教会暦の新しい1年の始まりである。これから4週間にわたって、クリスマスを待ち望むアドベントが始まっていく。オルタクロスの色が変わり、アドベントクランツが飾られる。教会のカレンダーの1年は、イエスさまをお迎えする準備から始まることを覚えたい。そのために、ルーテル教会のテキストは、イエスさまのエルサレム入城を描き出す。イエスさまが、平和の王としてエルサレムに入られたことを覚え、わたしたちも教会の飾り付けを行い、平和の王であるイエスさまを喜び迎えていくアドベントを過ごしていくことを確認したい。
せっかくの教会暦のはじめの週であるので、そのことを覚えたいと思うが、そこを展開しすぎると、単なる知識の伝達になってしまう。聖書のテキストが、子どもたちに福音として届くように、平和な王であるイエスさまのイメージを、子どもたちと共有したい。
イエスさまのエルサレム入城の記事は、4つの福音書すべてに描かれている。このロバに乗ったイエスさまの描写の背景にはゼカリヤ書9章9-10節があり、マタイによる福音書21章4節は、「それは、預言者を通して言われていたことが実現するためであった」、と明言している。ゼカリヤ書は、「高ぶることなく、ろばに乗ってくる」と、この王が柔和な王であることを描写している。
今日、礼拝堂に入って、何か気がついたことがありますか? そう、ここにロウソクが4本(5本)立ったリースがありますが、これは「アドベントクランツ」、といいます。アドベントとは、やってくる、という意味です。何がやってくるのかわかりますか? そう、クリスマスです。これからクリスマスまでの間、日曜日ごとにこのロウソクに1本ずつ火が灯っていきます。みなさんもきっと、クリスマスが楽しみだと思いますけれども、教会でも毎週、このアドベントクランツにロウソクを灯しながら、クリスマスがやってくるのを楽しみに待っていくのです。そのしるしが、このアドベントクランツなのです。
そして、アドベントクランツのクランツというのは、冠という意味です。王様がかぶる冠のことです。この冠は、誰のための冠なのかわかりますか? そう、この冠というのは、イエスさまがかぶる冠です。イエスさまは、平和の王さまとして、みんなの心の中においで下さいます。戦争をして、相手をやっつけるような王さまではなくて、世界中の人たちが、みんなで仲良く暮らせるように、わたしたちの心の中を、やさしく、あたたかくしてくださる王さまなのです。
そのことが、今日の聖書のお話しにも出てきました。イエスさまは、3年間にわたって、お弟子さんたちと一緒に、神さまのお話を伝えたり、病気の人を治してあげたりして、人々のために働かれました。そしてとうとう、ユダヤの国の首都である、エルサレムの街にやってこられました。あの有名なイエスさまが、エルサレムの町に来られるというので、みんな立派で、強そうで、威張った王さまみたいな人がやってくるのかと期待しました。でもイエスさまは、小さな子ロバにまたがって、やさしい王さまとしてエルサレムに入ってこられました。イエスさまは、世界中の人たちにとって、やさしさこそが大切な事だと、みんなにわかって欲しかったのです。わたしたちも、やさしい平和の王さま、イエスさまの誕生日であるクリスマスを、やさしく、愉しい気持ちで待ち望んでいきましょう。
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
□32番 「ダビデのこホサナよ」
□改訂82番 「ダビデの子、ホサナ」
(Lv.1)イエス様が乗ったのは、どんな動物だったでしょう?(答え:ろば)
(Lv.2)イエス様は最後、なんという街に到着したでしょう?(答え:エルサレム)
(Lv.3)人々はイエス様を歓迎する為に、何を道に敷いたでしょう?二つあります。(答え:自分の服、葉のついた枝)
(Lv.4)今日の箇所の出来事は、旧約聖書で言われていたことで、ゼカリヤ書の9章に出てきます。さて、何節にあるでしょう?(ヒント:1489頁です)(答え:9節)
(Lv.99)今日の箇所の9-10節は、ちょっと言葉が違いますが(大人の)礼拝の中で使われています。どこで使うでしょう?(ヒント:聖餐式の中にあります)(答え:「サンクトゥス(聖なる)」)
・イエスさまに喜んでもらえることって、どんなことがあるかな?どんな時にそのことができそう?一人でできる?