2020年6月21日 聖霊降臨後第3主日
マタイ10:24~39 エレ20:7~13 ロマ6:1b~11

今週の聖句

「わたしのために命を失う者は、かえってそれを得るのである。」
マタイによる福音書10章39節b

ねらい

「命」について考え、それを失うこと、それを得ることを知る。

説教作成のヒント

1)「イエスさまのために命を失う」とは、どういうことか。

2)「命」を、例えば「大切なもの」「自分の時間」などに置き換えるとわかりやすいかもしれません。

3)「それを得る」ということから、イエスさまが教えているのは、「命」は与えられているものだということ。

豆知識

「得る」と訳されているギリシャ語は、「見つける」(例えばマタイによる福音書18章13節)と訳されている言葉と同じ。

説教

「にじいろのさかな」という絵本があります。

深い海の中に、一匹のさかながいました。それは青や紫のウロコのあいだにところどころ銀のウロコをもつ他にない美しい魚でした。

ある日、小さな青い魚が「おねがいだからきみのそのきらきらうろこを 1まい おくれよ」と言いました。にじうおは相手にせず、「とっとと あっちへ いけ!」と叫んで追い払いました。その噂は他の魚たちにもひろまり、にじうおは一人ぼっちになってしまいます。

「ぼくはこんなにきれいなのに、どうしてだれにもすきになってもらえないんだ?」というにじうお。ヒトデは彼にかしこいタコのおばあさんを紹介します。

海の底へ行き、タコのおばあさんに相談すると「きらきらうろこを 1まいずつ、ほかのさかなにくれてやるのじゃ」と言われます。なによりも大事なうろこをあげて幸せになれるはずがないと思っていたにじうおは戸惑います。

すると、青い魚がにじうおを呼び止めました。うろこをおくれ、と言います。にじうおは一枚はがしてやりました。青い魚はとても喜び、その噂は海じゅうに広まりました。にじうおはウロコをはがしてやるたび、楽しくなってきました。一番の宝物をあげてしまって、一番きれいな魚ではなくなったにじうお。でも、おともだちのうれしそうな顔を見て、初めてとても幸せな気持ちになるのです。

「命」、自分の一番大切なものと言い換えていいかもしれません。にじうおにとってそれは、美しいウロコでした。それは素晴らしいウロコでしたが、その美しいウロコは、にじうおの心を頑なにし、にじうおはひとりぼっちになっていったのでした。にじうおにタコのおばあさんが教えてくれたのは、自慢のウロコを1枚ずつだれかにあげるということでした。自分の命とも言える美しいウロコを独り占めすることではなく、それをみんなと分け合うとき、にじうおは本当に大切なものを得たのです。にじうおにとって、美しいウロコが命であったのではなく、本当に大切なもの、命とは、周りの友だちであり、自分に与えられたものをその友だちと分かち合うことであったのです。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□141番、改訂版108番 「ウリエイウッソン」

やってみよう

☆<教会でやってみよう>

みんなもにじいろのさかなになろう!

1.画用紙に魚をかこう

2.うろこを作ろう(セロハンや折り紙、紙にうろこを1枚ずつ描いて切り取ってもok)

3.1の魚に作ったうろこを置き、オリジナルのにじいろのさかなの完成!

4.置いたうろこを1枚ずつ、お友だちや先生にあげよう

5.あげた時の気持ちはどうかな?もらった時の気持ちはどうかな?


☆<おうちでやってみよう>

1~3までは、教会でやってみようと同じです。

置いたうろこを家族にあげて、どんな気持ちになるか考えてみよう。もしくは、自分のうろこを誰かにあげると想像して、どんな気持ちになるか考えてみよう。

はなしてみよう

1)一番大切なことは何ですか?

2)独り占めにしないで、誰かと分かち合ったとき、何を得ると思いますか?