2022年5月22日 復活節第6主日
ヨハ14:23~29 使16:9~15 黙21:10,22~22:5

今週の聖句

「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。」
ヨハネによる福音書14章27節

ねらい

・この世界の平和とは、力の均衡が生み出す平和であったり、相手に対して有利な立場にあることによって享受する平和のように思えてなりません。イエス様の平和とどう違うのでしょうか。

・聖書の平和とは、究極的には神様がただお一人の権威者で、その父なる神様に守られるところに開かれていく平和だと思います。この平和を平易な言葉で伝えることができたらと思います。

説教作成のヒント

・コロナ禍やウクライナの戦争で私たちの心は穏やかではない状況を経験しています。子どもたちの純粋で壊れやすい心はどのような経験をしているでしょうか。

・このような社会状況だからこそ、イエス様の愛と平和のメッセージは子どもたちに心地よい語り掛けとなって響くと思います。

豆知識

・イエス様が生きられた時代、ユダヤはローマ帝国の属国となって総督が置かれていました。

・後に、ユダヤ戦争が起きて、エルサレムは廃墟同然になってしまいます。それほどに古代社会は戦争が身近なものでした。戦争に負けた国の人々は大変な目に遭いました。

説教

皆さんはどのような時に、一番安心できますか?仲の良いお友達と一緒に遊んでいるときでしょうか。お父さんやお母さんと一緒に過ごすときでしょうか。お部屋で一人で好きなことをして過ごすときでしょうか。お風呂に入ってぼんやりする時でしょうか。お布団に入って目をつむる時でしょうか。私たちがこのように安心する時、それがずっと続いたらいいなと思います。それが、きっと私たちが求める平和なのだと思います。

もちろんのこと、私たちにはそのようなことばかりではありません。きょうだいがいたら家ではケンカもしますし、家の外ではお友達とも言い争いもします。そして、嫌いになったら、お話しもしたくないこともあります。そして、私たちは仲直りもします。これらのことは、私たちが大きく成長していく上で大切なことだと思います。このような不安な気持ちを経験しながら、私たちはたくさんのことを学ぶのです。

イエス様は「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える」とおっしゃいます。イエス様の平和とは一体どのような平和でしょうか。それはきっとイエス様と私たちが結ばれるところに、イエス様が私たちと共にいてくださるところに与えられる平和だと思います。これまで、わたしたちはたくさんの不安な気持ちになったかもしれませんし、これからもたくさんの辛い出来事も経験します。しかし、私たちは教会に来てお友達と会って、イエス様にお祈りする時に不思議な安心に包まれます。こうして、私たちはいつどんな時でも、心がくじけそうな時も、お友達とけんかしてしまったときもイエス様に助けを求めることができます。そして、心は勇気でいっぱいに溢れ、お友達のためにお祈りし、お友達と仲良く過ごすことができます。これが、神さまの与える平和ではないでしょうか。

(執筆:渡邉克博牧師)

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)88番「かみさまのあいは」、改訂版140番「みんなでへいわを」。

やってみよう

☆いろんな国の平和のことばをさがして、平和の折り鶴を折ってみよう

<用意するもの>折り紙、ペン

・「平和」を意味するいろんな国のことばを調べてみよう。

「シャローム」(ヘブライ語)、「ピョンハ」(ハングル)、「ピース」(英語)、「ぺ」(フランス語)、「ペルダマイアン」(インドネシア語)、「サラーム」(アラビア語)など。

(こどもさんびか改訂版140番「みんなで平和を」参考にしてください。)

・折り紙に平和を表す好きな言葉を書いて、平和の折り鶴を折りましょう。

特に戦争の中にあるウクライナの国を覚えて、祈りながら作りましょう。

※神さまの平和がありますように。

はなしてみよう

・どのような時に安心できますか?

・心が落ち着かない時や寂しい時に、イエス様のことを思い浮かべた時、どのような気持ちになるでしょう?