神様のものは神様に
・イエス様を「罠にかけようと」する議論が背景にあり、イエス様への問い自体に悪意があります。
・すべてにおいて神様を中心に、というメッセージに注目しましょう。「皇帝のものは皇帝に」と「神のものは神に」が二分されていてどちらを取るかということではなく、神様がこの世界を治めておられるということに着目すると良いでしょう。
・対象者の理解度によっては、納税制度の話題にこだわらずに内容を変えて良いと思います。
・「ヘロデ派の人々」とは、当時、ヘロデやローマ皇帝を信奉した人々でした。
・ここで議論されている税金は「人頭税」と考えられています。それは人口調査に記載されたすべての成人にローマ帝国が課したもので、デナリオン銀貨が使われ、その貨幣には皇帝の肖像が刻まれていました。
ある時、イエス様に、難しい質問をする人たちがいました。それは、税金を納めることは神様との約束に逆らっていないですか?という質問でした。税金というのは、道を作ったり、警察署や消防署で働いたりする人のためにみんなから集めるお金です。ただ、聖書の話に出てきた人たちがイエス様にした質問の意味は違っていました。なぜなら、質問した人は、イエス様を罠にかけようとしていたからです。その質問は、国の偉い人に従うことと、神様に従うことのどちらが大事ですか、という意地悪な質問でした。
この意地悪な質問を聞いて、私は、前に、悩んでいたことを思い出します。それは、仕事が忙しくて、忙しくて、お祈りする時間がないという悩みでした。お仕事をしなかったらダメだし、でも、忙しくて神さまのことを忘れてしまってもダメ。だから、私はどうしようって悩んでいました。
でも、イエス様は、そんな難しい質問にも答えてくださったことを、教会で教わりました。それは、「神様のものは神様に返しなさい」という答えです。実は、よく考えてみると、私の仕事も、神さまが与えてくださったものです。私たちの体も、仕事をする力も、一緒に仕事をする仲間も、みんな神様がくださったものです。だから、どんなに忙しくても、私は、お仕事しながら祈ればよかったんです。何かする時はいつも「神様、一緒にいて導いてください」って祈って、おわったら「神様ありがとう」って祈る。すべてにおいて神様を中心にすればよかったのですね。
神様がつくられたこの世界を、良いものとして平和に守るための働きは尊いものです。私たちも、神様が与えてくださったすべてを大切にして、いつも神様にありがとう、とお祈りをしていけるとよいですね。
(執筆: 小澤周平牧師)
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
旧版(1987年版)85番「かみさまにかんしゃ」、改訂版103番「ひとははたけをよくたがやし」。
ローマ時代のコインに皇帝の肖像と銘が刻まれているのと同じように、私たち自身の存在(心)に「キリストのもの」という刻印が刻まれています。
社会も私たち自身も神様の御旨のうちにあるよう、神様が教えてくださった主の祈りを覚えて、一日の始まりや終わりの時に祈ってみよう。
準備
・はがきサイズの少し厚手のカード ・クレヨン、色鉛筆 ・写真立て(あれば)やカードを貼れる台紙
活動
・カードに主の祈りを書き、文字のないところに好きな絵を描いたり、色を塗る。
(字が書けない小さな子ども達には主の祈りを書いたカードを用意して、そこに絵を描いたり、色を塗る)
・カードを写真立てに入れたり、台紙に貼って家に飾れるようにして、自分だけの「主の祈りカード」のできあがり。
・お祈りってどんな時にする?どんなこと祈る?と、はなしてみよう。