2017年10月15日 聖霊降臨後第19主日
マタイ 20:1-16 イザヤ 55:6-9 フィリピ 1:12-30

今週の聖句

「後にいる者が先になり、先にいる者が後になる」
マタイによる福音書20章16節

ねらい

神様は人の能力や体力によらずだれでも同じ様に愛していて下さる事を知らせる

説教作成のヒント

導入の部分は三人称で話す事もできます。子ども達は自分に身近な人のことには興味を持ちますからそれぞれ工夫してみましょう。

豆知識

1デナリ-1日の労働に対する賃金 現在の日本なら10000円位?

説教

私は4人兄弟の一番上で妹と二人の弟がいました。小さい時からいつも母の手伝いや父の手伝いをしていました。大きくなってからもてつだうのは何時も私で妹はあまりてつだわないで弟たちと遊んでいました。特に年末の大掃除やお正月の用意をする時等はテレビばかり見ている妹に腹がたっていました。でも母は私がてつだったからと言って私だけに美味しい物をくれたりお小遣いをくれたりするわけではありません。お八つもごちそうも何も手伝いをしない弟たちも私も同じようにくれました。なんだかてつだっている人が損をしているような気分です。

今日の聖書のお話はぶどう園の主人が働く人を探しにいくお話です。主人は夜明け前、朝9時ごろ、昼12時ごろ、3時ごろ、夕方5時ごろ、と5回もでかけて同じ様に「働いてくれたら1デナリあげるよ」と約束します。そして6時頃仕事が終るとみんなに1デナリずつ支払うのです。そこで最初から1日中働いた人が文句を言いました。夕方5時から1時間しか働かなかった人が1デナリ貰ったのだから1日中働いた自分はもっと沢山貰えると思ったからです。私達が考えても1日中働いた人が文句を言う気持ちがわかりますね。

でも主人は「貴方にも働いたら1デナリあげると約束をしたでしょう。何か文句がありますか?」と言います。そして「私はこの最後の者にも同じように支払ってやりたいのだ」と言われるのです。

みなさんの中には頭が賢くて勉強が良く出来る人もいるでしょう、そんなお友達は大人になって学校の先生になったり政治家になったりして人のためによく働く事が出来る人になるかもしれません。体が強くて力持ちの人もいますね、強い体を使ってスポーツ選手になったりする人もいるでしょう。お医者さんや看護婦さんになって病気の人のために働く人もいるでしょう。でもみなさんのお友達の中には体が弱くて色んなお仕事が出来ない人もいます。それどころか体に障害があってずっと寝たきりで学校に来る事ができないお友達もいます。

でも神様は私達一人一人を大切に思って下さっていますお父さんやお母さんがどの子どもも同じ様に可愛がってくださるのと同じように。勉強が出来ても出来なくても、体が強くても弱くても、沢山お仕事が出来る人も、少ししかお仕事が出来ない人も、全然お仕事が出来ない病気の人も、どの人も同じように大切に思って愛して下さるのです。

分級への展開

さんびしよう

* 讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□ 53番 「しゅにしたがいゆくは」

□ 改訂119番 「主に従うことは」

聖書振り返りクイズ

(Lv.1)夕方から働いた人は1デナリオン貰いました。朝から働いた人は何デナリオン貰えたでしょう?(答え:1デナリオン)

(Lv.2)夕方に広場にいた人は、なぜ一日中そこにいたのでしょうか?(答え:誰も雇ってくれなかったから)

(Lv.3)主人は、何回労働者を雇いに出かけたでしょう?(答え:5回(夜明け、九時ごろ、十二時ごろ、三時ごろ、五時ごろ))

(Lv.4)「後にいる者が先になり、先にいる者が後になる。」という言葉とよく似た言葉で終わる箇所が今日の箇所の直前にあります。なんという出来事でしょう?(答え:「金持ちの青年」(マタイ19:16-30)

(Lv.99)「デナリオン」というのは昔使われていたお金です。それでは「1デナリオン」硬貨は、どんな金属で作られていたでしょう?(ヒント:聖書の後ろの方に載っています)(答え:銀。約4gだそうです)

やってみよう

<説明>今日の福音書のとおり、実際にロールプレイをやってみる。

<まず、役柄を決める>

・ナレーター、主人(雇う人、時間をはかる人)、監督、ぶどう園で働く労働者【明け方から(朝一番)働く人、9 時、12 時(昼から)、午後 3 時、5 時(夕方から)】の人々。

<ロールプレイのすすめ方>

・ナレーター:20:1 「天の国は次のようにたとえられる。ある家の主人が、ぶどう園で働く労働者を雇うために、夜明けに出かけて行った。」

・主人:マタイ 20:2 「…一日につき一デナリオンの約束で、労働者をぶどう園に送」るぞ(最初の約束をしっかりと告げる)。【一デナリオン(例):あめ玉、お菓子、カードなど】

・主人は労働者に呼びかけ【(例)「次は○時の人、働いて!」】(順次、5 時の人まで)、順に雇い、働いてもらう【労働(例):折り紙で、手裏剣、折り鶴を折るなどの労働】。労働時間は 1 分毎など、時間を計りながら雇い人を働かせる。

・ナレーター:20:8 「夕方になって、ぶどう園の主人は監督に『労働者たちを呼んで、最後に来た者から始めて、最初に来た者まで順に賃金を払ってやりなさい』と言った。」

・監督:約束の「一デナリオン」渡す(注意:5 時の人から順に配ることを忘れずに!)

・主人:労働者たちに感想を聞く(不平、不満がでないか?!もし出たら…)

・主人:20:13「主人はその一人に答えた。『友よ、あなたに不当なことはしていない。あなたはわたしと一デナリオンの約束をしたではないか。

・主人:今日のイエス様のたとえ話の最後の言葉を言う。「20:14 自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ。20:15 自分のものを自分のしたいようにしては、いけないか。それとも、わたしの気前のよさをねたむのか。」

<参考:こどもたちと一緒に、イエス様の言葉を考えよう>

イエス様の 20:15 の言葉「自分のものを自分のしたいようにしては、いけないか。それとも、わたしの気前のよさをねたむのか。』の原語は、直訳すると、「私に良い(○)ことを、お前の目に悪い(×)のか」という言葉になります。 他の訳では――・<岩波訳>「私のものについて、私が好きなようにするのがいけないとでも言うのか。それとも、私が寛大なものだから、君の目がよこしま(嫉妬深い、貪欲な、の意)になったのか。」

・<塚本虎二訳>「わたしがしたいようにしてはいけないのか。それとも、わたしが親切にしてやったのがうらやましいのか。」などもご参考に。

話してみよう

・兄弟がいる人はお父さんやお母さんに、いない人は教会の中で子どもが二人以上いる大人に兄弟でどっちが好きか聞いてみよう。

・順番抜かしや不公平されことってある?

・明日も日雇いの仕事があります、みなさんだったら何時に広場に行きますか?