2020年8月2日 平和主日
ヨハネ15:9~12 ミカ4:1~5 エフェ2:13~18

今週の聖句

「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい」
ヨハネによる福音書15章12節

ねらい

・イエス様の示される愛は、良いことも悪いことも全てを包含した言葉です。その人へと全存在をかけて向けられた言葉です。私たちの内にイエス様が示された愛が現われゆくということは、“神さまから愛されている大切な私”が“神様から愛されている大切な隣人”へと心と思いを向けてゆくということです。

説教作成のヒント

・この日は平和主日として日課が与えられていますから、平和と愛について考えてみるとよいのではないでしょうか。イエス様が語られる愛が実現する所には、平和も実現してゆきます。イエス様の語られる愛、すなわち隣人へと思いと心を向けた愛が満ち溢れる場所には平和も満ち溢れてゆきます。

豆知識

・聖書にはいくつかの愛が登場します。深い友情に示される愛(フィリア)、家族の間で示される愛(ストルゲー)、肉欲的な愛(エロース)、そして無償の愛(アガペー)です。イエス様が人々に向けられた愛は、アガペーの愛でした。こちらが愛するからあなたも…ではないのです。愛する代わりにこうしてくれ…でもないのです。神さまがイエス様を愛され、そして私たちを愛されるのもアガペーの愛です。福音書日課(ヨハネ15:9‐12)に6度も出てくる愛は、全て原語ではアガペーとなっています。

説教

今日は平和主日という名前のついた日曜日です。平和についてお祈りしたり、考えたりする日曜日です。皆さんは、平和という言葉を聞いたことや使ったことがありますか?みんなが仲良しでいる、苦しんでいる人や嫌な思いをしている人が一人もいない、そんな時を平和と言うのだと思います。みんなが仲良しでいるために必要なことはなんでしょうか?優しくすること、困っていたら助けてあげること、意地悪をしないこと…。考えてみると、仲良しでいるために必要なことはたくさんありますね。その全部を一言で言うならば、それはお友達を愛する、ということです。

イエス様は、わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。と言っています。イエス様は、私たちのことを愛してくれているのです。愛するということは、どういうことを言うのでしたっけ?優しくすること、困っていたら助けてあげること、意地悪をしないことです。では、イエス様はどんな風に私たちを愛してくれているのでしょうか。

みなさんは、学校や幼稚園、保育園でお昼になったら給食やお弁当を食べると思います。お腹が空くからです。そしてお昼ご飯を食べて、また元気にお勉強したり遊んだりできるようになります。では、お昼ご飯を食べている時に、ご飯を作ってくれている人の顔を思い浮かべたことがありますか?お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、給食室の先生。色んな人が私たちのお昼ご飯を大切に作ってくれています。そこには、美味しさももちろんですが、元気でいて欲しい、お腹一杯になって欲しいという気持ちが込められています。私たちはその気持ちを受け取って、元気になります。元気になった皆さんは、お友達と楽しく遊ぶことができるようになります。色んな人からパワーをもらって、そのパワーを誰かのために使うことができるのです。きっと、お昼ご飯を作ってくれている人の顔や気持ちを思い浮かべることができたら、そのパワーは何倍にも大きく、そして優しくなるのではないでしょうか。

イエス様の愛も、私たちがお友達に優しくするために注がれています。みんなのことが大切だからです。みんなのお隣に座っているお友達のことも、イエス様は大切に思っています。みんなと同じように大切なのです。私たちはイエス様が大切にしてくださる気持ちを受け取って、思い浮かべながら、イエス様が大切にされているお友達を大切にしたいと思います。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

旧版106番「イエスさまは」、改訂版34番「キリストのへいわ」。

やってみよう

1. 鳩の形に画用紙を切る。

2. 平和=みんな仲良くなるために、イエス様に祈りたいこと、お願いしたいこと、伝えたいことを書いてみよう。

3. あらかじめ(子供たちと一緒に作ってもいい)大きな木を作り、そこに『イエス様』と書く。その木に鳩を貼って飾る。

*お家で制作するときは、お家の人と木を作って、みんなで鳩を飾りましょう。

はなしてみよう

・皆さんの考える“平和”とは、どういう状態でしょうか。(絵で描いてみてもいいかも知れません)

・では“平和”の反対はどういう状態のことを言うのでしょうか。

・平和をイメージしたとき、そこには誰がいますか?

・自分以外の誰かがそこにいるとしたら、それは誰で、どうしてですか?

・平和と愛、重なる部分があるとした、どういう部分でしょうか。