洗礼においてイエスは「あなたはわたしの愛する子」というメッセージを聞いたことを知る。
そして、私たちも洗礼において、「あなたはわたしの愛する子」という言葉とともに、神に触れられることを味わう。
ヨハネの洗礼は人間の悔い改めの意思によりなされ「水の洗礼」と言われるが、イエスの場合、聖霊がもたらされる「霊の洗礼」であった。それは人間の決意ではなく神の働きかけによるということを強く印象づける。
・イエスが洗礼を受けたところはヨルダン川が死海へ注ぐ河口からそれほど遠くないところと考えられている。死海のほとりは海抜マイナス400メートルであり、地球上の最も低い地表に身をかがめ川の水に身を浸して洗礼がなされた。
・ルカによる福音書によると、イエスが洗礼を受けたのは「およそ30歳」とのこと。
神さまはいろいろな方法で私たちに近づいてきてくださいます。
まずは「空気」。空気は神さまからの風です。新鮮な空気を吸い込んで体中を駆け巡らせて、体の外へと吐き出す。これを私たちは毎日、一日に何度も繰り返します。
それから「水」。水も私たちが生きていくために必ず必要なものであり、水によって神さまは私たちの命と暮らしを守ってくださいます。洗礼者ヨハネさんが暮らしていたのは、荒野と言われる木や草のあまりない、生活するには大変なところでしたが、暑いときでも干上がることのないヨルダン川があり、飲んだり、汗を流したりするのに水を使うことができました。洗礼にも川に入ってしていました。
そして「他の人」。私たちは一人ぼっちで生きていくことはできません。他の人の手や心、ことばを通して神さまが触れてくださることで力が湧きます。そして、私たちも他の人に言葉や心を届けたり、必要な手伝いをすることで、その人もまた神さまが近づいてくださることを知ることができます。
そして「言葉」。神さまが言葉を発することで、世界のあらゆる命が生み出されました。あなたも神さまが名を呼ぶことで生み出されました。その神さまが、洗礼を受けたイエスさまに語りかけました。「あなたはわたしの愛する子」と。
そしてまた「イエスさま」も神さまが近づいてきてくださるしるしです。神さまはすぐ近くにいて、嬉しいときは一緒に喜んでくださり、悲しいときは一緒に泣いてくださることを、イエスさまが見せてくださいました。
ほかにも色々な方法で神さまは近づいて来てくださいますが、今日最後に紹介したいのは「聖霊」です。神さまは、「空気」「水」「他の人」「言葉」「イエスさま」をくださいますが、神さまが今このときも生きてあなたと一緒にいて「あなたはわたしの愛する子」と呼んで、大切にしてくださるのは、聖霊のはたらきです。イエスさまも聖霊を受け取って神さまのお仕事へと歩みだす力をいただきました。それは、あなたは神さまの大切な子どもですと知らせる仕事です。
あなたにも神さまの聖霊がはたらきます。
(執筆: 安井宣生牧師)
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
旧版(1987年版)5番「かみさまは」、改訂版49番「かみさまはそのひとりごを」。
聖霊は空気のようで見えない、さわれない…けれど、いつも一緒です。
こどもさんびか「ふしぎなかぜが」をみんなで歌おう。聖霊を感じよう。
<用意するもの>
ビニールの買物袋、毛糸、油性マジック、ハサミ
①ビニール袋の中央の出っ張りを切る。
②ビニール袋にマジックで、好きな絵を書く。
みことば「これはわたしの愛する子」を書いても良いですね。
③毛糸を50センチ位を2本、100センチ位を1本に切る。
④短い毛糸をそれぞれ取っての部分に輪っかに結ぶ。2本の先っぽと長い毛糸を結んだら出来上がり。
・自分の洗礼のことで知っていることがあればはなしてみよう。
・教会学校の先生や教会のだれかに、その人の洗礼のときのことをきいてみよう。