TNG The Next Generation

2021年11月7日 全聖徒主日

福音書 ヨハ11:32~44
第一の日課 イザ25:6~9
第二の日課 黙21:1~6a

今週の聖句

「ラザロ、出て来なさい」
ヨハネによる福音書11章43節

ねらい

・イエスさまが、ラザロを生き返らされた出来事は、イエスさまご自身の十字架につながっています。また先に召された愛する方々を通して、私たちに与えられた数えきれないほどの恵みをおぼえつつ、いまここに生かされていることを感謝しましょう。

説教作成のヒント

・イエスさまがラザロを生き返らされてすぐ、《この日から、彼らはイエスを殺そうとたくらんでいた》(11章53節)と書かれています。またイエスさまご自身も《今、わたしは心騒ぐ。何と言おうか。『父よ、わたしをこの時から救ってください』と言おうか》(12章27節)とおっしゃっています。ゲッセマネの園で、《父よ、御心なら、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願いではなく、御心のままに行ってください》と、苦しみもだえながら祈られたイエスさまのお姿と重なります。《興奮された》という言葉と《心騒ぐ》という言葉は同じ動詞です。この御言葉に隠されている神さまの恵みの御業に、心から感謝をささげつつ、子どもたちに御言葉を取り次がせていただきましょう。

豆知識

・11月1日は「全聖徒の日」で、前日10月31日は「ハロウィン」(ハロウィーンとも)です。「ハロウィン」はアイルランドやイギリスで始まった風習で、「全聖徒の日」の前日に、天国に召された人々の霊が愛する家族のもとに帰ってくると考えられました。日本のお盆とよく似た風習ですね。ふだんは遠くに住んでいる家族も、この日には故郷の町に帰ってきました。ですからルターは、多くの人々に見てもらうために「95箇条の提題」を教会の扉に掲げました。それで10月31日は「宗教改革記念日」でもあります。

説教

きょうは「全聖徒主日」です。皆さんの目の前には、先に天国に帰られた方々のお写真が飾られているかもしれません。イエスさまと共に生涯を歩まれ、いま、神さまの御もとで安らいでおられるこれらの方々をおぼえて、わたしたちは礼拝にあずかっています。

イエスさまはマルタとマリア、ラザロのきょうだいを愛しておられました。病気になっていたラザロが亡くなったという知らせがイエスさまのもとにとどきます。マリアはイエスさまを見るなり、《主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに》と申します。彼女が泣き、一緒にいた人々も泣いているのをご覧になり、イエスさまが《心に憤りを覚え、興奮された》とあります。

イエスさまはいったい何に対して、それほどお怒りになられたのでしょうか。《わたしを信じる者は、死んでも生きる》(11章25節)というみことばを、人々が信じなかったからでしょうか。それとも人間にこんな悲しみをもたらす「死」に対してお怒りになられたのでしょうか。さらに《興奮された》とあります。すこし先で、《今、わたしは心騒ぐ。何と言おうか。『父よ、わたしをこの時から救ってください』と言おうか》(12章27節)の「わたしは心騒ぐ」と同じことばが使われています。今、ここでラザロを生き返らせることは、イエスさまご自身が十字架におつきになられて殺されることにつながります。しかしながらイエスさまは、父なる神さまの御心に従われました。父なる神さまから遣わされた救い主であることを人々に信じさせるために、父なる神さまに絶大な信頼を寄せてイエスさまは祈ってくださいます。そしてラザロを生き返らせてくださいました。

そして、《ラザロ、出て来なさい》と言ってくださいます。イエスさまは、すべての人々のために十字架について死んでくださり、代わりに私たちに「いのち」を与えてくださいました。私たち一人一人に対しても、

イエスさまご自身が「〇〇〇、出て来なさい」、「〇〇〇、起きなさい」と、私たちの名前を呼んでくださるときがおとずれます。イエスさまとご一緒にあゆませていただく幸いを心から感謝いたします。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より (今日は2曲ずつご紹介します)

旧版(1987年版)102番「イエスさまのおこえが」、117番「サウロよ」。

改訂版7番「イェスさま きょうもわたしを」、62番「サウロよ」。

やってみよう

☆聖書のお話を演じてみよう!

<配役>イエス様、マルタ、マリア、ラザロ、ナレーター

ナレーター「べタニアという村に3人の兄弟が仲良く暮らしていました。お姉さんはマルタ、妹のマリア、そして一番下の弟はラザロです。イエス様は、エルサレムに来られるときは、たいていこの兄弟たちの家に泊まられるので、いつも3人はイエス様が来られるのを楽しみにしていました。

(マルタ、マリア、ラザロ登場)

マルタ「私は家の中の仕事が好き!イエス様がおいでになったら、おいしいごちそうを作りましょう。」

マリア「私はイエス様のお話を聞くのが大好き!はやく、イエス様たち来られないかなぁ~。」

ラザロ「僕は、庭の手入れや大好きなお姉さんたちのお手伝いをするんだ。力仕事は、僕に任せて!」

(3兄弟、一旦退場。)

ナレーター「ところが、ある時ラザロが重い病気にかかりどんどん悪くなりました。マルタとマリアは、イエス様に使いをやり、助けを求めましたが、イエス様が到着された時には、すでにラザロは亡くなっていました。

(イエス様、登場。マルタ、マリアは泣いている。)

マリア「イエス様がいてくださったら、弟のラザロは死ななかったでしょうに。」

ナレーター「「イエス様は、3人の姿をやさしく見ながら涙を流されました。」

イエス様「もし、信じるなら、神さまの栄光を見られると言っておいたではありませんか。神さま、私の願いを聞き入れてくださって感謝します。これは、人々に神さまが私をこの世におつかわしになったことを信じさせるためです。」

(大声で)「ラザロ、出てきなさい。」

ナレーター「お墓の中から、ラザロが立って出てきました。マルタもマリアも大喜びで、イエス様にお礼を言いました。イエス様は、私たち一人ひとりを愛してくださっています。そして、死んでしまったラザロさんをもう一度生き返えらせることができました。」

はなしてみよう

・イエスさまは「涙を流された」とありますが、このときイエスさまのお気持ちはどんなお気持ちだったのでしょうか?

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