TNG The Next Generation

2022年7月10日 聖霊降臨後第5主日

福音書 ルカ10:25~37
第一の日課 申30:9~14
第二の日課 コロ1:1~14

今週の聖句

「行って、あなたも同じようにしなさい。」
ルカによる福音書10章37節

ねらい

善き隣人となる。

説教作成のヒント

① イエス様が神様を愛することと隣人を愛することの二つの教えを一つのこととして教えられたところに意味があります。

② 神を愛するという事と隣人を愛することがつながっていることがポイントです。

豆知識

① 当時のユダヤ人にとっての宗教的関心事は、どうしたら永遠の命を受け継ぐことが出来るかという事でした。

② 「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」は、「シェマー、イスラエル(聞け、イスラエル)」と言って、ユダヤ人であるならば子どもの頃から学び、知っていました。(申命記6章4節~9節)

③ サマリア人とは、歴史的にはユダヤ人と同じルーツを持ちますが、戦争によって混血が進み、純血を重んじるユダヤ人からは軽蔑されるようになり、民族的に交流を持たなくなりました。

④ 祭司もレビ人も宗教家です。でも彼らは、「清さ」にこだわり、けがれた者に触れてはいけない決まりがあったのです(例えばレビ記21章)。

⑤ 1デナリオンはローマの銀貨で、一日分の労働の賃金。

説教

イエス様がたとえ話を話されました。ある聖書の専門家が、どうしたら永遠の命を得ることが出来ますかと質問したからです。永遠の命とは死なない命ではなく、神様と良い関係を結ぶことです。

イエス様は神様を愛しなさいと教えられました。聖書の専門家は、それは子どものころから守っていますと答えます。するとイエス様は「隣人を愛しなさい」と言われました。そこでイエス様は「善きサマリア人のたとえ」を語られます。

あるユダヤ人が旅の途中で強盗に襲われ、ひどくけがをしてしまいました。そこに何人かの人が通りますが、誰も彼を助けようとはしません。そこにサマリア人が通ります。サマリア人はユダヤ人とは仲が悪く、話すこともせず、友達にもなりませんでした。しかし、このサマリア人はユダヤ人とわかりましたが、ケガをしているその人がかわいそうに思って介抱し、宿屋に預けて、この人のお金が必要になったら自分が払いますと言いました。イエス様は「誰がケガをした人の隣人になったか」と尋ねます。律法の専門家は、助けてあげた人ですと答えました。そうすると、イエス様は「行って、あなたも同じようにしなさい」と言われました。このサマリア人は、いくつもの決まり事、約束事を超えて、かわいそうだと思う優しい心でケガをした人を助けました。最初の質問の答えは、神様を愛するという事でした。でも私たちは直接神様を見ることが出来ません。だから神様を愛するにはどうしたらいいかわかりません。イエス様は、神様を愛することは、隣人を愛すること、人を大切にすることだと教えられたのです。

バングラディシュという国にマザー・テレサという人がいました。この人は道で倒れて死にそうな人を「死を待つ人のホーム」に連れてきて介抱しました。ある人がマザー・テレサになぜそんなことをするのですかと尋ねると、マザー・テレサは「この人たち一人一人の中に小さなキリストがいるのです」と答えました。

(執筆:松岡俊一郎牧師)

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)141番「ウリエ イウッソン(となりびとは)」、改訂版57番「たびのとちゅうで」。

やってみよう

☆たとえ話を演じてみよう!

・今日の聖書に出てきた登場人物を子どもたちに聞く。(レビ人、祭司、サマリア人他)

・どんな立場の人でどんな仕事をしていたでしょうか?レビ人→人々から尊敬され、律法を守る正しい人。ユダヤ人と仲良し。祭司→神さまに仕える仕事をしていた。サマリア人→ユダヤ人と昔から仲良くなかった。

・今日の聖書を読んで、即席劇をしてみよう。

※時間があれば、いろんな役を交代して体験してみましょう。

・劇をした後、自分が演じた役の人物がどんな気持ちだったかを紙に書いて、発表しましょう。

はなしてみよう

① 私の隣人とは誰か、を考えてみよう。

② 愛することは具体的にはどのようなことだと思いますか。

③ マザー・テレサのことを学んでもいいでしょう。

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