2022年3月6日 四旬節第1主日
ルカ4:1~13 申26:1~11 ロマ10:8b~13

今週の聖句

「悪魔はあらゆる誘惑を終えて、時が来るまでイエスを離れた。」
ルカによる福音書4章13節

ねらい

☆霊の剣(み言葉)で戦ったイエスさま

「主に依り頼み、その偉大な力によって強くなりなさい。悪魔の策略に対抗して立つことができるように、神の武具を身に着けなさい。わたしたちの戦いは、血肉を相手にするものではなく、支配と権威、暗闇の世界の支配者、天にいる悪の諸霊を相手にするものなのです。」「霊の剣、すなわち神の言葉を取りなさい。」(エフェソ6:10-12、17)。悪魔の策略に対して、岩のごとく揺るがなかったイエスさま。み霊の力に満ちたイエスさまの生き生きとした姿を心に刻みます。

説教作成のヒント

・四旬節に入りました。イエスさまの受難と十字架の死に向かって、聖書の解き明かしも進みます。

・3つの誘惑の内容が記されていますが、悪魔はあらゆる誘惑でイエスさまを試みました。

・パンの誘惑(肉の弱さ)→命にとって必要なものは何か?イエスさまの答えはすべてみ言葉。

「神のパンは、天から降って来て、世に命を与えるものである」(ヨハネ6:33)。

・権力と繁栄(上昇への憧れ)に対して、天からこの地上へ降り、低きへ降る生き方を示されたイエスさま。へりくだり、まことの神を伏し拝む。

・神の愛を試みる(不信)に対して、父と子の親しい交わりに生きるイエスさま、父は子に、子は父に、まったき信頼を互いに示されました。

「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に敵う者」(ルカ3:22)。

・「時が来るまでイエスを離れた」(13)、イエスさまが十字架に架かる時が暗示されています。

悪魔(サタン)は再び登場し、イスカリオテのユダの中に入りました(ルカ22:3)。

豆知識

・「人はパンだけで生きるものではない」(申命記8:3参照)。

・「あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ」(申命記6:13参照)。

・「あなたの神である主を試してはならない」(申命記6:16参照)。

・イエスさまは、いずれも聖書の言葉で悪魔に答えています。しかし、悪魔も賢く、第3の誘惑では、聖書の言葉を用いて、イエスさまを巧みにだまそうとするのです。

・「神はあなたのために天使たちに命じて、あなたをしっかり守らせる。」(詩編91:11参照)。

・「あなたの足が石に打ち当たることのないように、天使たちは手であなたを支える。」(詩編91:12参照)。

・このことから、正しい聖書の読み方やみ言葉の用い方について、子どもたちと一緒に考えみるのもよいかもしれません。逐語霊感説の読み方ではなく、礼拝へ出席し、み言葉に聴く習慣を身に着けます。「文字は殺しますが、霊は生かします」(2コリント3:6)。「神は愛です」(1ヨハネ4:16)、聖書はみ霊で読み、愛の心で伝えます。

説教

洗礼を受けられたイエスさまは、聖霊によって、荒野へと導かれました。そこで、40日間、何も食べず、断食をして過ごされました。お腹はペコペコです。そこへ悪魔がやって来て言いました。「この石をパンに変えたらどうだ?」。私たち人間は、石をパンに変えることはできませんが、イエスさまは神の子で、神のみ力を持っていますから、石をパンに変えることもできたでしょう。でも、イエスさまは、奇跡のみ力を用いられませんでした。そして、「人はパンだけで生きるものではない」と聖書の言葉でお答えになりました。イエスさまは、人が生きるのに必要なもの、食べるパンよりも重要なもの、神の言葉(キリストのパン)があることを、悪魔に言ってやりたかったのです。マタイ福音書では、続けて「神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」(マタイ4:4)と、イエスさまははっきりと、み言葉のパンがあることをお示しになりました。

続けて、悪魔は、イエスさまを高いところへ連れて行きました。そして、世界のすべての国々を見せて言いました。「すべての権力と繁栄を与えよう。わたしを伏し拝んで礼拝するなら、すべてお前に与えてもいいぞ」。しかし、イエスさまは、そんな悪魔の嘘にはだまされません。世界をすべ治めておられるのは、神さまです。悪魔には、そんな力はありません。イエスさまは「あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ」と、聖書の言葉で言い返しました。そもそも、イエスさまは、もっと高いところから、父なる神さまのみ許から、この地上にメシア(救い主)の王として、降って来たのです。

すると、悪魔は今度は聖書に目をつけました。そして、悪魔も聖書の言葉でイエスさまに話しかけたのです。「神はあなたの天使たちに命じて、あなたをしっかり守らせる」「天使たちは手であなたを支える」。悪魔は、「神さまの愛が本物かどうか、ここから飛び降りて、試してみたらどうだ?」「本当に神の子なら、神さまが天使を遣わしてお前の命を守ってくれるだろう?」と言うのです。何と、ずる賢いのでしょう。しかし、イエスさまは、そんな嘘にはだまされません。

神さまの愛を試すなんてとんでもない。神さまは、私たち一人一人を愛しているに決まっているじゃないですか。そのために、イエスさまをお遣わしになり、イエスさまを十字架に架け、私たちの罪を贖ってくださったのです。それによって、私たちに、罪の赦しと永遠の命が与えられたのですね。イエスさまは、み霊の剣で「えい、やっ!」悪魔に一振り、「あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ」と言いました。悪魔は降参、イエスさまから離れて逃げて行きました。

(執筆:小勝奈保子牧師)

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)120番「どんなときでも」、改訂版51番「おなかのすいたイエスさまに」。

やってみよう

*用意するもの…メモ用紙(一人3枚)、筆記用具

イエス様が悪魔から誘惑は3つありました。

① この石をパンに変えたらどうだ

② 私を伏し拝んで礼拝するなら、すべての権力と繁栄を与えよう

③ 神様の愛が本物かどうか、高いところから飛び降りて試してみてはどうだ

この言葉を1枚の紙に一つずつ書き、それぞれの裏にイエス様の答えた言葉を書いてみよう。出来たら、一人の人が悪魔の言葉を言い、他の人がイエス様になって、イエス様の言葉を言う。交代でやってみよう。そして、私たちがもし、40日荒野で試練を受けたら、どんなものが欲しくなるか、そのために、悪魔はどんな言葉で誘惑してくるかな?話し合ってみましょう。

はなしてみよう

悪魔との対決です。悪魔はあなたを暗闇で包みひとりぼっちにさせました。

何と言って、悪魔を退治しましょうか?

聖書の中から自由に聖句を選んで、一人ずつ言ってみよう。