神の国の成長の豊かさを伝える。また一人一人にも測り知れない神の恵みが注がれていることを伝える。
『マルコ福音書』の4章は、種のたとえで溢れている。1〜9節は「種を蒔く人」のたとえ。13〜20節はそのたとえの説明。そして26節〜29節が「成長する種」のたとえ。30節以下は「からし種」のたとえ。一粒の種に与えられた生命力と、その種を蒔く(宣教する)者の大切さが全体を通して語られている。イエスはしばしばこのように私たちの生活の座から理解できるようなたとえを語られた。したがって説教者も、淡々とたとえ話の内容を伝えるだけでなく、自身の体験も踏まえつつ身振りや手振りも使って生き生きと話されたい。
からし種とは、パレスチナで自生または栽培されるクロカラシの種子。一粒の大きさは0.5ミリ程度だが、成長すると茎の高さは3〜4メートルにもなる。4〜6月頃、黄色の十字花をつけ、その種子は黒色。種子は香辛料として重要な商品となる。
皆さんは何かお花のお野菜の種を蒔いたことがありますか?種ってどれも小さいものばかりですね。その小さな種を土の中に蒔いてしばらくすると、何が出てくるでしょう?芽ですね。芽が出たら嬉しいでしょう?やったー、芽が出たー、早く大きくなーれ、と言って、一生懸命お水をあげたり、肥料をあげたりしますね。あ、あとお祈りもするかな?神さま、早く大きくなりますように!って。
芽が出たら、次は何がでてくるかな?茎が伸びて、グングン大きくなって、葉っぱもたくさんついて、そして待ちに待っていたお花が咲く。実が実る。これって、すごいことだと思わない?だって、あんなに小さかった種がこんなにも大きくなって、綺麗な花をたくさん咲かせ、実をいっぱいつけるのですから。小さなたった一粒の種に、そんなにも大きな力を神様は与えてくださっているのです。
みんなは「からし種」を見たことあるかな?吹けば飛んでしまうような小さな種です。でも、その種を蒔くと、みんなの背の高さを軽々越えるくらい大きくなり、黄色の十字架のような花が咲き、黒からしの実がたくさん取れるのです。イエスさまは、そんな小さなからし種を神さまの国にたとえられました。「神の国を何にたとえようか。それは、からし種のようなものである。土に蒔く時には、地上のどんな種よりも小さいが、蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。」葉っぱの陰に鳥が巣を作れるほど大きな枝になるなんて、からし種ってすごいね。
みんなも小さなからし種から、やっと芽が出たところかもしれませんが、神さまの恵みをいっぱいいただいて、どんどん大きくなって行きます。そしていつの日か、神さまの喜ばれる花をいっぱい咲かせ、実をたくさん結ぶ日が来るでしょう。楽しみにしていますね。
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
旧版(1987年版)9番「めぐみうけて」、改訂版9番「めぐみうけて」。
とても小さな種が、やがて成長して花を咲かせるのには神さまの業があることを実感できるような体験をする。小さな種に秘められている、力強い生命力は、神さまによって成長するのだということを知る。数ヵ月後に食べられるトマトなどの野菜も楽しい。
<用意するもの>
種(できるだけ小さなもの)
小さな植木鉢土、培養土 など。
・毎日誰かが水やりなどの世話ができるようにし、折に触れ、成長をみんなで見守る。
・神の国とはどんな国だと思いますか?
・神の国についてイエスさまがたとえておられる話しを他にも探してみよう
・あなたが成長するには何が必要でしょう?