2020年11月15日 聖霊降臨後第24主日
マタ25:14~30 ゼファ1:7, 12~18 1テサ5:1~11

今週の聖句

「忠実な良い僕だ。」
マタイによる福音書25章21節

ねらい

失敗を恐れず神さまから与えられた賜物を用いることを教える。

説教作成のヒント

この譬え話のポイントは、積極的に預かったタラントンを用いた前者の2人と消極的だった最後の1人の対比にあるでしょう。そこで、何がこの両者を分けたのか、と言えば、最後の人の主人に対する不信感にあったと思われます。つまり、失敗への恐れです。神さまは御心に従おうとして積極的に生きようとする者がたとえ失敗をしたとしても、それを必要以上に咎め立てなさる方ではないでしょう(過ちをお叱りになることはあっても)。失敗を恐れ、石橋を叩いて渡るような人間ではなく、もっと大らかな信頼感をもって積極的に生きる人間へと成長していってもらいたいと思います。

豆知識

・このタラントンを積極的に用いた前者二人は、それぞれ成果は異なっていたとしても、その評価が全く同じというところに何か深い意味を感じます(ルカの並行箇所と比較してみてください)。そして、この両者に共通している「主人を喜ばせたい」といった動機も大切な視点でしょう。

・1タラントンは6千デナリオンに相当します。そして、1デナリオンは労働者の1日分の賃金に該当しますので、6000日分(約20年)の賃金ということになります。多いものはその5倍、真ん中の者は2倍、一番少なくともこの額ですので、相当に大きな金額になることが分かります。

説教

みんなはどんな時に、お父さんやお母さんに褒められるのかな。お手伝いをしたとき? ちゃんとお片づけができたとき? テストで良い点が取れたとき? 運動会で一生懸命に頑張ったとき?

じゃあさあ、どんなときに叱られる? 兄妹喧嘩をしたとき? 言いつけを守らなかったとき? 約束を破ったとき? お父さんお母さんの言うことを聞かなかったとき?

う〜ん、確かにいっぱい怒られちゃうことってあるよね。でもね、一生懸命にがんばったのに失敗をしちゃったときって、そんなに怒られるかな。きっとさっきみたいに、喧嘩をしちゃったときや約束をやぶっちゃったときのようには怒られないんじゃないかな。だって、お父さんお母さんはちゃんと君たちが頑張ったことを知っているから。

今日の聖書のお話の中にも、神さまに褒められた人と、逆に神さまに叱られちゃった人のことが書いてあったよね。褒められた人たちは、神さまから与えられた賜物…、ちょっと難しい言い方になるかもしれないけれども、能力や才能…、君たちにもいろんな良いところがあるでしょ、できること、得意なことが一杯…、そういった賜物(プレゼント)を用いて、これをしたらきっと神さま喜んでくださるかなって思って一生懸命に頑張った人が褒められたんだよね。逆に、叱られちゃった人は、これをしたら神さまきっと怒るよな。神さま怖いものな。怒られたら嫌だな。失敗したらどうしようって、ビクビクして何も出来なかった人のことを神さまは叱られたんだ。

そうだよね。神さまだってちゃんと見ていてくださるもの。たとえ失敗しちゃっても、ちゃんと頑張ろうと思って失敗しちゃったら、大丈夫だよ、ちゃんと分かっているよ、と言ってくださるのだと思うよ。一番良くないことは神さまを怖がって何もしないこと。大丈夫だよ。神さまは僕たち(私たち)のことをいつも大切に思っていてくださるんだからね。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版(1987年版)120番「どんなときでも」、改訂版129番「どんなときでも」。

やってみよう

☆「タラントン(賜物)」探し

まず、自分の良いところを紙に書き出してみよう。そのあと、お友だちひとりひとりの良いところも紙に書き出してみよう。最後に答え合わせのように、お互いの紙を見せ合おう。自分が知らなかった良いところ、「タラントン(賜物)」が見つかるよ!

はなしてみよう

神さまに褒めていただくためにはどうしたらいいと思う? みんなで話し合ってみよう。