TNG The Next Generation

2017年12月17日 待降節第3主日

福音書 ヨハネ1:19-28
第一の日課 イザヤ61:1-4
第二の日課 Ⅰテサロニケ5:16-24

今週の聖句

「わたしは荒れ野で叫ぶ声である」
ヨハネによる福音書 1 章 23 節

ねらい

洗礼者ヨハネを学ぶことを通して、クリスマスにイエスさまを迎える心備えをしていくことが、先週に引き続いたこの主日のテーマである。ヨハネがイエスさまを迎えるために活動していったことを覚えたい。

説教例では、メシアではないかと人々が期待した洗礼者ヨハネが、イエスさまの到来を準備する存在であったこと。そしてユダヤの人々が待ち望んだメシアのイメージと、実際のイエスさまとのギャップに注目し、イエスさまが、真のメシアとしておいで下さることを示唆するメッセージとした。

説教作成のヒント

2週続けて、同じテーマを同じ洗礼者ヨハネから学ぶことになるので、先週と同じようなお話になってしまわないような工夫が必要となる。そのために、ヨハネの人物像や洗礼の意味などについて解説する説教を準備しても良いが、説教全体が、イエスさまの到来を待ち望む季節である待降節の意味から離れてしまわないように配慮しながら語りたい。

豆知識

イスラエルの民は、困難な民族の歴史の中で、神さまが民を救うメシアを遣わしてくださることを神さまとの約束として待ち望んでいた。メシアは旧約聖書の言語であるヘブル語で救世主の意。これを新約聖書の言語であるギリシャ語に訳するとキリストとなる。祭司やレビ人、また群衆たちは、待ち望んでいたキリストとは、このヨハネではないか、と噂しあったのである。

説教

みんなは、どんなひとが自分の国の総理大臣になって欲しいですか。もしかしたら、戦争をするのがとても上手で、外国と戦って日本の領土を増やしてくれる人がいい、と思う人がいるかも知れません。また別の人は、お金儲けがとても上手な人が総理大臣になって、日本に住んでいる人が、みんなお金持ちになれるように、日本のためにたくさんお金儲けをしてくれる人がいい、と思う人もいるかもしれません。

むかし、ユダヤの国は、戦争に強いわけでもなく、お金がたくさんある国でもありませんでしたから、ユダヤの国の人たちの中には、自分たちの国のために、強くて立派でお金持ちのリーダーが欲しいなぁ、と考えて、神さまにそのようにお願いたひともいたと思います。

ある日、ユダヤの国に、毛皮の服を着て、とても力強く神さまの言葉を語る洗礼者ヨハネさんが現れました。ユダヤの人々は、もしかしたらこのヨハネさんが、ユダヤの国を強くてお金持ちの国にしてくれる、神さまから遣わされたリーダーではないだろうか、と考えて、ヨハネさんのところに、「あなたはメシアなのですか?」、と聞きに行ったのです。メシア、というのは、わたしたちを救ってくれる人、という意味です。ヨハネさんのお返事は、「いいえ、わたしはメシアではありません。わたしの後から来られる方が、みんなのために神さまがお与えくださる本当のリーダーなのです」、というものでした。

わたしの後から来られる方、とは、誰のことだかわかりますか? そう、その方のお名前は、イエスさまです。でもイエスさまは、外国と戦争をするために来られるわけでも、みんなをお金持ちにするために来られるわけでもありません。みんなが、神さまに喜ばれる生き方ができるようになるために、みんなにやさしい心をプレゼントして下さる方なのです。神さまに喜ばれる生き方は、お金持ちになるよりも、戦いに強くなることよりも大切なことです。もうすぐクリスマスがやってきます。わたしたちにやさしい心をプレゼントして下さるイエスさまのお誕生を、喜んで準備していきましょう。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□ 109番 「ふねがきます」

□ 改訂63番 「ふねがきます」

聖書クイズ

(Lv.1)ヨハネは、人々から「あなたは、どなたですか?」と聞かれた時、最初何と答えたでしょう(答え:「わたしはメシアではない」)

(Lv.2)「メシア」を日本語で言うと「○○主」です。さて、何でしょう?(ヒント:ルカ2:11)(答え:「救い主」)

(Lv.3)今日の箇所のヨハネは、イエス様の弟子のヨハネとは別人です。区別する為によく「○○○ヨハネ」と呼ばれるのですが、それは何でしょう?(ヒント:今日の箇所の見出しにあります)(答え:「洗礼者ヨハネ」バプテスマのヨハネという言い方もあります)

(Lv.4)今日のお話に「祭司とレビ人(びと)が出てきました。では、両者が一緒に登場する有名なたとえ話といえば?(ヒント、ルカ10章にあります)(答え:「善いサマリア人」のたとえ)

(Lv.99)今日は「ベタニア」での出来事でしたが、エルサレムの近くにある同じ名前の町とは別の場所です。今日の町がどこにあるのか、地図(聖書の巻末 6 新約時代のパレスチナ)で探してみましょう。(答え:死海のそば、ヨルダン川の東にあります。エルサレム視点なのでヨルダン川の「向こう側」なのですね)

やってみよう

ヨハネさんは自分のことを「荒野で叫ぶ声」だと言って自己紹介しました。

みんなでヨハネさんを探しましょう。

かるたの様なカードを用意します。

2枚1組にして

予言者予言者の絵
エリヤエリヤの絵
メシアメシアの絵
荒野で叫ぶ声らくだの毛皮を着たヨハネの絵
片方には字、もう片方には相当する絵を描いて机の上にバラバラに伏せて置きます。

ひとりずつトランプの神経衰弱の要領で字と絵があったものをめくることが出来たら自分の札になる。

こどもが多い場合はイエスさま、マリア、ヨセフ、博士、羊飼いなど増やしても良い。

話してみよう

・ ヨハネは「あなたは、どなたですか」と尋ねられて、何と答えたでしょう?

・ わたしたちが同じ質問をされたら何と答えるでしょうか?

・ 道がまっすぐでないとどんな困ることがありますか?

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