2022年2月13日 顕現後第6主日
ルカ6:17〜26 エレ17:5〜10 1コリ15:12〜20

今週の聖句

「貧しい人々は、幸いである、神の国はあなたがたのものである。」
ルカによる福音書6章20節

ねらい

私たちと同じ目線に立つイエス・キリスト

説教作成のヒント

上から目線のメッセージにならないように注意する。

貧しさを精神的な喩えに置き換えずに、それなのにどうして幸いなのかを考える。

豆知識

マタイによる福音書5章の山上の説教との並行箇所です。ルカによる福音書では平地の説教とも呼ばれています。いと高きところにおられる神と出会う特別な場所として山の上にキリストの姿を見るマタイに対して、いと高きところから地上に降りて人間と同じ立場になられたキリストの姿を見るルカという対比があります。そのため、ルカによる福音書では神が人となったクリスマスの出来事を重視して書かれています。

説教

「かわいそう」という言葉を聞いて、どう感じますか。誰かに「かわいそうだね」と言われると何だか嫌な気持ちになることがあります。自分のことを心配してくれているのだとは思いますが、どういうわけか、素直に受け取ることができません。逆に「かわいそうなんて言ってはいけないよ」と言われても、それはそれで嫌な気持ちになります。自分でもひねくれていると思いますが、おそらく、どちらの言葉も自分には関係ないことだと言われているような気になるのだと思います。昨年の東京パラリンピックでは障がい者スポーツが注目されました。障がいを持ちながら頑張って生きる人たちすごい!という話がたくさん出てきました。障がいのあるなしに関係なくみんな頑張って生きようとしているし、それでも頑張れない人だってたくさん居ます。障がいを持っている人には普通の生き方はできないという上から目線の考え方や、逆に障がいを持っているからこそ素晴らしい生き方ができるという不自然な持ち上げ方に違和感を覚えました。それと同時に、私たちが他の人と同じ立場に立って考えることの難しさ、同じ目線で世界を見ることの難しさを思い知りました。今日の聖書のお話ではイエス様が「貧しい人々は、幸いである、神の国はあなたがたのものである」と語っています。イエス様は神様でありながら人間と同じ立場に立って考え、同じ目線で世界を見ています。「貧しい人々は、幸いである」というのは決して上から目線でも不自然な持ち上げでもなく、フラットなところから語りかけている言葉です。それは必ず救いがあるという希望を語っているからです。あなたの貧しさや苦しみは私に関係ないことではなく、私自身のこととして受け止め、一緒に寄り添い、生きる道を開くとイエス様は語っています。

(執筆:多田 哲牧師)

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)107 番「イエスさまって」、改訂版132 番「きみがすきだって」。

やってみよう

︎︎☆ゲーム「幸いと不幸かるた」

今日の聖書箇所にある、4つの幸いと4つの不幸の言葉を上の句と下の句に分けて、カードに書きます。(例:上の句「貧しい人々は、幸いである、」、下の句「神の国はあなたがたのものである。」)カードを取り札と読札にして、かるたをしてみましょう。そのとき、意味を考えて話し合ってみましょう。

はなしてみよう

「かわいそう」という言葉を聞いて、どう感じますか。

どうすれば同じ目線になることができると思いますか。