2019年12月22日 待降節第4主日
マタイ1:18-25 イザヤ7:10-16 ローマ1:1-7

今週の聖句

見よ、おとめが身ごもって男の子を生む。その名はインマヌエルと呼ばれる。
マタイによる福音書1章23節

ねらい

・ヨセフがマリアを受け入れるには葛藤があった。その葛藤の中で、神さまがヨセフとマリアに道を開いてくださったこと、そこから救いの歴史を作ろうとしてくださったことを知る。

説教作成のヒント

・聖句は旧約聖書イザヤ書7章14節からの引用。「おとめ」は処女というより「未婚の若い女性」という程の意味ととらえてよい。神さまは私たちの常識を超えた形で、わたしたちに恵みを与えられる。

・当時、結婚前に身ごもることは大変に非常識なことであり、シングルマザーや結婚前にこどもができた夫婦に対する社会の風当たりは厳しかった。ヨセフは最初、マリアとの縁を切ろうとしたが、それはヨセフにとって、マリアを石打の刑にさせないための苦肉の策であった。人の目から見れば、マリアの妊娠はヨセフに対する裏切りである。

・神のお告げによって、ヨセフはマリアを受け入れることを決意する。マリアを受け入れることはヨセフにとってもマリアにとっても、茨の道を歩むことだったはずである。しかし、ヨセフが、(おそらく疑いや不安を抱えながらも)、いのちに対する愛と、わたしたちの思いを超えて働いてくださる神への信頼をもってマリアと子を受け入れることを決意したとき、旧約聖書の救いの約束が実現した。

豆知識

・当時、婚約・結婚をしていながら他の男性と関係を持った女性は、人々の間に引き出され、石を投げられ撃ち殺されなければならなかった。妊娠がまだ知られていないうちにこっそり離縁をし、マリアがどこかよそのところに行けば、シングルマザーとしての苦労はあるだろうが、死に値する罪には問われないのである。

・夢は、自分でコントロールすることが難しいところから、神が見せてくださるもの、神から人へのダイレクトな働きかけだと考えられていた。ここでのヨセフへのメッセージが「夢」であったことは、葛藤するヨセフに、人の思いを超えたところから、神が打開の道を開いてくださったことを意味する。

説教

 あと二日で、いよいよ嬉しいクリスマスです。楽しみですね。

いちばんはじめのクリスマスのときは、どうだったのでしょう。マリアさんのお腹の中に赤ちゃんがいるとわかったとき、ヨセフさんはどれくらい嬉しかったのでしょうか。実はそのとき、ヨセフさんは喜んだのではなく、悩んだのだそうです。それは、自分と結婚するはずのマリアさんのお腹に、自分の子供ではない赤ちゃんがいると知ったからです。マリアさんは自分と結婚する予定だったのに、先に他の人と結婚してしまったのかな?

普通だったら、マリアさんのことを怒ってしまうかもしれませんね。「マリアさんがこんなことをしたんですよ!」とみんなの前でマリアさんを怒ったりする権利もヨセフさんにはありました。けれどもヨセフさんは、だからといってマリアさんに悲しい思いをさせたくありませんでした。ですからヨセフさんは、悩んで苦しんで、どうしたらマリアさんを悲しませないで済むかなあと一生懸命考えていたんです。

そうしたら、そのヨセフさんに、なんと夢の中に天使があらわれて、こう言ったのです。

「ヨセフさん、怖がらないで、そのままマリアさんと結婚しなさい。神様の力によって、マリアさんは赤ちゃんを身ごもったんですよ。マリアさんのマリアさんのお腹の中の赤ちゃんは、世界の人たちへの神さまからのすばらしい贈り物なんですよ。」ヨセフさんは、この天使の言葉から元気をいただきました。そして、マリアさんと結婚して、お腹のイエス様のお父さんになろう、と決めたのです。ですから、ヨセフさんとイエス様は血がつながっていません。でも、ヨセフさんは、神さまのお約束を信じて、イエス様と家族になりました。

  「神さまが一緒にいてくださるから大丈夫」「神がわれわれと共におられる」このことを「インマヌエル」といいます。ヨセフさんとマリアさんが結婚するのにはたくさんの心配や不安がありましたけれど、「インマヌエル」の神さまが、その真ん中で助けてくださいました。そして生まれてくるイエス様は、ヨセフさんとマリアさんだけではなく、すべての人の救い主となられたのです。ヨセフさんとマリアさんをとおして、神さまはとってもとっても大きくてすばらしいことをなさいました。これが「わたしたちと一緒にいてくださる」、インマヌエルの神さまのお働きです。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□18番 「そらには てんしの」

□改訂68番 「かいばおけにねむる」

やってみよう

☆クリスマスのヒミツのみことばを探そう!

①イ・ン・マ・ヌ・エ・ルを一文字ずつ書いたカードを教会のあちこちに隠しておく。

②6枚のカードを探しだして、言葉にしよう。(聖書マタイ1:23)

③インマヌエルの意味を聖書から調べよう※1枚の厚紙に文字を書いて、パズルのようにバラバラに切ってピースにしてもおもしろい。

はなしてみよう

・マリアもヨセフも、みつかいの言葉にとても驚いたでしょう。でも、二人ともみつかいのことばを受け入れましたね。この時のマリアとヨセフの気持ちを考えてみましょう。