2023年4月9日 主の復活
マタ 28:1〜10 又は ヨハ 20:1〜18 使 10:34〜43 又は エレ 31:1〜6 コロ 3:1〜4 又は 使 10:34〜43

今週の聖句

「あの方は、ここにはおられない。」
マタイによる福音書28章6節

ねらい

・主の復活に思いを巡らせましょう。

・復活は、私たちの意志や力で実現するのではなく、神の憐れみと力が働くときに、イエス様がそれを可能にしてくださいます。

説教作成のヒント

・イエス様が殺されたのは、現代の3~4月頃の、金曜日の15時頃です。その数時間後の日没から安息日が始まります。安息日が始まると丸一日何もできなくなるため、イエス様の遺体が十字架にかかったままにならないようにと、イエス様に従う人たちは慌てて遺体を十字架から降ろしました。そして、きれいな亜麻布に遺体を包んで墓に収めました。イエス様は鞭打たれ、十字架につけられていたため、体は血だらけでしたが、上記の通り安息日が迫っていたため、埋葬前に体を綺麗にする時間がありませんでした。そこで2日後(金曜日を1日目と数えると3日目)の日曜日の朝、イエス様の遺体を綺麗にするために、女性たちは墓を訪れます。

・「あの方は、ここにはおられない」の「ここ」とは、「イエスの遺体がおさめられた墓」を指します。ここで言われている墓とは、イエス様に従ってきた女性が「悲しむための場所」でした。イエス様が殺されてしまい、これから自分たちがどうして良いか分からず途方にくれている、だけど、せめて今できることとして、イエス様の遺体を綺麗にしようと墓にやって来ます。イエス様の遺体を綺麗にしたところで、イエス様がよみがえるわけでないことは、彼女たち自身が一番分かっています。しかし、そうしなければ気持ちが収まりません。彼女たちにとって、墓とは「出口のない悲しみを悲しむための場所」でした。

・ところが、彼女たちに天使が現れ、「あの方は、ここにはおられない」と言います。出口のない悲しみを悲しむしかない場所には、復活したイエス様はいないと言うのです。人間的な「喪に服す」「悲しみを徹底的に悲しむ」を越えた次元から、イエス様の復活は起こります。女性たちと弟子たちは、「悲しむための場所」から、「○○へ行きなさい」と行くべき場所を天使とイエス様から示されます(28章6節~10節)。

豆知識

・「復活」の原語(ギリシア語のエゲイロー)には、「立ち上がる」や「起こされる」という意味もあります。

・「復活なさったのだ」(6節)は、原文を直訳すると「復活させられたのだ」です。つまり、イエス様がご自身の力や意志で復活したという意味ではなく、父なる神がイエス様を復活「させた」のです。

説教

イエス様は、金曜日の午後3時頃に、十字架につけられて死にました。イエス様の遺体は、石を掘った洞穴のお墓に収められました。二日後の日曜日の朝(金曜日を一日目とカウントすると三日目の朝)に、これまでイエス様に従ってきた女の人たちが、墓を見に行きました。彼女らがお墓に来たのは、死んだイエス様の身体を綺麗にするためでした。イエス様が死んでしまったことは取り返しがつかないとしても、自分にしてあげられることをしてあげたいと思ったからです。女の人たちにとって、イエス様がいなくなってしまい、これからどうしようかわからないまま、ともかく自分にできることをしようと考えたのです。

すると大きな地震が起こり、真っ白な天使が現れました。おびえる彼女たちに、天使は「恐れることはない。十字架につけられたイエスを捜しているのだろうが、あの方は、ここにはおられない。かねて言われていたとおり、復活なさったのだ」と言いました。

「あの方は、ここにはおられない」の「ここ」とは、お墓です。イエス様はお墓にはおらず、復活しました。イエス様は生きている、あなたがたはイエス様に会いに行きなさいと天使から言われます。

私は、死んだ人が目の前で生き返ったということをまだ見たことはありません。だけど、他の人や私自身が見たことがないからといって、復活がないとは言い切れません。聖書には、イエス様が復活し、多くの人々と出会い、話をしたと書かれています。復活したということは、イエス様はまだ生きていて、やることがまだある、ということです。

(執筆:秋久潤牧師)

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)113番「くさのめ きのめが」、改訂版89番「キリスト・イエスは」。

やってみよう

☆たまごさがし

(用意するもの) ゆでたまご(食紅などで着色したものが望ましい)×人数分(以上)

<準備>

スタッフは、部屋や外などに、たまごを隠します。

この際、簡単で良いので隠した場所のメモを作成しておきます。

<探索>

こどもたちは、たまごさがしを行います。

人数に対して多数のたまごが用意されていない場合、1つ見つけたらそれでおしまいです。

みんなが自分のたまごを見つけたら、大事に持って帰りましょう。

<注意>

かならずその日に食べるよう、指導しましょう。

次週の教会カバンから発見されると……。

また、隠した卵も必ず回収しましょう。

後日ふとした拍子に発見すると……。

(なお筆者はどちらも経験しています)


☆聖書振り返りクイズ

(Lv.1)今日は、なんというお祝いの日でしょう。(答え:イースター)

(Lv.2)イエス様のお墓に、一番最初に行ったのは誰? (答え:マグダラのマリア)

(Lv.3)その人が見つけたお墓は、空っぽでした。なんででしょうか?(イエス様は復活したから)

(Lv.4)このことをイエス様が予告した箇所がありました。それはどこでしょう。正解は何箇所かあります。ヒントは、そのうち一箇所は3月12日の福音書です。(答え:マタイ16:21、17:23、20:19、ルカ9:22、18:33、24:7)

(Lv.99)イエス様が葬られたのは、金曜日の夕方。みんなが駆けつけたのは、日曜日の朝早く。いったいなんで、土曜日には誰も何もしなかったのでしょう?(答え:土曜日は安息日で、何もしてはいけない日だったから)

はなしてみよう

・自分一人の力ではどうしようもできないと感じる出来事があったとき、誰かが助けてくれたことはありますか?

・(もし当事者の心の傷をえぐることにならなければ)身近な人が死んだ場面に立ち会ったことはありますか。そのときはどのような様子でしたか。