TNG The Next Generation

2017年8月27日 聖霊降臨後第12主日

福音書 マタイ14:13-21
第一の日課 イザヤ55:1-5
第二の日課 ローマ9:1-5

今週の聖句

「天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて弟子たちにお渡しになった」
マタイによる福音書14章19節

ねらい

成人男性だけで5000人の養いは、4福音書すべてにある重要な奇跡物語である。「天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて」という表現は、最後の晩餐や聖餐式を想起させるが、説教がすぐその方向に流れるのは避けたい。詩編23編を念頭に、膨大な人々の養い(救い)がまことの羊飼いである主キリストのみに可能であることを伝えたい。

説教作成のヒント

鍵言葉は「深く憐れみ」と「草の上」である。マルコ福音書では群衆が飼い主のいない羊のような有様だったとある。詩編23編では「主はわたしの羊飼い」「青草の原に休ませ」と表現する。ヨハネ福音書では、良い羊飼いは羊のために命を捨てると語られている。5000人の養いを語りつつ、背後にあるこれらのメッセージを忘れずにいたい。

豆知識

「深く憐れみ」と訳されているのは特殊な言葉で、「内臓がよじれるような痛みを伴う憐れみ」という意味を持つ。痛みにうめくような、涙が出てくるような、奥底からの憐れみである。決して単なる同情ではない。キリストが人間のありさまにうめいておられるのである。

説教

イエスさまのもとには、いつもたくさんの人が集まっていました。神さまのことを知りたい、病気をなおしてほしいと願う人や、神さまに自分のことも忘れずに見守ってほしいと願う人たちでした。その日は、とりわけたくさんの人たちが集まり、大人の男の人だけでも5000人、ほかに女の人や子どもたちもいましたから、それはそれは、数え切れないほどの数でした。イエスさまはこのたくさんの人たちを見て、とても悲しそうなお顔をされました。こんなにもたくさんの人が悲しみながら、自分を導いてくれる人や救ってくれる人を欲しがっていることが分かったからです。イエスさまは人々に神さまのお話をなさり、それは長く続いて夕方近くになってしまいました。

お弟子さんたちは心配になって、「みんなを帰らせてください。そうしたら、それぞれで食事もできます」とイエスさまに言いました。ところが、イエスさまは言われるのです。「あなたがたが食べさせなさい」。お弟子さんたちがこんなにたくさんの人たちに食べさせるなんて、お弟子さんたちにはお金もなければ、それにどこに行けば信じられないほど多くの食べ物を買えるというのでしょう。イエスさまはだれもできないことをお弟子さんに求められたのです。お弟子さんが持っていたのは、たった5つのパンと2匹の魚だけでした。

イエスさまは人々を青草の上に座らせ、5つのパンと2匹の魚を受け取ると、「天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて弟子たちにお渡しに」なりました。お弟子さんはそれをみんなに配りました。すると不思議なことに、こんなにたくさんの人にたった5つのパンと2匹の魚だったのに、みんなが満腹になり、しかもいっぱい余りが残ったのです。

さて、このたくさんの人たちは、おなかが空いて食べるものが欲しくてイエスさまの所に集まったのでしょうか。そうではありません。神さまの話を聞きたかったし、悲しんでいたり、希望を失って心の中が空っぽになってしまい、心の中を満たすものが欲しかったのです。これはイエスさまにしか解決できないことです。たとえパン屑のように小さなものであっても、イエスさまの下さるものは人の心を満たし、余りがいっぱい残るほどに豊かなものなのです。もちろん、君もイエスさまからいただいているのですよ。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□104番 「にひきのさかなと」

□改訂21番 「2匹の魚と」

聖書振り返りクイズ

(Lv.1)穴埋め問題です。それぞれに入る数字は何でしょう。「イエス様の奇跡で、たった〇つのパンと〇匹の魚で〇人以上もの人々がお腹一杯になった。残ったパン屑は〇籠になった」(答え:5つのパンと2匹の魚、5000人以上、12籠)

(Lv.2)〇×問題です。「お腹がいっぱいになった人はだいたい5000人だった」、〇か×か。(答え:× 5000人は成人男性だけの人数です

(Lv.3)15節で、弟子たちは「群衆を解散させてください」と言っていますが、一体何を心配していたのでしょう?(答え:お店も家も無い場所で夕暮れが近づいて、このままだとみんな晩御飯が食べられないと心配した)

(Lv.4)マタイ福音書15章にも、今日の出来事と良く似た出来事が出てきます。さて、そちらだとLv1の問題の答えはどうなるでしょう?(7つのパンと少しの魚、4000人以上、7籠)

(Lv.99)(大人の)礼拝で、「みんなで一緒に食事をする」ことをイメージした式があります。それは何でしょう?(答え:聖餐式)

やってみよう

☆みんなでパンをつくってみよう!

材料

◆強力粉200g

◇砂糖20g

◇ドライイースト4g

□スキムミルク10g

□バター24g

塩3g

水130g

①◆◇□をボールに入れる。◇どうしをくっつけて、□とはなす。水を入れてこねる。

②まとまってきたら塩をいれのばしたときに指が透けるまでこねる。濡らした布巾をかけてオーブンの場合35度40分で一次発酵。

③1.5~2倍になり指で生地をおしてもどってこなければ一次発酵終了。8等分(約48gずつ)にわけ丸め、布巾をかぶせて10分置きます。

④オーブンシートを敷いた鉄板に③を並べオーブンの発酵機能で30分発酵させます。

⑤180度に予熱したオーブンで10~12分焼きます。

⑥おいしい丸パンのできあがり!

・教会学校に出席している全員が食べられるように、分け方を考えてみよう。配る順番やパンの大きさなど、どうするのか子どもたちで決めてみましょう。

・食べ終わったら片づけも自分たちでやりましょう。パンくずは落ちてないかな?

話してみよう

①たった一人で食事をするのと、家族みんなと一緒に食事をするのではどんな違いがあるか考えて発表してみよう。

②なぜ違うのか考えてみよう。食事は空腹を満たすためだけにあるのだろうか。

③食事の時、食べること以外に何をやっているだろうか。それはどんな役目を果たしているだろうか。

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