまは神さまの言葉をお話する人でした。その言葉には、しばられていたり、誰からも大切にされなくて悲しい思いをしている人の苦しみをジョキジョキと切って、新しい命を吹き込む力がありました。ある日の教会(ユダヤ教の会堂)でも何だかわからない力によって苦しめられ、大切な人と一緒にいられなくなっている人に会いました。イエスさまはそんな人を見過ごしにはできません。そこで「出ていけ」と呼びかけて、何だかわからない力を断ち切ってくださいました。この人は、イエスさまが自分を心配し、助けようとしてくれたことで生きる力が湧きました。そしてみんなと一緒にいられるようになり、心と体のすべてが嬉しい気持ちで歩み始めました。

(執筆: 安井宣生牧師)

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)45番「わたしたちのともだちに」、改訂版126番「うたいましょう」。

やってみよう

☆使いかけの紙で新しいものを作ってみよう

<用意するもの>

使いかけの画用紙や折り紙など、ノリ、ハサミなど


教会や家にある、使いかけの画用紙や折り紙、広告の紙などで切り絵(切り絵が難しい場合はちぎり絵)を製作してみよう。

古いものも、ステキな作品に生まれ変わるね!

はなしてみよう

・神さまに助けていただいたことはありますか。あれば話してみよう。

・近くでも遠くでも、世界で起きている様々な苦しみや悲しみについて、話してみよう。