繰り返しクリスマスの物語を聞いてきた子どもたちも少なくないと思う。けれども2度でも3度でも、クリスマスのストーリーを、シンプルに子どもたちとわかちあいたい。子どもたちの心の中に、暗い野原の情景が思い描けるように。そして、その暗い野原に、明るい喜びが満ちる出来事、それがイエスさまの誕生であったのだ、とイメージしていきたい。クリスマスは、わたしたちの喜びの時である。
イエスさまが、きらびやかな王宮のベッドではなく、粗末なエサ箱に寝かされたことは、イエスさまがどのような方として地上に来られたかを象徴している。この世の片隅で生活する人々にとっての喜びの出来事である。当時の羊飼いが、社会的には周辺に追いやられた人々であったことをわかちあってもよい。
聖書のテキストには、イエスさまが馬小屋でお生まれになったとは書かれていない。ただ、「飼い葉桶に寝かせた」とあることから、そのように言われているのである。当時のパレスチナでは、家畜小屋には洞穴を利用するのが一般的であったという。
ある、寒い夜のことでした。空にはたくさんのきれいな星が光っていました。村はずれの野原では、羊飼いのおじさん達が羊の番をしています。羊飼いさんたちは、羊を飼うのが仕事でしたら、寒くても、淋しくても、お外で、一生懸命、羊たちのためのお世話をしていました。とってもかわいくて、大切な羊たちでした。ですから、羊をたべる狼がやってこないかどうか、夜の間じゅう寝ないで見張り番をするのです。
遠くの方に、村の灯りが見えます。村には今日はたくさんのお客さんがいるようでした。温かい家の中では、お家の人たちとお客さんとが、おいしいご飯を食べて、楽しいおしゃべりをしているのかも知れません。けれども野原には、ストーブもないし、温かいご飯も、テレビも、お風呂もありまません。野原には、なんにもありませでしたけれども、空にはきれいな星が、たくさん光っていました。
羊飼いさんたちが、その星を見ていると・・・、あれあれ・・・誰がやってきたでしょうか? そう、暗い空から、天使さんがやってきたのです。
天使さんは云いました。「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである」。メシアというのは、僕たちが困っている時に、助けてくれる方のことです。それは誰でしょうか。そう、イエスさまです。羊飼いさんたちのところには、何にもありませでしたけれど、その羊飼いさんのところに、天使さんが来て、みんなのことを助けて下さるイエスさまが生まれるよ、と教えくれたのでした。羊飼いさんたちたちは、さっそく天使さんが教えてくれた村はずれの馬小屋に行って、マリアさんにだっこされたイエスさまと出会いました。そして、とっても嬉しい気持ちで、また野原へと帰っていきました。イエスさまは、クリスマスの夜に生まれて、そして大きくなってから、世界中の困っている人たちのためにお仕事をしました。そのイエスさまの誕生を、一番最初に教えてもったのが、羊飼いさんたちだったのです。
僕たちは、家に帰れば、温かいご飯も、やさしい家族も、お風呂も、きもちのいい布団もあります。そしてクリスマスになったら、素敵なクリススプレゼントをもらうかもしれません。だけと世界中には、お家にお金がなくて、学校に行けなかったり、1日に1回しかご飯を食べることが出来ない子どもたちもいます。
イエスさまは、世界の中で困っている人たちのために生まれて、そしてお仕事をして下さいました。ですからわたしたちも、このクリスマスの嬉しい日に、少しでも、イエスさまのお手伝いが出来る、そんな子どもさせてください、とお祈りしていきたいと思います。
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
(Lv.1)マリアとヨセフは何処から何処へ旅をしたでしょう?(答え:「ナザレからベツレヘムへ」)
(Lv.2)次のうち、今日の箇所に「出てきていない」のは誰でしょう?答えは二つです。「マリア」「東方の博士達」「羊飼い」「ヘロデ王」(答え:「東方の博士達」と「ヘロデ王」。両者が登場するのはマタイ福音書です)
(Lv.3)マリアはイエス様を産むことを天使から告げられたのですが、その天使の名は何でしょう?今日の箇所の少し前に出てきます。(答え:「ガブリエル」ルカ1:26)
(Lv.4)マリアの親戚で、洗礼者ヨハネのお母さんは誰でしょう?これも、今日の箇所の少し前に出てきます。(答え:エリサベト)
(Lv.99)(大人の)礼拝で唱える「グロリア」の最初の部分は、今日の個所が元になっています。さて、それは何節でしょう?(答え:14節)
・ どうしてヨセフとマリアには泊まる場所がなかったのかな?
・ 羊飼いたちはどうして夜通し羊の群れの番をしていたのかな?
・ 神さまは羊飼いたちに一番初めにイエス様の誕生の喜びを伝えました?王様でも、街の人でもないのには理由があるのかな?