2022年9月4日 聖霊降臨後第13主日
ルカ14:25~33 申30:15~20 フィレ1:1~21

今週の聖句

「自分の十字架を背負ってついて来る者でなければ、だれであれ、わたしの弟子ではありえない。」
ルカによる福音書14章27節

ねらい

・日々の生活の中で「イエスについていく」ということの意味を考える。

説教作成のヒント

・26節の「憎む」と訳された言葉は「より少なく愛する」という意味である。決して家族と縁を切ることを勧めているのではなく、家族や親しい者よりも神を愛する、ということを教えている。

・家族や自分の親しい人の中にとどまることは私たちに安心をもたらす。しかし、イエスはその「安心」を捨て、わたしたちを活かすために十字架の上で命をささげてくださった。だからこそ私たちも自分の十字架を担って、ついていく。特別な英雄的な何かを行なわなくとも、日々の生活の中で「神様が私に望まれることは何か」と問いながら生きていく、それも「自分の十字架を背負う」ことではないだろうか。

豆知識

・当時のユダヤ教社会は、血縁や地縁が重要視され、優先されていた社会である。その中で「家族や親しい人を憎む=家族や親しい人よりも神を優先して愛する」ということは、やはり重い意味を持つものであっただろう。ルカ福音書が記された当時の初代キリスト教会の会衆の中には、棄教を迫られ、信仰か家族かを選択せざるを得なかった者も多くいたことは想像に難くない。

説教

※〇〇、△△、××には適当な名前を入れるとよい

〇〇ちゃんには、最近、悩みがあります。仲良しの△△ちゃんが、同じクラスの××ちゃんというお友達を、仲間外れにしているのです。××ちゃんは、少し動きがゆっくりで、それが△△ちゃんは、あまり好きになれないみたい。△△ちゃんは人気があるので、△△ちゃんが周りのお友達に××ちゃんのことを悪く言うと、みんな「そうだね」と言ってしまうのです。だから最近、××ちゃんは、ひとりぼっちでいることが多くなっています。

〇〇ちゃんにとって、△△ちゃんも仲良しのお友達です。でも、××ちゃんも同じクラスのお友達です。できれば仲良くしたいし、仲良しだからこそ、△△ちゃんが誰かにいじわるをするところはあまり見たくないなあ、とも思っています。でも、そのことを△△ちゃんに言ってしまったら、△△ちゃんは怒って、もう仲良しではいられなくなってしまうかもしれません。どうしよう、と思った〇〇ちゃんは、教会の牧師先生にこっそり相談してみました。

「神さまに、相談してみたらどうかな」と牧師先生はおっしゃいました。「お祈りのときに、『神さまは、私がどんなふうにするのがいちばん嬉しいですか?』と神さまに相談してみるんだよ。神さまは、どんな答えをくださるかな。勇気を出して、△△ちゃんに『仲間外れはいやだよ』って言うこともできるかもしれないね。こっそり××ちゃんに『私は××ちゃんのことが好きだよ』って伝えるのもいいかもしれない。『××ちゃん、おはよう』って心を込めてあいさつをするだけでも、××ちゃんは嬉しくなるかもしれないよ。そんなふうに、神さまに『私はどうしたらいいですか?』と相談してみて、そして『どうか私に勇気をください』ってお祈りしてみたらいいよ。難しいかもしれないけど、イエス様は、〇〇ちゃんのために十字架にかかってくださるくらい、〇〇ちゃんのことが大好きだから、きっと力を貸してくださるよ」

そうだよね、と〇〇ちゃんは思いました。神さまは、〇〇ちゃんのことも、××ちゃんのことも、△△ちゃんのことだって、大好きでいてくださいます。だから、そんな神さまがいちばん喜んでくださることを考えよう、と、〇〇ちゃんは、神さまにお祈りを始めました。

(執筆: 西川晶子牧師)

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)127番「イエスさまのじゅうじかを」、改訂版84番「イェスさまのじゅうじかを」。

やってみよう

輪投げを作ろう

・ダンボール板にラップの芯などを付けて輪投げの的を作ろう

・大きめの紙に自分の大切なものを書いて、その紙で輪投げの輪っかを作ろう。

・出来上がった輪っかをを的に投げて成功したら、お友達や先生とハイタッチをしよう。

※ 的はイエス様、輪っかは自分の大切なもの。

 大切なものを投げ捨て、イエス様のあたたかいふところに飛び込みましょう。

はなしてみよう

・家族や仲の良い人よりも「神さまを多く愛する」には、いったいどういうふうにしたらいいのでしょう。