2022年5月8日 復活節第4主日
ヨハ10:22~30 使9:36~43 黙7:9~17

今週の聖句

「わたしの羊はわたしの声を聞き分ける。わたしは彼らを知っており、彼らはわたしに従う。」
ヨハネによる福音書10章27節

ねらい

・福音書の終末論には、マタイによる福音書25章にあるような終わりの時に突如到来する裁きと、今日の個所にあるように「いま」、「ここで」の生き方がもたらす裁き(現在的終末論)も記されています。後者はヨハネによる福音書において幾度となく記されています。この立場に立つならば、私たちの救いは、今、この瞬間、神様の愛を豊かに賜り生きているのかどうかに集約されるといっていいと思います。

・子どもたち一人一人が今日一日、今この瞬間、この場所で、神様の愛を豊かに賜り、平安に生きていること、このことの素晴らしさを伝えることができたらと思います。

説教作成のヒント

・イエス様の羊とそうでない羊とは何が違うのか。イエス様の声を聞いて従う時に、羊はどれほど安心できるか。私たちがイエス様の声を聞いて従うとはどういうことか。子どもたちに説教をすることは、説教者の信仰者としての生き方を振り返るひと時であることをいつも思います。

・キリストに導かれる群れのうちにいることの恵みを子どもたちに伝えられたらと思います。

豆知識

・神殿奉献記念祭(ハヌカ)とは、ユダヤ教の祭りのひとつ。旧約続編のマカバイ記一4章などを読みますと、ユダヤの人々にとって大変な意味を持つ祭りであったことがわかります。

説教

家族から声をかけられたとき、わたしたちはその声を聞き分けます。優しい声か、少し怒っている声か。嬉しそうな声か、悲しそうな声か。そして、その言葉も大切です。「ごはんだよ」という声を聞いたら、大喜びで飛び起きます。「お片付けしなさい」という声ならば、少しいやだなと思うかもしれません。「学校に遅れるから早く起きなさい」と言われたら、大慌てで布団から飛び出ます。その声と内容によって、わたしたちはいろいろなことを感じます。

イエス様と当時の人々も同じでした。イエス様は人々をとても愛してくださいました。誰一人として一人ぼっちにならないように、優しく声をかけてくださいました。そして、当時の人々はイエス様が町に来たら、その周りにはたくさんの人が集まったのです。

それはなぜでしょうか。それはどんな人でも、イエス様の周りにいると、とても安心できたからではないかと思います。どんな怒りっぽい人でも、どんなに優しい人でも、どんなに貧しくても、どんなに身分が高くても、イエス様の周りに来ると不思議と安心できたのではないでしょうか。イエス様はどんな人をも拒むことはなかったからです。だから、イエス様の声を聞いた人たちはイエス様を慕って集まったのでしょう。

私たちが教会に集まるのはなぜでしょうか。教会に行ったらお友達と会えるからでしょうか。お父さんやお母さんが行くからでしょうか。たしかにそうかもしれませんが、一番大切なことがあります。イエス様がこの教会にいらっしゃり、ここに集まる大人から子どもまでたくさんの人たちを愛してくださっているからです。そして、私たちは教会に集まり、私たちを愛してくださるイエス様の呼びかけを聞くのです。その声は、私たちを悲しませる声ではなく、私たちをいらだたせる声ではなく、私たちの心が穏やかになり、私たちがお友達と仲良くできるような優しい呼びかけです。

(執筆:渡邉克博牧師)

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)49番「しゅイエスのひつじ」、改訂版123番「わたしはしゅのこどもです」。

やってみよう

☆ひつじを作ってみよう

<用意するもの>

・画用紙・鉛筆、マジック、クレヨン・ハサミ・綿(手芸用)・木工用ボンド(手芸用ボンド)

① 画用紙に羊の絵を書き、切り取ります。

② 今日は母の日です。片側にお母さんへのメッセージを書きます。

③ もう片側の羊の体の部分に木工用ボンドを使って綿を貼ります。

※イエス様は「わたしの羊はわたしの声を聞き分ける」と言われました。イエスさまの声を聞き分けるひつじになって、イエスさまについていこう。作ったヒツジは、お母さんにプレゼントしよう。

はなしてみよう

・イエス様は皆さんにどのような思いを持っていますか。

・その気持ちを知ったときに、どのような気持ちになりますか。