2019年11月24日 聖霊降臨後最終主日
ルカ21:5-19 イザヤ52:1-6 Ⅰコリント15:54-58

今週の聖句

忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい。
ルカによる福音書21章19節

ねらい

教会暦では最後の主日である。終わりということを心に留めつつ、先に目を向けて歩むことが大切である。

説教作成のヒント

励ましのメッセージと警告のメッセージの両面がここにはある。どんな反対者でも、対抗も反論もできないような言葉と知恵を、わたしがあなたがたに授けるというイエス様の励ましの言葉、そして、ある人たちが、神殿が見事な石と奉納物で飾られていることを話しているという箇所で人は目に見えるものの立派さに心を奪われてしまうことが多いからこそキリスト者が何を見るのかに注意するよう命じられている。

豆知識

忍耐と訳された言葉の元の意味は「下に留まること」。ただじっと我慢するというよりも、「神さまのもとに踏み留まること」と言ってもよい。

髪の毛の一本…ごくわずかなもの、ほんの小さなもののたとえ。

説教

今日で教会の一年は終わりで、来週から新しい一年が始まります。終わりと聞くとわくわくするでしょうか。それとも少し悲しい思いでしょうか。どちらかと言えば悲しい思いがあるかもしれませんが、一つ学年が上がるために今のクラス、学年と別れるとしたらそれは希望を見ているから、寂しさの中にも喜び、楽しみもあるものでしょう。

 アシジの聖フランシスコにこんなエピソードがあります。ある日、フランシスコは修道院で兄弟の修道士と一緒に庭で働いていました。兄弟が「もし、今晩、世の終わりが来ると知ったら、あなたは何をしますか」と尋ねたそうです。フランシスコは「庭で仕事を続けます」と答えました。世界が滅びるのに、いつもと同じこと、仕事、特に畑仕事をしても意味ないように思いますが、それは絶望的なように見えても、神さまを信じ、希望をもって歩んでいきます。与えられた一日一日を忠実に生きていくという思いなのでしょう。

 イエス様は「忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい。」と言われます。「忍耐」と訳された言葉の元の意味は「下に留まること」です。ただじっと我慢するというよりも、「神さまのもとに踏み留まること」と言ったらよいです。この神さまとのつながりこそが、決して傷つけられることのない本質的な部分なのです。どんな時も神さまと共にあること、離れないことが忍耐なのです。

 そして、命を勝ち取るです。これは命を長くするということでは当然ありません。「生命の量」の問題よりも、神さまに与えられた日々をどう充実して生きるかという「いのちの質」が問われるのです。過ぎ去るもの、滅びゆくものばかりに目を留めるのではなく、神さまが知恵と励まし与えてくださることに感謝し、多くの人を喜ばせる生き方をしていきましょう。信仰と、希望と、愛という一番大切な実をならせていきましょう。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□90番 「うたいましょう」

□改訂126番 「うたいましょう」

やってみよう

はなしてみよう

・忍耐=我慢することは大変ですよね。みんなはどんなことに我慢したことがあるでしょうか?

・最後まで我慢できたとき、どうしてできたのでしょうか。

・「忍耐によって、・・」イエスさまのお言葉はどういうことでしょうか。