先週はイースターでした。イースターではイエス様が死んでいたのに生き返られたこと（つまり復活されたこと）をお祝いしましたね。復活というのは、幽霊みたいにちょっと薄くなったイエス様がふわーっと出てくるのとは違います。イエス様は、生きていたころと同じ体を持って、実際に目で見て触れる形で、お墓から出てこられたのです。

復活されたイエス様はその日の夕方にお弟子さんたちのところに行きました。私は前に言っていたとおり復活したよ、もう心配しなくていいよと伝えるためです。イエス様はお弟子さんたちが集まっているところに行って、その真ん中に立って、ご自分の手とわき腹をお見せになりました。

イエス様がわざわざ手とわき腹を見せてくださったのは、そこに十字架の時の傷があったからです。イエス様の手には十字架の時に打ち込まれた釘の跡があり、イエス様のわき腹には十字架の時に兵士に槍で刺された傷がありました。それを見せて、ご自分が十字架にかかったイエス様本人であることをお弟子さんたちに示しました。お弟子さんたちは本当にイエス様が復活されたと知って大喜びです。

しかしその時そこにいなかったお弟子さんが一人いました。トマスという人です。トマスはイエス様が復活したと聞いても「イエス様が復活したって本当かなあ？自分の目でイエス様の傷跡を見て、自分の手でイエス様の傷跡に触ってみないと、そんなの信じられないよ。」と言って疑っていました。

その八日後、イエス様はもう一度お弟子さんたちの前に現れます。今度はトマスも一緒です。そしてイエス様はトマスが何も言わないうちに、トマスにこう言われました。「あなたの指をここに当てて、わたしの手を見なさい。また、あなたの手を伸ばし、わたしのわき腹に入れなさい。」。イエス様はトマスがまだ一言も発していないのに、トマスがしたがっていたことを言い当てています。イエス様は初めからトマスの心の中を知っておられたのです。イエス様はトマスが疑っていることを知っていても怒りません。あなたがしたいと思っていたことをしなさい、それであなたが信じられるなら私は付き合うよと言われています。

そんなイエス様の言葉を聞いて、トマスは目の前に立っているお方がイエス様であることに気付きました。この方は、私の心の中を知っておられるんだ、私が疑っていることを知っていてもそのことを責めずに愛してくださっているんだ、そんなお方はイエス様しかいない、この人は本当にイエス様なんだ、と気づいたのです。こうしてトマスはイエス様の復活を信じました。

イエス様はみんなの心の中をよく知っているお方です。イエス様がみんなの心の中を知っているのは、みんなの心の中にある悪い気持ちや疑う気持ちを、責めたり叱ったりするためではありません。そうではなくて、イエス様はみんなの心の中をよく知ったうえで、みんなのことを愛して、みんなが神様を信じられるように助けてくださっています。

（執筆：森下真帆牧師）