・金曜日の午前9時に十字架につけられ(マルコ15:25)、その日の午後3時頃に死なれたイエス様は、その日のうちに墓へ葬られました。イエス様が死んで三日目の(死んだ日を一日目と数えるので、二日後の)日曜日に、二人の女性がイエス様のお墓を訪れました。
・しかし墓にはイエス様がおられません。天使が現れ、復活なさったのだと女性たちに語ります。
・復活したイエスは、ガリラヤに行かれます。それは、イエスが生前に語っていたことでした(26:32)。ガリラヤに行けば、そこで再びお目にかかれるだろう、そのことを弟子たちに伝えなさいと、天使は女性たちに命じます。女性たちは、メッセンジャーとしての仕事を託され、行き先を示される。
・「恐れるな」というメッセージは、今の子どもたちにとって、にわかには信じ難いかもしれません。なぜなら、「恐怖心を持つこと」「怯えること」「上の顔色を窺うこと」は、大人たち自身がやっていることですし、それを子どもたちにも強制しているからです。「勇気を持たないこと」の方が、成功体験につながりやすいのです。学校でも、「恐怖心を植え付ける」ことの方が熱心で、「勇気を持たせること」には消極的ではないでしょうか。しかしスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチ(Youtubeで見れます)では、「最も重要なのはあなたの心と直感に従う勇気を持つことである」と言っています。大切なのは「心と直感」ではなく、「心と直感に従う勇気」です。
・今回の聖書箇所はマタイによる福音書です。比較のためにマルコによる福音書の最後の部分(16章8節)を見ますと、女性たちは恐れ、逃げ去ったとあります。一方、マタイによる福音書の今日の場面では、恐れだけでなく、喜びを持って走って行った、とあります。
・2節の「石」とは、円盤状の巨大な岩のことです。当時、墓として用いられる洞穴の入り口を閉じるために用いられました。
・「復活なさった」というのは、「起き上がらせられる」という受動態です。自力で起き上がるのではなく、他者から起き上がらせられるという、受動形です。キリストも、自力で起き上がる(復活する)のではなく、父なる神さまによって起き上がらせられました。
・イエス様が十字架にかかられる前に「復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く」と言っていたのはマタイ26:32においてです。
・ガリラヤへ行くことは、信仰の原点に戻ることです。ガリラヤは、弟子たちがイエス様から呼ばれた場所であり、イエスが教え、あらゆる病気や患いを癒された場所です(マタイ4章~5章)。そこへ生き、イエスに再会するようにという伝言が女性たちに託されたのです。それは挫折した弟子たちに、イエスとの出会いの場・信仰の原点へと戻って再出発するように、という呼びかけなのです。
・復活とは、「からだのよみがえり」です(使徒信条より)。復活したイエス様にはからだがあり、女性たちはその足に抱きつきました。
皆さんは、何かを「恐い」と思ったことがありますか? 恐いと、「これをしなきゃ」と思ってもできなくなったり、逆に「これをしちゃだめだ」と思ってもしてしまうことがあります。
大人でも、恐いことってあります。ものすごく恐い思いをしたことのある人は、他の人にも「勇気を持っちゃだめだ。怯えていると『いいこと』があるよ!」と言います。「恐い!」という気持ちは、他の人に伝わってしまうのです。そして、みんな勇気がなくなってしまいます。
イエス様のお墓を見に来た二人の女性たちは、そこにイエス様の死体がないことに気付いて驚きました。そして、天使から「あの方は、ここにはおられない」と言われます。イエス様は復活したから、弟子たちのところへ言ってそのことを伝えてねと言われました。女性たちはびっくりしましたが、本当に死体はそこになかったので、喜んで弟子たちのもとに走って行きました。すると復活したイエス様と出会い、「平安あれ」と声をかけられ、その足に抱くこともできたのです。
死んだ人がよみがえったら、びっくりしますよね。恐いと思うかもしれません。死んだ人が復活しただなんて誰かに言ったら、「そんなことあるわけがないじゃない。あなた、おかしいよ」と言われてしまうでしょう。女性たちも、「イエス様が復活したなんて伝えて、信じてもらえるかなぁ」という気持ちがあったかもしれません。でも、天使とイエス様から言われた通りに女の人たちはしました。そうすることで、落ちこんだ人たちに、「心配ないよ、イエス様はよみがえったのだから、それを信じて私たちももう一回頑張ってみようよ」と呼びかけたのです。
「あの方は、ここにはおられない」という言葉は、ちょっと寂しい感じの言葉です。でも、それはイエス様が復活したことを知らせる、喜びの言葉なのです。
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
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改訂版 86
(用意するもの) ゆでたまご(食紅などで着色したものが望ましい)×人数分(以上)
<準備>
スタッフは、部屋や外などに、たまごを隠します。
この際、簡単で良いので隠した場所のメモを作成しておきます。
<探索>
こどもたちは、たまごさがしを行います。
人数に対して多数のたまごが用意されていない場合、1つ見つけたらそれでおしまいです。
みんなが自分のたまごを見つけたら、大事に持って帰りましょう。
<注意>
かならずその日に食べるよう、指導しましょう。
次週の教会カバンから発見されると……。
また、隠した卵も必ず回収しましょう。
後日ふとした拍子に発見すると……。
(なお筆者はどちらも経験しています)
(Lv.1)今日は、なんというお祝いの日でしょう。(答え:イースター)
(Lv.2)イエス様のお墓に、一番最初に行ったのは誰? (答え:マグダラのマリア)
(Lv.3)その人が見つけたお墓は、空っぽでした。なんででしょうか?(イエス様は復活したから)
(Lv.4)このことをイエス様が予告した箇所がありました。それはどこでしょう。正解は何箇所かあります。ヒントは、そのうち一箇所は3月12日の福音書です。(答え:マタイ16:21、17:23、20:19、ルカ9:22、18:33、24:7)
(Lv.99)イエス様が葬られたのは、金曜日の夕方。みんなが駆けつけたのは、日曜日の朝早く。いったいなんで、土曜日には誰も何もしなかったのでしょう?(答え:土曜日は安息日で、何もしてはいけない日だったから)
・「復活」という言葉にを聞くと、皆さんはどのようなことをイメージしますか。
・来週の聖書箇所には、イエス様が復活したことを信じられない、トマスという人が出てきます。イエス様が復活したって、みんなは信じられるかな?
・「ハンカチ落とし」をしてみませんか。ハンカチを落とされても、それは見えないし、音も聞こえません。にもかかわらず「自分にハンカチが落とされた」ことに気づけるのは、なぜでしょうか。