2019年2月10日 顕現節第6主日
ルカ6:27-36 創世記45:3-15 Ⅰコリント14:12-20

今週の聖句

あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。
ルカによる福音書6章36節

ねらい

人は愛された経験を持って他の人を愛することができる。神があなたを憐れみ深く愛していることを伝える。

説教作成のヒント

憐れみ深い者になりなさいという道徳的な命令としてではなく、憐れみ深い者とはどういう者かを考える。

豆知識

日本の諺で「情けは人の為ならず」というのがあるが、今日の聖書箇所に書いてある「あなたがたは敵を愛しなさい。人に善いことをし、何も当てにしないで貸しなさい。そうすれば、たくさんの報いがあり、いと高き方の子となる」という言葉に考え方が共通している。どちらも、人に善いことをするのは、その人のためというよりも、むしろ自分のためになるということである。何か自分にメリットが無いと人に優しくできない人間の現実を言い表しているとも言えるが、聖書では何のメリットが無くても人を愛する神の愛が強調される。

説教

イエス様は「あなたがたを憎む者に親切にしなさい。悪口を言う者に祝福を祈り、あなたがたを侮辱する者のために祈りなさい」と言います。でも、これらのことは本当にとても難しいことです。悪口を言われたら言い返したくなります。殴られたら殴り返したくなります。大事なものを奪われたら、相手の大事なものを奪い返してやろうと思ってしまいます。思うだけなく、実際に仕返しをしてしまうと、今度は相手がまた自分に仕返しをしてくるかもしれません。そうしたら、こっちもまた仕返ししたくなります。人と人との場合は、誰かが止めに入るでしょう。しかし、国と国とがこれをやり始めると戦争になります。戦争になると、どちらかが徹底的に打ちのめされるまで終わりません。しかも、戦争が終わっても憎しみは続き、なかなか仕返しの種は消えません。誰かを憎み続けることは自分にとっても良くありません。憎み続けるにはエネルギーを使いますから、体にとっても良くありませんし、負の感情は心を蝕みます。誰かを憎んだり、悪口を言ったり、侮辱したりすると、実は相手を傷つけるだけではなく自分自身も傷つきます。だから、イエス様は「あなたがたを憎む者に親切にしなさい。悪口を言う者に祝福を祈り、あなたがたを侮辱する者のために祈りなさい」と言います。それは、あなたに悪いことを我慢しろと言っているのではありません。あなたの体や心が負の感情に蝕まれて傷つくことを神様は望んでいないからです。神様はあなたを愛しているからです。人から悪口を言われたり、侮辱されたりして攻撃されている時に、その相手に親切にして祝福を祈るなんて、とてもできそうにありませんが、神様があなたを愛していることを思い起こしてください。「あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい」と書いてあるように、自分にはできないと思っても、神様の深い憐れみを相手にぶつけると思えば、ちょっとできそうな気がしませんか。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□56番 「かみよこのひ」

□31番(改訂版) 「主よ、おいでください」

やってみよう

☆世のため人のためカードをつくろう

<用意するもの>

トランプ位の大きさの紙(人数分)

①カードにどんなことをしてもらうと嬉しいか考えて1人1枚書いてみましょう。

②カードを裏向けにして、1人ずつ順番に1枚カードを取ってもらい、書いてあることを発表する。

③自分がひいたカードに書いてあることをこの1週間のうちに実行してみましょう。みんなの書いたカードを大きな画用紙などに貼っても良いですね。

神さまは、何もできない私たちに、聖霊の力を与えてくださいました。この聖霊の力によって、何もできない私をできる者へと変えてくださるのです。

はなしてみよう

・今日の聖書の中には、イエス様が「○○しなさい」という言葉がたくさん出てきますが、どんな事が書いてあるか聖書の中から探してみましょう。

・さて、みんなはイエス様の「○○しなさい」がいくつできるかな?(本当にはできない自分を自覚する。)

・憐れみ深い神さまとは、どんなお方か考えてみましょう。