イエスさまが、いついかなる時でも私たちと一緒にいてくださるキリスト(救い主)であることを信じる。
ガリラヤ湖を舞台にしたイエスの奇跡物語は、福音書に幾つか収められている。『マルコ福音書』にも他にイエスによる湖上歩行の奇跡物語(6章45節〜52節)がある。そこでは、イエスは弟子たちと別行動を取っておられ、後から彼らの舟に乗り込む。しかし、今日のテキストではイエスは最初から弟子たちと同じ舟に乗っておられる。にもかかわらず、弟子たちは危機が及ぶにつれ我を失い、イエスのように平安を保つことができない。そのような不信仰な弟子たちであっても、イエスは彼らの願いを聞き入れ、奇跡を起こされる。イエスの愛と慈しみに満ちた奇跡物語であることを伝えたい。
ガリラヤ湖はイエスが宣教活動を展開したパレスチナ北部にある湖。南北20キロメートル、東西12キロメートル、水深は最大で228メートルである。湖一帯は風光明媚で、漁業も盛んに行われていた。イエスの最初の弟子であるペトロとアンデレ、ヤコブとヨハネの兄弟はかつてこの湖の漁師だった。夕刻になると湖からの涼風が吹いたが、峡谷を吹き下ろす強風のために天候が急変することもあった。この日のテキストも、そのようなこの地特有の気象条件が反映されていると思われる。
皆さんはボートやカヌーに乗ったことがありますか?イエスさまとお弟子さんたちも、人々に神様のお話しをしに行ったり、困っている人を助けにいくために、よく小さな舟に乗りました。イエスさまが住んでいた所にはガリラヤ湖という大きな湖があり、向こう岸に行くためには舟に乗った方が早かったからです。ガリラヤ湖ではお魚もたくさん取れました。イエスさまのお弟子さんの中にはもともと漁師だった人もいましたから、ガリラヤ湖のことはよく知っていたのです。
さて、イエスさまとお弟子さんたちがいつものように舟に乗って向こう岸へ渡ろうとした時のことです。急に激しい突風が吹いて、湖は大荒れ。波も高くなり、舟は水浸しになって沈みそうになりました。お弟子さんたちは大騒ぎ。どうしよう…助けて!ところが、イエスさまはと言うと、なんと大揺れの舟の中で昼寝をしていたのです。お弟子さんたちはイエスさまを起こして言いました。「先生、私たちが溺れても構わないのですか」。もちろん溺れていいわけがありません。それでイエスさまは起き上がると、風と湖に向かって、「黙れ、静まれ」と言いました。すると風はすっかりやみ、波も静かになって、いつもの穏やかなガリラヤ湖に戻ったのです。お弟子さんたちはすっかり驚いて、「風や湖も言うことを聞くなんて、イエスさまっていったいどなたなのだろう」と言いました。
今日のお話しのように、イエスさまはどんな時でも皆さんと一緒にいてくださいます。みんなが困り果てた時、悲しくて涙が止まらない時、大ピンチの時、いつもイエスさまはそばにいて助けてくださいます。だから、遠慮することなくイエスさまに「助けてください」と言っていいのです。イエスさまが一緒ですから、私たちは何も怖がることはありません。イエスさまを信じて、これからもイエスさまと一緒に歩んでいきましょう。
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
旧版(1987年版)119番「やさしいめが」、改訂版114番「やさしいめが」。
弟子たちに本当の信仰がない事をイエスさまはご存知でした。きっと弟子たちもドキッとしたことでしょう。礼拝の時や教会の中だけでなく、お祈りは、いつどこででも出来るのです。神さまに親しく話しかけるようなお祈りカードを作ってみましょう。
<用意するもの>
紙 (好みの色、大きさで。小さな子どもが書く場合は、大きめの方が良い。)
・「神さま、うれしいことがありました。」「神さま、今悲しいきもちです。」「神さまありがとうございます。」「神さま、こわい事があります。」など、はじめの一言をいくつか用意し、
その中から今の気持ちにピッタリなものを選ぶ。
・何を祈ってよいのかわからない時は、イエスさまが教えてくださった主の祈りがあります。結びにみんなで主の祈りを唱えても良いでしょう。
・嵐の中で大騒ぎした弟子たちと違って、なぜイエスさまは舟の中で眠っておられたのでしょう?
・弟子たちは風と湖を従わせたイエスさまを見て、「いったい、この方はどなたなのだろう」と互いに言いました。あなたは、イエスさまをどんな方だと思いますか?