2018年7月22日 聖霊降臨後第9主日
マルコ4:35-41 ヨブ38:1-11 Ⅱコリント7:1-16

今週の聖句

「いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか。」
マルコによる福音書4章41節

ねらい

・ガリラヤにおける奇蹟行為を通して、イエス様の力の大きさと、ユダヤ人と異邦人の間にある障壁を越えて、イエス様の宣教が次の場面、異邦人への宣教へ向かうことが予期されていることを覚える。

説教作成のヒント

・信頼とは、恐怖心や不安を乗り越える力であり、イエス様に従う時、わたしたちの恐れも吹き飛ばしてくださる。

・風を叱るイエス様の姿は悪霊を追い出されている姿に似ている。海や湖は人にとって危険に満ちた場所で、しばしば悪霊の住みかとも考えられていたようであり、わたしたち一人一人が危険に陥った時にイエス様は声を叱咤激励してくださる。

豆知識

・旧約聖書では荒れ狂う水が混沌と邪悪の力の象徴(イザヤ51:9-10、詩編89:8-10)。神さまの力は海をその境界内に閉じ込め(詩編1:2,6-9)、風と波を沈める(詩編74:12-14、93:3-4)ということによって明らかにされる。

・「デカポリス」とはギリシア語で「10の町」の意味。

説教

ある日、イエス様はガリラヤ湖の岸辺に舟を浮かべ、そこから大勢の人々にいろいろと教えられました。それを終え、夕暮れ時に弟子たちはイエス様の促しに従ってガリラヤ湖を横断して、対岸に渡ろうとしていました。だいたい約十キロメートルを渡ることになります。船を出すのですから、天候は問題なし、晴れか曇り、視界良好です。ところが、突然大きな波や風が出てきて船がひっくり返りそうな危険な状況になりました。さあ、大変です。波が高く、風が強いことが続くとどんな気持ちになるでしょうか。楽しい気持ちにはなれません。焦って、どうしよう、死んでしまうかもしれない。そんな思いになることでしょう。そんな時、イエス様は舟の後ろの方で枕をして眠っておられました。眠っておられるイエス様と慌てる弟子たち。とても不思議ですね。イエス様はたとえ波が高くなっても大丈夫と自信があったのでしょう。この波を沈めることさえできる力が神さまにはあると信じていたのです。でも、弟子たちは大変な時には自分でなんとかしないといけないと思ったから焦ったのです。大事なことは初めから助けを求めること、神さまを信じ、委ねて、共に歩んでいくことです。特に大きな困難な時にはそうするべきです。

眠っていたイエス様を弟子たちは必死に起こします。起きあがったイエス様は風を叱り、湖に「黙れ。静まれ」と声をかけられ、荒れ狂う湖を静かな凪の状態に戻してしまわれました。確かに自然に言われましたが、その言葉は弟子たちの心にも届いたでしょう。イエス様は舟をどうしろとかわたしを信じなさいとか言われるのではなく、あなたの心の中にある嵐を静めなさいと言われるのです。心の内の嵐が静まったとき、弟子たちは再びそこにおられるイエス様、自分が頼るべき人を見いだしました。このようにイエス様はわたしたちの恐れや今まで捕らわれていたものから解放し、新しい道へと送り出してくださいます。嵐の中で伸ばされる神さまの御手、その言葉を信じて歩んでいきましょう。

分級への展開

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