イエスさまが水瓶に水を満たしなさいと命じられたとき、家の者たちはそのことの意味がわからなかったに違いない。わたしたちも、しばしば意味の理解できない働きを命じられるが、それを成し遂げたとき、イエスさまはただの水を、高価なぶどう酒に変えてくださる。たとえわたしたちが、意味のわからない道を歩まねばならないことがあったとしても、神さまはわたしたちの人生を悪いようにはなさらない、と信頼して歩みたい。
こども向けのシンプルな説教では、聖書の物語そのものを、子どもたちに語ってきかせるのがよい。聖書の物語自体に力があるからである。この説教では、聖書の物語自体を語り、味わい、そして終わりにこの物語の意味を子どもたちとわかちあう、という展開にした。クリスマスの喜びと、結婚式の喜びを重ね合わせる形で、わたしたちの喜びを祝福して下さる神さまのゆたかな恵みに焦点をあてる、という説教にすれば、教会暦とマッチしたメッセージになる。
古代ユダヤの結婚式は1週間も続くことが普通であったという。ヨハネによる福音書では、イエスさまの7つの奇跡(しるし)が取り上げられているが、このぶどう酒の奇跡はそのうちの一番最初の奇跡である。
無意味な水が豊かなぶどう酒に変化するというこの箇所は、歴史的には教会において、洗礼から聖餐へと到る聖礼典と結びつけて語られることが多かった箇所である。
今日は1年の最後の日。明日から新しく2018年が始まります。今日はみなさんのおうちでも、いろいろとお正月を迎える準備をすることでしょう。わたしたちはみんな、それぞれのお誕生日になったら1才年をとりますが、むかしの日本では、お正月になったらみんなが一斉に1才年をとったそうです。つまり全員の誕生日のお祝いを、お正月にしていた、ということですね。
今日の聖書の箇所もお祝いのお話し。結婚式のお祝いの時のお話しです。むかし、ユダヤの国では、結婚式のお祝いは1週間も続いたそうです。ガリラヤのカナという町で行われていたある結婚式で、お祝いに出すためのぶどう酒が、途中でなくなってしまったのです。それを見ていたイエスさまのお母さまのマリアさんは、イエスさまに、「みんなが困っていますよ」、と伝えました。するとイエスさまは、その家のお手伝いさんに、そこにおいてある大きな水瓶全部に水を汲んで一杯にしなさい、と話されました。けれども、水瓶はとても大きくて、おまけに全部で6個もあるのです。お手伝いさん達は、なんどもなんども井戸水を汲み上げて水瓶に注ぎましたが、なぜそんなことをしなければならないのか意味がわかりません。でも、たとえ意味がわからなくても、他でもない、イエスさまが、そのことを命じられたのです。全部の水瓶に水を一杯にするのは、とても大変なことでしたけれども、お手伝いさん達は、それをやり遂げました。
すると、不思議なことに、汲んできたときにはただの水だったのに、水瓶の中に水は、すっかり最高級のぶどう酒に、いつのまにやら変わってしまっていたのです。お祝いしに来てくれていた人たちが、美味しいぶどう酒に大喜びしたのは、いうまでもありません。神さまがわたしたちに命じられることは、いつでもわたしたちにその意味がわかる、とは限りません。たとえ今、わたしたちにその意味がわからなくても、きっと神さまは、わたしたちに最高のプレゼントを準備してくださっているに違いないのです。ですから、神さまを信頼して、新しい年もイエスさまと共にあゆんでいきたいと思います。
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
□ 26番 「いざうたえ」
□ 改訂70番 「いざ歌え、いざ祝え」
(Lv.1)(答え:今日の出来事の舞台はなんという場所でしょう?(答え:「(ガリラヤの)カナ」)
(Lv.2)今日の箇所では「母」とだけ言われていますが、イエス様のお母さんはなんという名前でしょう?(答え:「マリア」)
(Lv.3)これは、イエス様の起こした奇跡のうち、何番目のものでしょう?(ヒント:ヨハネ福音書は奇跡を「しるし」と呼びます)(答え:1番目。11節で「最初のしるし」と言われています)
(Lv.4)2、ないし3メトレテスってどれくらいの分量?(答え:78~117リットル。)
(Lv.99)今日の箇所は「三日目に」と始まっていますが、それでは三日前、イエス様は誰と会ったでしょう?(答え:「(洗礼者)ヨハネ」。この時イエス様はヨハネから洗礼を受けていますが、そのことはヨハネ福音書には書かれていません)
今日の説教を話合いで復習しどの程度理解しているか確認する。
特に小さいこどもはちょっとした言葉の聞き違いからとんでもない間違った理解をしていることがあるので説教理解の確認は分級のはじめに欠かせない。
予め水瓶の代わりに透明ではない土瓶、または水筒を2個、用意しておく。
そのひとつには予め葡萄ジュースを入れて置く。
もうひとつは空のままで別に水差し、またはやかんに水を用意しておく
どちらもこどもに見えないところに置く。
イエスさまのお母さんがイエスさまに「葡萄酒が足りません」と言われました。
大切な結婚式のお祝いで葡萄酒が無くなったら困るよねー。
イエスさまは「私の時はまだきていません」と言われましたがお母さんが「この人が何か言いつけたらその通りにしてください」と言われましたね。きっとマリアさんはイエスさまが助けて下さることが分かっていたのでしょうね。イエスさまは「水瓶に水を一杯入れなさい」と言われましたね。
ここでひとつの入れ物と水差しをだして机に置く。
じゃあ誰かこの水を水瓶…これは水瓶じゃないけど、水瓶と思って、ここにこの水を入れてみて下さい。
聖書には書いてないけど、イエスさまはその後できっと神さまにお祈りをされたのじゃないかな、と思います。みんなも目をぎゅっと閉じてお祈りをしてみて下さい。
こどもが目を閉じている間に水の入った入れ物とジュースの入った入れ物を取り替える
ハイ、目を開けて、みんながお祈りをしたら水が葡萄酒になったかな?
と子供たちにコップを配りジュースを入れる。
みんなでジュースを飲みながら「みんなもイエスさまのように困っている人を助けてあげることができ
たら良いね」と話し合う。
・ イエス様は何のためにこの世界に来られたのでしょうか?困っている人のため?
・ ぶどう酒にはどんな意味があるのかな?教会でぶどう酒を使うことはありますか?